台風一過の秋晴れ。
キタノ映画のような写真が撮れました。
伊豆大島では甚大な被害を及ぼし、
多くの方が亡くなっていることを思うと、
複雑な気持ちで、空を見上げます。
カバオが好きでした。
ガパオじゃありません。カバオです。
ガパオも好きですが、今日はカバオくんの話。
アンパンマンに出てくる、カバの男の子です。
いつもお腹を空かせていたり、ばいきんまんのいじめにあったりしていて、
アンパンマンに助けられるラッキーボーイ。
そうそうたるパン達やなんちゃらマン達に比べると地味な存在なんですが、
のんびりしたキャラクターと、なにより食いしん坊というところが自分とシンクロして、
アンパンマンからアンパンをいつももらっていて羨ましくて、
好きだったんですよね。
カバオと同じように、私にとっても、アンパンマンはヒーローだった。
やなせたかしさんが亡くなりました。94歳になられていたんですね。
「ひもじい思いをしている人に、パンの一切れを差し出す行為を『正義』と呼ぶのです」
戦争、そして価値観の揺らぎを経験したやなせさんが世の中に伝えたかった
「絶対的正義」への思いが、アンパンマンを誕生させたんだそうです。
そう考えると、楽しいキャラクターの競演を通して、
やなせさんが一番伝えたかったことのひとつは、
アンパンマンのアンパンでお腹いっぱいになった
カバオたちの笑顔だったのかも。
ちょい役に見えたカバオは意外と本質にかかわる
超重要人物だったのかもしれませんね。
「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、
そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです」
こんな風にもやなせさんは語っています。
先日の、横浜で線路内に立ち入った男性を助けようとして亡くなった女性を思い出します。
シリアで起きている内戦を思い出します。
正義ってなんだろう。
いま、改めて考えます。
やなせさん、ご冥福をお祈り申し上げます。