「30秒前!」
忙しないニュースルーム内に設けられたスタジオに響き渡るその声に、
ピリリとした空気が張り詰める。
間もなく、生放送が始まろうとしている。
「報ステ」の放送前に読ませてもらうことになった、久しぶりのストレートニュース。
手元の原稿から目を離し、まっすぐとカメラを見据える。
「10秒前・・・」
この直前の緊張感が好きだ。刻々と迫りくる時を、体全身で受け止めるこの感覚。
5秒前、4、3・・・。
「こんにちぁ。」
あれ?唇が妙に重たい。動いてくれない。
「にゅーしゅおおつたえいまふ。・・・」
どうした!なぜ動かない!思うように文字が追えない。
このニュースを読まなければ、次に進めない。
頭が真っ白になる。どうしちゃったの、私・・・。
混乱の中を溺れそうになる私をあざ笑うかのように、秒針が滑らかに時を刻んでゆく――
数日後。私はBSニュースのスタジオにいた。
あれだけの失態を晒してしまったのに、再びチャンスをもらうことができたのは有難いことだ。
今回こそは、しっかり伝えなければ・・・。
気合が、原稿を握る手に滲む。
カメラのタリーが赤く光る。さぁ。今回は、大丈夫だから・・・
「あ、えぇーと・・・」
原稿が、ない。手にしっかり握っていたはずの原稿が、すべて白紙だ。
文字がない。見えない。どこかに消えてしまっている。
必死に文字を探す。言葉を探す。でも見つからないのだ。
どうしよう、どうしよう・・・
「!!!」
大きく息を吸ってパッと目を覚ましたその時、やっとそれが夢だったことに気が付いたのです。
今朝の私の話です。最悪の目覚め。
一瞬の目覚めを挟んで速やかに二度寝を始めた私は、
なぜかご丁寧に数日後という設定で再び悪夢を見てしまったようで・・・
妙にリアルでした。こわっ
やはり仕事柄、生放送のプレッシャーを無意識下で感じているのか、
この類の仕事の夢は珍しいものではなく、入社してから幾度となく見ています。
ただ、2本立ては初めて。はぁ、生気を吸い取られた・・・。寿命が恐らく縮みました。
そもそもなぜ悪夢を見てしまうのか。調べてみると、
やはり疲労やストレス、それから就寝時の姿勢からくる苦痛、アルコール摂取などが
その原因として挙げられていました。
これらは、なんとなく原因としては、さもありなんと納得できる気がしますが、
さらに調べていくと、就寝前の夜食も、悪夢の原因と言われているんですって。
胃が消化モードに入ってしまうと、血液が胃に集中し脳に回りにくくなるんだそうです。
食後に眠たくなるのも同じメカニズム。
就寝中は血流が限られてしまうので脳が虚血状態になり、さらに消化もしにくいため胃がむかむかし、
ダブルで体にとってはストレスとなり悪夢を見やすい環境が出来てしまうんだとか。
そういえば昨日も寝る前に食べてた。うむ、これだな。
悪夢を見ると1日の気分が台無しになってしまうので、皆様もお気を付け下さい。
さぁ、明日早朝はギリシャ戦!悪夢なんて見ている暇はないですねっ。
サムライブルーをチラリズム。