先月14日から23日まで、
アメリカ出張、行ってまいりました!
【19日木曜日と20日金曜日は、ワシントンから中継出演しました】
【いつの間にか撮られていた、必死に原稿を書く中継30分前の図】
めまぐるしい出張から帰国してほっとしたのもつかの間。
就任するやいなや、さっそく「有言実行」とばかりに大統領令へのサインを連発して
アメリカのみならず世界に変化と混乱を生みはじめているトランプ大統領。
今度は何が起きた?いったいどうなっている?
帰国後の日々も、めまぐるしく過ぎていき…
やっとやっと、頭の整理ができてきたので、
個人的な備忘録を兼ねて、ブログを書きます。(笑)
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就任式は20日の朝。
それなのにどうして14日から取材に入っていたのかは、また次回書きますが…
ワシントンには18日夜に入り、
就任式前日の朝から、取材開始しました。
お祝いムードに沸くトランプ・ファンと
【でも支持者たちは楽しそう。こんな車?でミシガンから来たという方も】
一方で、デモの準備をするデモ隊が同居する異様な空気を体感。
街もいたるところで、物々しい雰囲気。
夜には警官隊との激しい衝突も。
この模様は、さすがに写真を撮っている余裕がありませんでした…。
ただ、どこかで必ずデモのシュプレヒコールが上がっている、というほどではなく、
「緊迫のワシントン」という言葉とはちょっと違います。
どこか冷ややかな空気感は、トランプ大統領に投票した人はわずか4%というワシントンですから、
当然といえば当然のこと。
ただ、そのワシントンの冷やかさの中に
「いつ何が起きるかわからない…」という得体の知れないモヤモヤ感が混ざり合って漂っていて、
トランプ大統領就任を祝うために集まった支持者のみなさんは、
盛り上がりきれず、どこか控えめに街を歩いているようにもみえました。
中継場所と時間の関係で、就任式では現場にいることができませんでしたが、
就任式の後のパレードでも…
トランプ新大統領が通る沿道に続くセキュリティーチェックのポイントがいくつかあるのですが、
デモ隊が集まって、「とおせんぼ」をしたり、
並んでいるトランプ支持者を、周りから抗議者たちがなじり、小競り合いがあったり。
ただ、パレードではトランプ大統領やご家族が車から降りて歩くのを観ることができ、
さすがに興奮しました。
そして待ち時間に、トランプ氏の支持者たちとも、仲良くなり。
「ラストベルト出身の」「妄信的で」「過激な」トランプ氏の支持者を
ニュースなどでは目にすることが多い気がしますが、
写真の方々はそれぞれ、サンディエゴとニューヨーク在住。
温かくて楽しくて、極端な思考を語るでもなく、
ただただ、「これまでの体制じゃなくて、何かほかのものに頼りたい」
「口先だけじゃなくて、本当の意味でのCHANGEがほしいんだ」という思いは
とてもシンプルで、理解ができるような気がしました。
でも、パレード中もどこからともなく
「Shame on you!(恥を知れ!)」コールが巻き起こり、
それを支持者たちがあわてて
「USA!」コールでかき消す、という一幕も。
まぁー、落ち着きません。
そわそわしながら、就任式の日を過ごしたわけですが、
たまってたエネルギーの「爆発」は、その翌日に起きたのでした。
こんなにたくさんの人たちを一度に観たのは初めて!というくらいの、
人。人。人。
ピンクのニット帽と、思い思いに掲げたプラカードで、溢れかえったワシントン市内…。
「ウィメンズマーチ」という、女性の権利を中心に、
トランプ大統領にもの申したい人たちに呼びかけられた大規模デモがあったのです。
この日のデモには、50万人が参加したそう。
その中にはおばあちゃんも
こどもたちも。
移民政策に恐怖を募らせるシリア難民の女性。
トランプ大統領が、障がい者を侮辱するようなしぐさをしたことに
哀しみを覚えたという、車いすの男子高校生。
LGBTQに寛容でないのでは…と表情を曇らせていた、レズビアンのカップル。
家族や友達を守りたいという思いでやってきたという、メキシコ人の男子大学生。
トランプ大統領就任への怒り、怖れ、絶望…。
とぐろを巻くような思いに、押しつぶされそうになるくらいでした。
大群衆の中を縫うように、インタビューをしながら歩いていると、
気づいたら飲まず食わずのまま、6時間が経っていました。
そんなこんなの就任式周りの取材を終えて、
東京に戻り、ちょっとは落ち着けるか…と思ったら、
トランプさん。
矢継ぎ早の大統領令と相変わらずの振る舞いに、
めまぐるしい日々が続いていますね。
特に、入国禁止の大統領令は波紋を広げ、
世界各地でデモは加熱の一途をたどっています。
それでも、2月1日時点の最新のロイター通信の世論調査で、
アメリカ国民の49%が、この大統領令を「支持する」としていて、
「支持しない」という41%を上回っているという事実。
トランプ大統領そのものへの賛否同様、「分断」されています。
でも、この「分断」という言葉。
あまりに繰り返され、宙に浮きはじめているような気がします。
このひとことで片づけられない、
枠にはまらないそれぞれの人たちの思いを、
取材を通してたくさん、感じてきました。
そして、新聞やテレビ以外にも様々なニュースメディア、
さらにはツイッターなどSNSの情報も溢れる中で、
「信じたいものしか信じない」
「見たいものしか見ない」
そんな傾向が顕著になっていることも感じました。
それはトランプ大統領を支持する人も、支持しない人も、
どちらもそうです。
番組では、49%と41%、それぞれの思いを探ろうと、
試行錯誤を重ねています。
「分断」の両サイドの思いを「聞く」だけでなく、
「理解しようとする」ことからはじめたいと、感じています。