追悼 スティーブ・ジョブズ
2011年10月07日

始まりは、大学生の時でした。
百円ライターくらいの大きさの白い板に、
「再生」「巻き戻し」「早送り」のボタンしかない、
シンプルさを極めた音楽プレイヤー。
パソコンから同期した曲がランダムに流れる、
ただそれだけの機能しかなく、自分から曲を選ぶことすらできない、
一見不便すぎるこの機械の虜になりました。
不意を突かれるようなタイミングで、予期せぬ曲にぶつかる瞬間の、化学反応。
マジックのように、新たな発見や閃きを届けてくれました。
iPod Shuffle。キャッチフレーズは、
“Life is Random.”偶然を楽しもう。

それ以来、知らず知らずのうちに、
私はジョブズ・イズムに魅せられ続けていました。

とくに影響を受けたのは、就活真っ只中、
三年生の夏に動画投稿サイトで見た、スティーブ・ジョブズ氏のスピーチ。
スタンフォード大学の卒業式で語られた言葉達はあまりにも有名ですが、
“Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ、愚かであれ)”
と締めくくられたこのスピーチを、おりに触れて聞き返しては、
私は「今を生きよう」という勇気や探究心を、新たにしています。

中でも特に好きなのは、Connecting the dots、点と点を結ぶ、というパート。
先のことを考えず、直感で動いて行ったことが、振り返ってみると点と点が結ばれるように
今につながっていたということをエピソードとともに語った後、
ジョブズ氏はこう言っています。

“You can’t connect the dots looking foward, you can only connect them looking backwards, so you have to trust that the dots will somehow connect in your future.”
(先を見越して点をつなぐことは出来ない。振り返って初めて、点をつなぐことが出来るのだ。だから、一つ一つの点がいつか将来つながっていくと、信じていなければならない)

偶然との出会いを大切にすること、直感で動いてみること。
あと先は二の次、前向きに情熱的に、自分に正直に生きる。
将来に悩むなか、それは強烈なメッセージでした。

「世の中も私も、いろんな可能性に満ちているんだ」
そう信じさせてくれるのは、真っ白な紙に思い思いの色で
好きなように描いていけるようなワクワク感や冒険心に満ちた
ジョブズ氏の製品たちも一緒。
ジョブズ氏が亡くなっても、
彼の精神は、製品の中で、生き続けます。

そして、


私は今日も、hungryで、foolishです。

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