前回のブログで、祖母に久しぶりに会ったと写真を載せましたが、
先日、祖母の妹の日本舞踊教室のリサイタルに行ってきたんです。
花柳喜京美といいます。
久しぶりに日本舞踊を観て・・・
久しぶりに踊りたくなりました。
・・・というのも私、
小学生のころから14年間、日本舞踊を習っていたんです。
大きな舞台に立つときは、こんな格好・お化粧で臨むんですよ!
優雅に見えて、体幹が鍛えられていなければサマになりません。
とくに私のように背が比較的高いと、
見栄えを良くするためにぐぐっと膝を曲げて動くので、脚が鍛えられます。
大学生の時、ジムの機械で身体の各部位の筋肉測定をしたことがあるのですが、
腕辺りはへにょへにょなのに、
下半身だけ「アスリート並みの筋肉」と診断されました。
やっぱり継続していないとだめで、今はすっかり、脂肪になっちゃっていますが・・・。
放課後「きょうニチブなんだ」と友人の誘いを断ったり、
私の中では学生時代は体育会の部活のような位置づけでした。
しかし・・・なかなか馴染めないですよね。日本舞踊。
でもとても魅力的な伝統芸能なんですよ。
14年習っていても、いまだに観ていて眠たくなってしまう演目もありますが(笑)、
豪華絢爛な華やかな踊りはお祭りを楽しむように気分が上がりますし、
なめらかなうなじや身体の曲線、肩をふと落とすしぐさが艶めかしい花魁だったり、
凛々しく気高いお侍さん、コミカルな大道芸人やヒョットコなどなど、
手振り身振り、立ち居振る舞いひとつで演じる。
なんとも粋でかっこいいんです。
日本舞踊に触れていると、
「日本人らしさ」ってこういうことなのかなぁ・・・と、解る気がします。
例えば、四季を感じる心。
誰もが知っている曲で言いますと、
「さくらさくら」にも日本舞踊の振り付けがあるんですが、
散った桜の花をすくってふぅっと息を吹かけて飛ばし、
飛んでいった花びらが風に舞うのを眺めて「いいな」と思う・・・
そんな振りがあるんです。
やっと巡ってきた春を心いっぱいに謳歌する、
そんな気持ちのよさを覚えますよね。
それから「鷺娘」という有名な踊り。
雪がしんしんと降りしきる中、愛しい人を想い、恋焦がれ、
狂気の中息絶えていく・・・という、
「愛の極限」ともいうべき女性の踊りなんですが、
これも穏やかな春、弾けるような夏、哀愁漂う秋を経て訪れる
日本の深く静かな冬の中だからこそ、
成立する踊りや女性の心象なのかもしれませんよね。
今はそんな四季のあり方も、変わってきていますが・・・。
踊りのテーマも、
武士の情けだったり、義理人情だったり、一途に人を想う心、恥じらいだったり。
経験したことがあってもなくても、
心のどこかが共鳴し、引っ張られるような感情表現。
踊っていても観ていても、
あらかじめDNAに組み込まれているかのように、
「日本人らしさ」が自分の中から溢れてくるのを感じます。
でも、なんで14年も続けていたのかな?と振り返ると、
いっしょに習っていた祖母の影響が大きいかもしれません。
仙台から1、2カ月に1回ほどのペースで通っていた祖母と、
こういう形で接点を持てることが、とても嬉しかったんです。
思えば、小さなお子さんから年配の方まで、
いっしょに楽しめるお稽古事って、なかなかありませんよね。
仕事に一区切りついたらまた、お稽古に通いたいなぁ。
私も祖母と踊ったことがありますが、
おばあちゃんになれたら孫と一緒に舞台に立つのが、
ちょっとした夢です。