白い躑躅の記憶
2015年04月28日

前回の更新からまた、ずいぶん時間が経ってしまいました・・・。
季節もずいぶんと遷り変わり、東京はここのところ、フライングして夏が顔を出してきたような暑さ。
毛利庭園には、桜からバトンタッチして、ツツジたちが溌剌と咲き誇っています。

写真1

ツツジ。
漢字で書くと、躑躅。・・・なんかこわいよ!
虫が蠢いているかのようなおどろおどろしいニュアンスの漢字ですが、
漢名からくるこの漢字、「テキチョク」とも読むんだそう。
意味を調べてみると、「行っては止まる」「躊躇」。
見る人が足を止めて見入ってしまう美しさから、この漢字が使われたといわれているんですって。
そう考えると素敵な名前です。
ただもう一つ、本来は「羊躑躅」という漢字だったという説もありまして・・・。
レンゲツツジという種類のツツジがあるんですが、これには毒性があるそうで。
その葉を食べた羊が躑躅して死んだから、という説・・・。・・・やっぱりこわいよ!!

前者の方を信じたいところですが、
私も思わず見惚れて写真に撮った白いツツジ、
花言葉は「初恋」だそう。

初恋。

みなさん、覚えていますか?

私は初恋・・・と呼べるのかどうかはわかりませんが、
明確な恋心として覚えている最初の記憶は、高校1年生のころ。
ちょっと遅めかもしれませんね。

写真2

3年生の先輩でした。校内でちょっと人気のあったバンドのドラマーをしていた、
まさに白いツツジみたいな、色白で柔らかい、静かな空気感をまとった人でした。
お誕生日に、廊下でプレゼントを渡したんだっけなぁ・・・。
赤面症の極み、ここにあり、とばかりに、体中まっかっかに紅潮して、
毛穴という毛穴から火を噴いているような感覚でした。
「これ、良かったら使ってください」の一言を発するのに、
舌がもつれて7回とちったことを覚えています。
7回。はっきりと覚えてます。
あんなに緊張すると舌ってもつれるんだなって、これも初めて知りました。
よくアナウンサーになれました。

それこそ心の中は「テキチョク」。行っては止まり、想いが走っては臆病になり、の繰り返し。
想いを伝えることを躊躇している間に儚く散ってしまった恋でしたが・・・。

当時のことを思い出したら、ツツジの前でひとり、真っ赤になってしまいました。

あぁ。青かったなぁ・・・。
春でしたなぁ・・・。
春ですねぇ。

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