常識を疑え
2014年02月07日

とは、かつて「サンデープロジェクト」という政治討論番組を担当していた時の師匠、
田原総一朗さんがよくおっしゃっていた言葉です。
心がけてはいますが、敏感な心、探究心、好奇心を養っていないと、
なかなかできることではありません。

理数教育研究所というところが行った自由研究コンクールに入賞した
中学生の作品が、話題を集めています。
「メロスの全力を検証」と題されたその自由研究で、
男の子は太宰治著「走れメロス」の記述から、
メロスが出発した時間、到着した時間、様々なイベントやアクシデントでの
タイムロスなどを極めて論理的に仮定・推定し、メロスの平均移動速度を算出しました。
結果、メロスの移動は時速3.9キロ程度。意外と遅い。
どうやら走ってはいなかったようだ、という考察に行きついています。

その味わい深い手書きのリポートがPDFで研究所のHPにアップされているので、
ぜひご興味があればご覧下さい。

結果のちょっとした衝撃はもちろん、そして、
その発想力に思わず舌を巻いてしまいます。
よくそこに目を付けたなぁと。
まぁメロスの全力をはかる必要があるかないかと言われれば、
ない、のかもしれませんが、
まずは誰も手を付けていない、手を付けようとしていない領域に
足を踏み入れてみようじゃないかという目線、心意気が、スゴイです。

今、「現代のベートーベン」として持て囃された作曲家の佐村河内氏が
実は作曲をしていなかった、という衝撃のニュースに騒然とする中、
「なぜ多くの人、マスコミ、テレビがその偽りを見抜けなかったのか」という疑問も同時に、
シニカルにも提示されています。

分からないことがあればすぐスマホが答えをくれる時代ですが、
溢れる情報は玉石混淆。
便利さにかまけてただ鵜呑みにしていると、
とんでもない落とし穴にいつの間にかはまってしまうこともあります。
思考停止に陥らず、
「実際これってどうなのか」「本当に信じていいのか」「自分は本当にこれが好きなのか」と、
ひとつひとつ立ち止まって自分に問いかけてみることの大切さを、
メロスを巡る興味深い自由研究に改めて教えてもらったのでした。

写真
今週は、月曜日はRene、火曜日はSinequanone、
水・木曜日はOld Englandに衣装提供していただきました。
今日の衣装はPaule Kaです。

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