オガツ　ノ　ソラ

2012年08月14日

８月１１日。

石巻市雄勝町でこの日、２年ぶりに
盆の供養花火大会が開催されました。
Light Up Nipponという、東北の被災地各地で
一斉に花火を打ち上げよう、という
復興を願うイベントの一環です。

「こんなに雄勝に人が集まるのは久しぶりだね」
プレハブ商店街のおばちゃんが、
目を細めてはにかんでいました。
砂利で埋めつくされた、すっかり彩りをなくした空間に、
そこで生活を共にしていた人々が笑顔で集うだけで、
かつての市街地の息吹が微かに感じられるようです。

５，４，３，２，１・・・

カウントダウンと共に打ち上がる花火。
わぁ、と上がる歓声に呼応するように、
空が一瞬赤く燃えます。

余韻を残すように間隔をあけながら、
ひとつ、またひとつと、静かに花火が上がります。

イベントの司会の女性が花火に合わせて読み上げる、
町民から寄せられた、それぞれの思い、メッセージ。

「雄勝の一刻も早い復興をお祈りしています」
「お母さん、元気にしていますか」
「いいホヤつくるからよ。見守っててくれよな」
「早く雄勝に帰りたい」
「–ちゃん、仲良くしてくれてありがとう」

失ったものの大きさを、
今一度、突きつけられるようでした。

ぽつ。　ぽつ。

額に滲み、頬をかすめるヒンヤリとした感触。
最後の花火が上がってまもなく、
雨が降り始めました。
再び静まりかえった空から落ちてくる、
無数のか細い月の雫が
優しく、音もなく、地面を濡らしていきます。
まるで、ぐっとこらえていた涙が
一気に溢れ出すように。

東日本大震災から１年５ヶ月。
２回目のお盆を迎えています。

亡くなられた方々のご冥福を、
改めてお祈りいたします。