脱原発を決めた国
2012年04月10日

昨日、テレビ朝日と取材協力をしている、ドイツの民間放送局、RTLから、
我が社へ素敵なゲストがいらっしゃいました!
ペーター・クレッペルさん。RTLニュース部門の社長、編集長を兼任し、
さらにニュース番組のアンカーもなさっているという
スーパーマンのようなひとです。
ドイツでもナンバーワン視聴率を誇る夕方ニュース番組の人気キャスターだということで、
日本でいうと・・・渡辺宜嗣アナが、会社の報道局トップも兼務している、といったところでしょうか。

すさまじい。

そのクレッペルさんが、社内で講演をしてくださるとのことで、司会をしてまいりました。


スマートで物腰柔らかくカッコいい。素敵な方でした☆

テーマは、福島の原発事故をきっかけとしたドイツの原子力政策の転換と、メディアの役割。

ドイツでは、福島の事故を受けて、2020年までの脱原発を決めています。
原発事故の二週間後に行われた選挙で、脱原発を主張してきた緑の党が大躍進し、
原発推進政策をとっていたメルケル政権下で
世論を汲み取る動きが加速したことが背景にありますが、
(メルケルさんの「君子豹変」とも揶揄されていますが)
チェルノブイリの悲劇を経験し、原発是非の議論がもともと活発に行われていたこと。
それに伴う国民の意識の高さ。
環境問題への取り組みから、再生可能エネルギーを推進してきた実績と、
その普及を可能にする法整備、長期の投資や民間参入を後押しするシステム。

これまでの歩みと、政治の力があって、
大胆な政策転換ができたんだと思います。

それでも、ドイツにも未解決な問題が沢山あります。
もっとも大きな問題は、「核のごみをどうするのか」。
日本といっしょです。
無害化されるまで10万年かかるといわれる放射性廃棄物の処理は、
原発推進する、しないに関わらず、
原発を使ってきた国に突きつけられた宿題なんですね。

他国から学び、ともに考えていかなければならないことが
本当に沢山あります。
他の国がどんな政策をとって、どのように進めていくのか、
視野を広げて見て、「じゃあ日本はどうする?」と
考えていかなければならないな、と
クレッペルさんにお会いして感じました。

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