トランプさんが勝ちましたね
2016年11月18日

トランプ大統領が誕生することが決まって、一週間が経ちました。
直前の追い上げに「もしかして…」を思わせるゾクゾク感はありましたが、
選挙の数日前にFBIがクリントン氏をメール問題で訴追を求めないという
判断を出したことを受けて、「ヒラリー・クリントン新大統領誕生」
もうこれで決まりか…というムードがメディアに溢れていたように思います。

しかし、ふたを開けてみたら。
真っ赤に染まっていた、アメリカ地図。

得票数ではクリントン氏が上回っていたとはいえ、
予想を覆す勢いで次々と選挙人を獲得していくトランプ氏のこの勝利。
驚きをもって各国、各社が報じましたが…

確かに驚きではありました。
勝利宣言の絵面は80年代ハリウッドのコメディ映画を観ているようでもありました。
スティーブ・マーティン主演かなんかの。

でも、「まさか」というほどの衝撃ではなかったんです。
なぜならば、
「トランプが勝ちそうな気がする」と
ずーっと予想していた人が近くにいたから。

うちの母です。笑。

「変化を求めるならトランプに入れるわよね。
だってヒラリーに入れても何も変わらないでしょ。
でもトランプ支持なんて怖くて言えないわよね。
自分も差別主義者だと思われるもの。
だから世論調査に出てこない隠れトランプが結構いるのよきっと」

と、晩酌しながらひとり語っていたうちの母。
主婦のカンが、なかなか鋭かったのでした。

それから、こんなこともあったな。
6月、イギリスが国民投票でEUからの離脱を決めたその日、
私はニューヨークのウォール街にいました。
番組放送時間に開くニューヨーク市場が、EU離脱決定を受けて
どう反応するかを中継するためです。

写真

その原稿作りのために、まさにトランプタワーの近くで
街の人たちに声をかけ意見を聞いていたのですが、
ひとりの男性が「カメラで撮らないよね?」と確認したうえで、
「これは、俺たちトランプ支持者に追い風になるよ。
俺たちは間違ってないっていうことだろ?
GO,TRUMP!」
と、こぶしを振り上げたんです。
EU離脱という、
こちらもメディアの大方の予想を覆したイギリス国民のうねりに、
同じように反応したアメリカ国民は、少なくないはず。

「既存メディアの敗北」。
そんな風にも今回の大統領選は、総括されています。
トランプ氏の支持の原動力となったのは、
所得格差の拡大、白人中間層の没落、
行き詰まりをみせるグローバリズムへの
「怒り」や「不満」だったといわれていますが、
滾々と溢れていた思いの渦の、その大きさ、深さを
測りきることがどうしてできなかったのか。
曲がりなりにもメディアの片隅で仕事をするものとして、
危機感を覚えます。

現場の温度をどう感じ、どう捉えるか…。
これまで以上に、気を引き締めて、
アンテナを張り巡らさなきゃいけませんね。

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