事件事故や日々の出来事などニュースを伝える報道。ではテレビ報道と新聞報道、何か違いはあるのでしょうか。
伝わる速さ?情報量?いろいろな違いがありますが、今回はこんなところに注目しました。
テレビ朝日 報道局ニュースセンター 災害報道担当部長
2001年、共同通信からテレビ朝日に入社。報道局社会部司法キャップ、
「報道ステーション」ディレクターとして主に警察、検察、裁判など
事件取材を担当。 東日本大震災では被災3県で現地デスクを務めた。
2012年から災害報道担当部長。
●インタビューはどう違う?
東京都議会で、質問に立った女性議員に男性議員が「セクハラやじ」を飛ばした問題。
疑惑の議員にテレビ朝日のリポーターが約30分にわたり直撃インタビューをしました。
テレビのインタビューは、とにかくたくさんの質問を投げ時間をかけます。相手からいかに話を聞き出すかが重要だからです。
リポーター 「あなたがやじを言ったんですか?」
相手 「いいえ、私ではありません。寝耳に水で驚いてます。」
リポーター 「やじを言われた女性が涙を流していたことをご存じですか?」
相手 「えぇ…えーと、声に詰まったな…とは思いましたが…どうしてなのかなあ…とも」
リポーター 「相手を傷つける発言についてどう思われますか?」
相手 「やじの内容を後で聞き、言った本人は本当によろしくないなと思いますよ」
一方、新聞記者はYES、NOの事実を聞き出すことが大事です。
記者 「あなたがやじを言ったんですか?」
相手 「いいえ、私ではありません。寝耳に水で驚いています。」
そして「○○議員、事実を否定」と結論のみ記事になります。
後にこの議員は自分がやじを言ったことを認めました。
テレビのニュースでは認める前の映像も放送。時間をかけたインタビューによって、当事者の表情や声色をそのまま視聴者に届けることができるのです。
事実のみ伝える新聞報道との違いです。
●火災はニュースになるの?
テレビのニュースで、燃え盛る映像をご覧になったことがあるかと思います。
この火災はけが人はいませんでしたが、朝ニュースのトップ項目で放送されました。
映像を放送することで、火事の恐ろしさが伝わり、「火の用心」を呼びかけることにもなります。
一方の新聞は、この火災は地元紙が短い記事を載せただけでした。
テレビと新聞ではニュース判断もそれぞれです。
●災害報道はどう違う?
テレビと新聞で最も違うが大きいのが、災害報道です。
テレビは「命を救う、被害を減らす」ことを目的としています。
そのため緊急時には、 被害を軽減するための放送をします。緊急地震速報や速報スーパー、
マスターカット、L字情報などはそのひとつ。
一方新聞は、「事実の検証」「歴史に残す」ことが大事です。
皆さんも、これからテレビを見るとき、新聞を読むとき、このような違いに注目してみて下さい!