6月8日(木)、第60回テレビ塾を開催しました今回のテーマは
『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』ができるまで~検察監修・警察監修が語る刑事ドラマの裏側~
今回の「テレビ塾」は、『ケイジとケンジ〜所轄と地検の24時〜』以来、3年ぶりに桐谷健太×脚本家・福田靖のタッグが復活して、この4月から放送され、ヒット番組となっているドラマ『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』の舞台裏に迫りました
ドラマの服部宣之プロデューサーに加えて、当番組の検察監修を担当する熊田彰英さんや警察監修を担当する佐々木成三さんを講師にお呼びして、「刑事ドラマの作り方」について、検事・刑事のそれぞれの立場から描く群像劇の制作過程を詳しくご説明
司会は当ドラマの解説放送も行っている加藤真輝子アナウンサーが担当しました
「刑事ドラマのその先」を作るために |
◆高いハードルも“実現したら良いドラマになる”
講義は服部プロデューサーから、ドラマの成り立ちや制作体制についての説明からスタート
「刑事ドラマのその先、もっと先へ!!」をテーマに去年の夏頃から本格的に制作が始まった今作。
「ケイジとケンジとハンジって語呂が良いよね」という一言からストーリーが立ち上がったそう。
警察と検察、裁判官を合わせて描く事はこれまでなく、服部プロデューサーは
「監修を頂かないと思いつかないセリフや細かい所作がたくさんありました。刑事や検事、それぞれの立ちまわりをサポートしてくれた『監修』のお二人は、戦友であり大切なパートナーです」と語り、今作への『監修』の力の大きさを伝え、同時にドラマで「リアリティ」を追求していたことを話しました。
熊田講師はオファーを受けた当初、
「実務家だからこそ、この物語はハードルが高いのではと感じましたが、実現できたら良いドラマになる」と感じたそう。
一方、前作「ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~」が監修として初めて携わったドラマである佐々木講師は制作が始まる中で、
「逮捕のその後、その中にあるストーリーはこれまで世の中に出ていない。めちゃめちゃ面白い」と感動を感じる場面があったと教えてくれました
ドラマの根幹を左右する「監修」 |
◆法律の実務家だからこそ描ける本音や感情
「検察監修」を担当した元東京地検特捜部検事で現在は弁護士の熊田講師は今ドラマで、「検察って何?」という所から場面場面での振舞いのチェック、この場面ではどんな事を考えているのか…など出演者から質問を受け、アドバイスしたと説明。
「判事とは何が違うの?」等それぞれの立場の違いを出さなくてはいけなかった為、普段の法律相談よりも難しかったと明かしました。
その中で特に印象的なシーンを紹介警察と連携しながら経緯・背景を解き明かす場面は、非常に実際を凝縮した場面であると話し、検察監修のやりがいを感じたと語りました。
◆見事に再現された「逮捕」の舞台裏
桐谷さんら皆さんに所作等をアドバイスした元刑事の佐々木講師。
“警察手帳の見せ方”や“銃の構え方”など、出演者の皆さんからリアリティを求めてたくさんの質問を受けたそうです。
自身が刑事をしていた時には「刑事ドラマ」は見なかったという佐々木講師ですが、監修としてドラマに携わる中で、美術を始めドラマスタッフの細かな“こだわり”が印象的だったそう。
特に“交番のお巡りさん”にフォーカスした場面を挙げ、お巡りさんが「緊急ボタン」を押すシーンは“交番勤務”のリアルを表す場面であったと話しました。
“やりがい”と“魅力” |
参加者の皆さんからの質疑応答の後、講師の3人は最後に、
(熊田)「ドラマを通しそれぞれの正義を体感して、これからの道として感じて欲しいです。将来の人にこういう仕事があるんだよ、とテレビ監修を通して伝えられたらと思っています」
(佐々木)「警察監修として名前が残ることが大変光栄です。このドラマによって、それぞれの正義を深堀して、世の中の見えていない部分を知って貰えたのではないかと思っています。ぜひサードシーズンも楽しみにしています(笑)」
(服部)「今は色々なコンテンツがすぐ見られる環境ですが、テレビドラマは偶然の出会いがあります。たまたま見て引き込まれ毎週楽しみになる。そんな人生を変えるような、偶然と奇跡を信じてテレビ作りに邁進していきたいです」
と仕事の魅力を語り、講座を締めくくりました
今回のテレビ塾もオンライン開催で、全国各地から多くの方に参加頂きました
ご参加頂いた皆様、最後までお付き合い頂きありがとうございました
皆様、いかがでしたか?「刑事ドラマ」ができる舞台裏には、「監修」の力が大きく手伝ってくれていますこれから刑事ドラマをご覧になる時には、そんな工夫と努力を感じながらご覧になって頂けると嬉しいです
今回のテレビ塾の模様は、『はい!テレビ朝日です』(毎週日曜あさ5時放送)で放送予定です
次回のテレビ塾もご期待ください