3月13日(日)テレビ朝日本社2階プレゼンテーションルームにて、BPO・放送と青少年に関する委員会「2015年度中高生モニター会議」が開催され、27人の中高生がテレビについて熱い議論を戦わせました!
中高生モニターは、月に1回自分が見たテレビ番組について意見や感想を報告してきました。その集大成となるのが今回のモニター会議です。今年度のテーマ「中高生、放送に対する本音を語る~情報番組編~」をもとに、会議では「今、中高生は放送に対してどんなことを考えているのか、放送に何を望んでいるのか」について考えました。
また生放送中の『サンデー!スクランブル』のスタジオを見学したり、放送後にかけつけてくれた、下平・平石両アナウンサー、太田伸プロデューサーとともに、活発な意見交換を行いました。
第一部
◆自己紹介
会議では27名の中高生が、4班に分かれてグループワークを行いました。まずはひとりずつ自己紹介。この日初めて会うモニターのみんなに、出身地や意気込みを伝えました。昼食を取りながら、隣の友達とそれぞれ学校の話などで盛り上がっている班もありました!
第二部
◆テレビ朝日社内・スタジオ見学
テレビ朝日系列で毎週日曜日の昼に生放送されているワイドショー・情報番組『サンデー!スクランブル』の生放送を見学!
CM中の出演者の様子を見ることができたり、生放送中の緊張感を実際に味わいました!
その他、テレビ朝日のニューススタジオや『報道ステーションサンデー』のセットなどを見学しました。皆さん見学ガイドの話を、メモを取ったりしながら熱心に聞いてくれていました!
◆委員と中高生モニターによる意見交換
一年間モニターを経験した中高生から、モニターをやってみた感想や放送に対して感じること、意見を発表しました。また委員の先生方からも、一年間モニターのレポートを見てきての感想を話しました。
〈中高生モニターの感想・意見〉
■番組の制作者さんはどういうことを考えてこの番組を作っているんだろうと考えたり、制作者側の視点も考えるようになりました。
■番組を一歩引いて、中立的な立場で視聴することの大切さを再確認しました。
■興味のない番組も見ることによって、新たな発見があったりと、興味の幅が広がったりました。
■私は宮城県に住んでいます。東日本大震災の放送について、3月11日だけでなく、毎日5分でいいので全国で放送してほしいと思いました。
〈委員の感想〉
■番組を批判する力、疑う力は大切です。モニターさんの声を聴いて、私たちには気が付くことのできない意見を知ることができました。
■モニターの皆さんの貴重な意見を、番組の制作に生かす橋渡しをしなくてはならないと感じました。
■若い世代の新しい価値観に触れました。私たち世代の中高生時代には考えもしなかった意見が多くあったと思います。これからのテレビに皆さんの意見を反映させていかなくてはと思います。
■普段聞く機会の少ない、地方局を視聴しているモニターさんの声が聞けました。皆さんを通して、キー局だけでなく地方の番組へも、これまで以上に目を向けるようになりました。
第三部
◆『サンデー!スクランブル』太田伸プロデューサー・下平アナ・平石アナの講演
生放送終了後に、太田伸プロデューサーと下平さやかアナウンサー・平石直之アナウンサーがかけつけ、『サンデー!スクランブル』を例に、情報生番組を放送することのむずかしさや醍醐味、番組の作り方などについて話しました!
■下平 さやかアナウンサー
生放送 の面白さは、見ている方と時間を共有できることです。つまり私が話していることを、その時間に視聴者が聞いているということです。これは私の発する言葉が、誰のチェックもなくすぐ放送されてしまう側面があります。その為、自分の言葉で見て下さっている方を傷つけたり、不快な思いをさせてしまったりしないよう配慮が必要であり緊張感を持ってのぞんでいます。また不確かな事を話さないよう気を付けています。
■平石 直之アナウンサー
情報番組は、森羅万象、色んなことを放送します。私が情報番組で大切にしていることは、大きく3つです。①正確に間違いなく伝えることです。②分かりやすく、面白く伝えることです。この“面白く”とは、“ためになる”という意味です。そのためには、日曜日のお昼に、視聴者はどんな情報を求めていて、“今番組を見ている人の気持ちにどこまで寄り添えるのか”を常に意識しています。③時間の管理です。生放送では、決まった時間にぴったり始まりぴったり終わります。番組を進行する上で、この時間配分にものすごくエネルギーを注いでいます。
■太田 伸プロデューサー
『サンデー!スクランブル』の制作で意識していることは“今起きていること”です。事件・事故だけでなく、災害報道と呼ばれる地震・土砂災害などの場合は番組内で予定していたことを臨機応変に全て差し換えることもあります。そして番組で取り上げるネタは、その背景まで探って放送しています。例えば事件でしたら、犯人の家庭環境など。背景に迫ることで、ニュースのネタ自体が分かりやすくなり、視聴者の目も引き付けられるからです。そして何より、視聴者に身近に感じてもらえるような番組作りを心掛けています。ひとりでも多くの人に見てもらわないと放送する意味がありません。そのような意味でも、どのくらいの人に見てもらえているのかと、視聴率を意識したりします。自分がこのニュースに興味があるからではなく、このニュースは世間が見たいだろう、皆のためになるのではないか、という視点で放送するネタを選ぶと視聴率は自ずと上がってくると思います。
また『サンデー!スクランブル』の大まかな制作の流れは、日曜日の放送に向け、水曜日・木曜日にネタ(放送するニュース)の準備を始めます。会議では“今週世間が一番注目しているニュースは何だろうか”を軸に話し合っています。そして金曜日になると、本当にこのネタでいいのか、という精査をします。土曜日には実際に取材に出たり、新しいニュースが入ったら差し替えたりという作業がありバタバタとしています。前の日に取材して翌日放送するというのが、基本的なスタイルです。
◆グループワーク~番組企画作成~
班ごとに「情報番組の企画を立ててみよう」というテーマで話し合いをし、ひとつの企画を作りました!「こんな番組が見てみたい」・「こんな番組ができないか」という意見を出し合い、番組のコンセプトや放送内容など、具体的な企画を立てました。
各班には、太田プロデューサー、下平アナウンサー、平石アナウンサーも入り、中高生モニターにアドバイスをしました。
司会を決めて作業する班や、意見がまとまらずコンセプトを決めるのに苦戦している班も…。
最後はどの班もしっかりと会場の皆さんに向けて、自分たちの企画を発表してくれました!
太田プロデューサーからも絶賛コメント続出!
会議の最後に汐見稔幸委員長は「テレビ局の制作側と触れ、そして同世代と議論できた今日の日は、人生の大切な糧になると思います。良い視聴者がいるから良い番組ができると思います。そのためにも、視聴者としてこれからもたくさんの発信を続けて下さい。」と締めくくりました。