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【オトナ出前講座】「『人生の楽園』制作ウラ話」開催報告

投稿日:2015年10月27日 15:43

オトナ出前講座ロゴ

10月14日、府中の森に隣接する府中生涯学習センターでオトナ出前講座を開催しました。

今回の講師は、『人生の楽園』(土曜日夕方6:00放送)の森川俊生プロデューサーです。
受講生は、このセンターの常連さんが多く、ご自分の好みの場所(いつもの指定席)に座り、ゆったりと午後の講座を楽しんでいました。

オトナ1

◆ 『人生の楽園』番組の主人公はどんな人?

2000年に始まった『人生の楽園』は、15年目を迎え、放送回数は700回を超えました。
森川講師は、「番組の主人公になるのは主に50歳以上で、生き生きとした人生を送っている夫婦か単身の方、またセレブではなく、夢に向かってなにかに挑戦している人、地域とつながっている人です。『人生の楽園』は、そんな人にエールを送る番組です。」と話しました。

飲食「700回の特別番組の時にすべて分析したところ面白いデータがそろいました。まず、主人公の仕事の内容ですが『①飲食店②農業③宿泊施設』の順に多く、一位の飲食店の中では、『①喫茶・カフェ②そば屋さん③パン屋さん』の順番でした。住まいの形態は、『①Iターン②Uターン③移住せず』にほぼ三等分されました。ところが最近は全く別のパターンで二つの地域を行き来しながらうまくやっている『夫婦円満別居』という形が出てきたのです。男女の思いの微妙な違い、夫は田舎に男のロマンを感じ飛び出していきますが、妻は、現在の地域でのつながりを大切にし地元に残る『別居パターン』が増えているのです。」

人が地方に出ていく、これには地方の住宅事情があるようです。

「いま日本では、7軒に1軒が空き家というデータもあり、地方では空き家が驚くほど安く借りられ、持ち主も『住んでもらいありがたい』と言っていました。つまり移住が地域に貢献しているという背景があるのですね。」

この15年間で世相とともに、主人公もご夫婦、単身の方、そして友達同士も登場し、また、住まいのスタイルも大きく変わってきたのです。

◆ ドキュメンタリー番組の“音”の構造

後半は、いよいよ番組の特徴についてです。

「実は番組のジャンルは不明です。特徴はナレーションの形で、通常の人物ドキュメンタリーともかなり違うユニークなものです。」
西田敏行さんと菊池桃子さんのナレーション、掛け合い、ロケ地での収録の音などがどのように組み合わされているのか、少し専門的な音の構成「三層構造」について説明しました。西田さんと菊池さんの掛け合いや主人公への語りかけで、番組全体にほのぼの感や温かさが広がります。

また、森川講師は、「番組の特徴として シーンの合間には自然の美しい映像を入れ紀行番組の要素や、暮らしに関するミニ知識も意識的にとり入れています。つまり人物ドキュメンタリーを軸に、紀行番組、ミニ知識番組の要素も取り入れたかなりユニークな番組といえます。見てためになるお得感も出したいのです。」と語りました。

音の構成2

さらに番組制作の過程をリサーチからMA(マルチ・オーディオ)の仕上げまで、丁寧に説明しました。「1回の放送に、ロケは少なくても5日間出かけ、放送時間の20倍以上のVTR収録を行なうのです。」と現場の取材の様子を伝えました。

そんな制作現場で森川講師がいつも心にかけているのは、主人公の生きた言葉です。主人公ならではのコメントを「神コメント」と呼び、大切にしているそうです。
「人生が充実している人は、その人ならではの自分の言葉を持っています」と話しました。

「畑が冷蔵庫がわり」
「ピーマンの声が聞こえるよ」
「トマトは重い、ピーマンが軽い、だから年配になって始めるならピーマンがいいよ」
「今より若い時はない」

オトナ2

受講者からは、「主人公の探し方や、制作費」などのほか「700回となるとマンネンリ化してしまうのではないか、何か工夫は?」など率直な質問が寄せられました。

森川講師は、新しい試みとして、東日本大震災の被災地のみなさんのご協力をいただき、「被災地で見つけた人生の楽園」を何度か放送したことを挙げました。「被災地で『楽園』とはどういうことかと言われましたが、地元の方と話し合いを重ね、ご理解をいただき初めて実現しました」と報告しました。

hon

◆ 最後に・・・

放送15年目の記念に、番組から生まれた本が紹介されました。

今年3月に出版された移住の指南書『いつか暮らしたい移住地』です。
(*詳細は番組ホームページ参照)

ここには、豊富な写真、移住にかかる費用や体験者からの貴重なアドバイスが詰まっているそうです。

森川講師のおだやかな語り口、真摯な解説に大きな拍手が送られました。

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◆◇◆◇◆ 参加者からの感想 ◆◇◆◇◆

  • 生の声を聞けて番組に親近感が湧きました。
  • 番組のコンセプトが分かって、番組の面白さが更に深まった。
  • 毎回ビデオに撮って見ています。お話が聞けて、より楽しく見ることが出来ます。
  • 押しつけるのではなく番組を見てほのぼのと「これで良いのか」(自分の人生)を問う番組。
  • 質問への回答には鋭いものがあった様に思う。真摯な回答に好感。
  • 制作者の思いがしっかりしていて、多方面の事を考えておられ、他にはない特別な内容になっている事が分かりました。
  • 人生の楽園の番組は東京に居ながら、故郷を思い出せる楽しみな番組です。どのような視点で番組が作られているのかを知り、なるほどと思う話が多くありました。旅行が好きなので印象に残った土地をまわることもあります。出演者の“神コメント”の言葉も関心致しました。楽しく聞かせてもらいました。今後、さらに地方の活性化に寄与できる番組として貢献していただきたいと願っています。
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