4月22日(水)、公益財団法人 静岡県労働者福祉基金協会主催で静岡朝日テレビとテレビ朝日のコラボ講座を開催しました!
「オトナ出前講座」が放送区域である関東以外で行われるのは初めてのこと。
また、静岡朝日テレビにとっても、3月に発足したばかりのCSR推進部で初めての出前講座です。
ニュース番組はどのように作られるのか、テレビ局の仕組みや、テレビニュースの裏側についてに加えて、普段知ることのできないネットワーク協力についてもお話しました。
----
まずは、地元で人気の静岡朝日テレビ広瀬麻知子アナウンサーがこの4月から担当している新番組『筧 利夫のサタ☆ハピ!しずおか』(毎週土曜日あさ9:30~)の舞台裏を紹介しました。
「土曜の朝をHAPPYに」をテーマにオープニングVTRでは踊ったり元気いっぱいの番組ですが、放送までの準備はやはり大変。
広瀬アナは、あさ6:00に出社し、デスクでその日の情報収集。ヘアメイク、リハーサルをして本番に備えています。
普段の筧利夫さんについて、「とくかく明るい!!!」と話し、番組の企画もすすんで提案してくださったり、静岡が本当に大好きな方だと話しました。
筧さんからの“ムチャブリ”もみどころのひとつだというコーナー「中継くん」では、“中継くん”こと出原大樹アナウンサーの服装が話題に。
赤白のボーダーに黒ぶちメガネ…。
広瀬アナは「ウォーリー」だ!と思ったそうですが、実は漫画家・楳図かずおさんをイメージしているのだとか。
最後に『筧 利夫のサタ☆ハピ!しずおか』について、
「筧さんの静岡を元気にしたい!という気持ちが番組を通してみなさんに伝わると嬉しいです。平日の疲れがたまっていたとしても、土曜日の朝、この番組を見てみてください!見終わったあと、必ずスッキリHAPPYな気分になれると思います!」とPRしました♪
----
続いてキー局と系列局の番組の関わり方や視聴率についてなど、テレビ局のあれこれについて、元アナウンサーで現在テレビ朝日広報局・藤井暁と一緒に話しました。
全国放送の番組が多いテレビ朝日も“関東ローカル”のテレビ局。電波は関東地方一帯にしか届いていません。
テレビ朝日の番組を全国へ届けることができるのは、北海道から沖縄まで、各地方にある「テレビ朝日系列」のローカルテレビ局が放送しているから。
しかし、同じ番組を全国どこでも、同じ時間に放送しているとは限りません。
テレビ朝日で『スーパーJチャンネル』を放送している時間帯のタイムテーブルを比較してみると…
テレビ朝日系列24局が同じ放送をする「全国放送」の時間帯と各局がそれぞれのエリアで独自に放送している「ローカル放送」の時間帯があります。ローカル枠の生放送でどんなに時間が押していたとしても、全国放送に切り替わる17時53分00秒で必ず区切りをつけないといけません。
また、みなさんもよく耳にする「視聴率」。
ビデオリサーチ社がそれぞれの地域ごとにサンプルをとって算出しているため、各地域のテレビ局によって数字が違います。
昨年テレビ朝日で最も高視聴率を獲得したのは「FIFAワールドカップ 日本×コロンビア戦」で37.4%。同じ放送をしていた静岡朝日テレビではなんと、41.9%を獲得しています。
そこで気になるのが、視聴率「1%」でどのくらいの人が見たことになるのか…。
人口で換算してみると、静岡では1%=約3万6900人、同じ1%でも関東全域では約40万人が見ていることになります。
----
静岡朝日テレビ元アナウンサー、今は報道制作局長の大長克哉講師による「選挙報道」について。
まず、先日行われた静岡市長選挙の投票率が過去最低だったことに触れ、テレビでは“不偏不党で公正な報道”をしなければならないけれど、みなさんが選挙に興味をもち、投票所へと足を運んでくれるような情報提供を心がけていると話しました。
選挙当日の報道で最も大切なのは、「どこよりも速く、どこよりも正確に」
先日の選挙では、開票予定の1時間前、夜8時にはニュース速報で「当選」と出しました。
開票率0%なのに当選が決まる、いわゆる“ゼロ当”
「速く」といっても、なぜ開票前に決められるのか…ゼロ当は3つの取材から判定します。
①出口調査
朝日新聞社と共同で、各投票所前でアンケートを実施。選挙管理委員会から認められていて、この出口調査でしかわからない「年代、性別、支持している政党」などを答えてもらうことができます。
②情勢分析
各政党への支持率がどのくらいなのか…選挙前に世論調査をしています。
③記者の取材
記者は担当を決めて、候補者の事務所へ足を運んだり、細かく取材を行います。
しかし、開票を待てば結果がわかるのに、なぜ「速さと正確さ」を競っているのでしょうか。
大長講師は、静岡市長選挙の日の報道フロアの様子や出口調査の様子を特別に見せ「選挙はオリンピックと同じ。そのくらい取材記者の力、メディアの総力が示される特別な場なんです。」と語りました。
----
社会部記者やロンドン支局長を経験し、現在テレビ朝日広報局お客様フロント部長の長田明講師が「報道記者の仕事」について話しました。
右の写真は、ドラマ『相棒』や『警視庁捜査一課9係』でもおなじみの“警視庁”。
この建物の9階にテレビ朝日警視庁担当の「記者クラブ」があり、現在は9名の記者が常駐。24時間体制で勤務しています。
講座では、警視庁記者クラブの様子を赤裸々に語る秘蔵VTRを紹介。画面に映っているところ以外はビックリするような光景も…(「事件記者の仕事」詳しくはこちら)
テレビ朝日系列は10箇所に海外支局があります。
長田講師は、2003年~3年間、ロンドン支局に常駐していました。
今年よくニュースになる中東エリアは主にカイロ支局がカバーしますが、大きな事件があればロンドン、パリ、モスクワなどからも応援が駆けつけます。
地図上の距離ではなく、「いかに早く現地に行けるか」が大切。
長田講師がロンドン特派員をしていた当時、本社から「今すぐスリランカへ行ってくれ!」と、連絡がきたそう。地図ではバンコク支局からの方が近いはずなのに…と思いますが、実はロンドン~スリランカ間は頻繁に飛行機の直行便が飛んでいたのです。
また、イラク戦争や自衛隊の派遣などで何度も中東エリアに取材へ行っていた当時のことを振り返り、「防弾チョッキやヘルメットを着用し、時には防弾車に乗ることもあり、取材・中継をするための準備はもちろん、移動、宿泊、ごはん、コミュニケーションなどすべてがとにかく大変だった。特派員はニュースを届けるために奮闘している」と語りました。
「オトナ出前講座」は、今後も枠にとらわれず開催していく予定です!
◆◇◆詳細はこちら◆◇◆