6月5日(金)、東京ドーム近くの文京シビックセンタースカイホールで「オトナ出前講座」を開催しました。
文京区では、2020年東京オリンピックに向けてスポーツボランティア制度を導入したり、文京区役所地下広場にパブリックビューイングを設置し、スポーツ中継を大勢で観戦したりスポーツに大変力を入れています。
スポーツ好きの誰もが参加できるようにと、今回は夜の講座。
講師は、愛宕康志(おたぎやすし)スポーツセンター長です。
愛宕講師は、3つのキーワードでスポーツ中継の魅力を解説しました。
一つ目は「スゴい映像を楽しもう!」
「スポーツは現場で見たほうが楽しいけれど、テレビで見ているからこそ分かることがあるんです!」と言って、「スゴい映像」の話に入りました。
今では当たり前になったプールの「国旗表示」や、「世界記録ライン」。
このCG(コンピューターグラフィック)技術は、2001年の世界水泳の際にテレビ朝日が世界に先がけて開発したものです。
「プールでは選手の顔や国が分からない。何とか分かりやすくする方法はないか」という発想から生まれた技術です。
空を飛ぶカメラ「スパイダーカム」は、サッカーやフィギュアスケート中継で大活躍!
実は、天井に蜘蛛の巣のようにワイヤーが張ってあり落ちない仕掛けで、上空から臨場感あふれる映像を伝えています。
また、2020年東京オリンピックで、一挙に広まりそうな次世代映像の4K、8Kについても詳しく説明しました。
二つ目は「みんなで楽しもう 全社挙げて協力体制をとるスポーツビッグプロジェクト」
その大きなしかけとは・・・テレビ朝日では、いったん中継番組が決まると、全社的な“チーム”を作ります。編成も、制作(ドラマ・バラエティ)も、営業、技術も一丸となってスポーツを盛り上げ、応援するビッグプロジェクトと呼ばれる体制です。話題の番組に出演中のタレントや俳優のみなさんからも多くの応援メッセージが届き、まさに全社挙げて放送に臨みます。
三つ目は「報道ステーションで楽しもう」
「解説者の松岡修造さんや中山雅史さんは、『報道ステーション』にも『スポーツ中継』にも、どちらも出演し番組を盛り上げてくれるのです」と紹介。
『報道ステーション』のスポーツニュースで事前に中継の見どころやポイントを説明し、試合当日は番組に出演し中継を盛り上げます。終了後は再度『報道ステーション』で事後企画が組まれ、松岡さん(中山さん)がスタジオで映像を振り返りながら分析したり、感動を新たにします。
愛宕講師は、浅田真央選手がジャンプに失敗しながらもグランプリファイナル福岡でなぜ優勝できたのか、『報道ステーション』は順を追ってその理由解き明かし、浅田選手とフィギュアスケートの魅力を十分伝えることができたのではないかと話しました。
最後に、愛宕講師は自身がいつも心がけている「番組作り3つのポイント」を話しました。
① スポーツと向き合える幸せを感じよう(スポーツの素晴らしさを伝えよう)
紹介したのはイチロー選手のインタビュー。「いろいろ暗いニュースがある中で、スポーツの役目は見ている人達がホットしたり、気晴らしになることだ・・・」というイチロー選手の言葉です。愛宕講師もまったく同じことを考えていたそうです。
② ダメな時こそ選手によりそう(本当の姿を知ろう!)
スポーツ選手とは長いお付き合い。いい時ばかりでなく苦しい時、悩んでいるときこそ寄り添いたい。2013年リーグ打点王だった西武・浅村栄斗選手が、2014年不振に悩み、西武ドームでひとり残り練習する姿を追い続けました。いい時ばかりでなく、苦しい時こそ寄り添いたい。これは、会社の営業も同じです。
③ みんなが幸せを感じる番組作りを。
制作者だけでなく、出る人(選手)も、見る人、売る人、買う人、みんなが幸せになる番組作りを考えていきたいと目指す番組作りを語りました。
誠実でクールな話し方の中に、愛宕講師の温かさが溢れ、参加者から大きな拍手が送られました。
この後、参加者から、「バスケットなどマイナースポーツの放送について」や、「ロンドンオリンピックでは空席が目立ったが東京オリンピックのチケット販売方法について」、「民放ではCMが長く感じるが規制はないのか」などの質問が寄せられ、愛宕講師は、一つ一つ丁寧に答えました。
■参加者からの感想■
・TVの素晴らしさが、明確にわかりました。
・普段聞けない珍しい話や新しい話、他局との違いがいろいろ聞けて面白かった。
・水泳の世界記録ラインにはいつもドキドキハラハラ、テレ朝が最初だったのですね。
・(民放の)視聴率を取るための血のにじむような大変さが良く伝わってきました。
・これから「報道ステーション」をみようと思いました。
・イチローのコメントで「報道ステーション」の中で「スポーツ」の持つ意味の話が面白かった。
・スポーツを伝えていくことの大切さをより実感できた。
・テレビに近い職業にありながら実は知らないことが多くあり、大変勉強になった。
・スポーツが“happy”を日本中の人達に今後も伝え続けてください。テレビがない見られない地域にも。(サッカー指導者)
・「ダメな時にも寄り添う」という話が印象的。見る側にとっても強く心に残ります。
【講師】 愛宕康志 テレビ朝日スポーツ局スポーツセンター長
1993年 早稲田大学法学部卒業後、テレビ朝日入社、スポーツ局配属。スポーツニュース記者として西武ライオンズ、ヤクルトスワローズ担当。その後、番組『Get Sports』『やべっちFC』『熱闘甲子園』等に携わる。2002年サッカー担当日韓W杯経験。2004年「報道ステーション」立ち上げからスポーツコーナー担当で参画。
2007年 営業局異動。社内調整を行う営業業務部、ネットタイムCMセールスを行うネット営業部経験。
2011年 スポーツ局に復帰。2012年7月から現職。