東京は毎日蒸し暑い日が続いています…
全国的にも30℃を超える地点が続出さらには35℃以上を観測する地点もあり、7月、8月の夏本番はいったいどうなることやら
みなさん、外出時は日傘や帽子、こまめな水分補給など、しっかり熱中症対策しましょうね塩分補給も忘れずに
今回の業界用語は…“コウバンヒョウ“
初めて耳にする方も多いのではないでしょうか?
漢字では“香盤表”と書きます。
漢字にしても何のことやらさっぱり??
テレビ業界での“香盤表”とは、
簡単に言ってしまえばスケジュール表のこと
香盤表では、1日の撮影スケジュール、各シーンの登場人物や衣装、小道具、消え物などがこと細かく1つの表に書かれており、撮影を円滑に行うための重要な資料になっています。
テレビ朝日では主にテレビドラマの現場で使われている香盤表。
そもそもドラマって、ストーリー通りの順番で撮影することって少ないんですよ
例えば、
朝 「家で」出かける準備をして、
昼 「会社で」会議をして、
夕方「家で」家族とご飯を食べて、
夜 「会社で」同僚の仕事を手伝って、
深夜「家に」帰る。
・・・なんてストーリーだったとします。
順番に撮影すると“家→会社→家→会社→家”と何度も同じところを行ったり来たり…
この場合、家は家、会社は会社のシーンでまとめて撮影した方が効率いいですよね?
①朝 「家で」出かける準備をして、
②夕方「家で」家族とご飯を食べて、
③深夜「家に」帰る。
④昼 「会社で」会議をして、
⑤夜 「会社で」同僚の仕事を手伝って、
この順番で撮影しようとなるわけです
もちろん実際には撮影場所の都合だけではなく、俳優さんのスケジュール、演じる際の感情の動き、天候や準備時間など様々な要素を考える必要があるので、こんなに簡単にスケジュールを組むことはできませんが、当日の撮影がスムーズに進むよう考え抜かれたスケジュールが香盤表にまとめられるのです。
ではなぜ「香」、「盤」、「表」というのでしょうか?
←こちらが実際の香盤表。
※ドラマ「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」より
細かい格子状にその日の撮影内容が記載されています。
格子状というところがポイント
あるものに似ているんです。
こちらは、天然香木の
「香りを鑑賞する」芸道の「香道」で使用する
“香盤”です。
“香盤”という言葉は、もともと撮影用語ではなく、この“香盤”というものが碁盤のように縦横のマスになっていて、作成した表が、それに似ていることから香盤表と呼ぶようになったそうです!
確かに格子状になっているところが似ていますね!
ドラマのチームや作成者によって多少形式は違うことがありますが、内容はこんな感じ。
例1)
例2)
どのシーンをどのくらいの時間配分で撮影するか、だれが出演するか、朝なのか夜なのか、どんなものが必要なのか、などなど。
情報が詰まっていますね
香盤表は主に“スケジューラー”と呼ばれる役割のスタッフが作成しています。
スケジューラーは台本や撮影状況を見ながら、「このシーンは台本の〇ページ分だから、これくらいの撮影時間だな!」「料理を作るなら準備はこのくらい必要だな」「このセットをつくるなら、一緒にこのシーンも撮影した方がいいかな」など様々な要素をパズルのように組み立てて、香盤表にまとめます。
ドラマ制作の全体像がわかってないとできない仕事かもしれませんね。
さてさて、7月は新ドラマが続々スタート
新ドラマで暑い夏を楽しく乗り越えましょう