4月13日(水)、江戸川区立葛西図書館で「オトナ出前講座」を開催!夜間開催ということもあり、10代~80代まで幅広い年代の方、約50名が集まりました。
今回のテーマは「あなたの知らないニュースの裏側」。講師はテレビ朝日報道局社会部で警視庁クラブサブキャップを務めている猪ノ口克司朗。元捜査一課担当の猪ノ口講師が警視庁クラブの構成やニュースの作り方、捜査関係者への朝回り・夜回りなどの取材方法について話しました。また実際に起きた過去の事件を例に挙げ、スクープの裏側などについて普段聞くことのできない秘話も語りました。
★テレビニュースは“速報性”と“画”が命
新聞の記事は、テレビニュースに比べて深く説明できます。しかしテレビでは、“速報性”が求められます。午前中に起きた事を、その日のお昼のニュースで伝えたり、とスピード感を持って取材をしています。
そして速報性が求められる中、テレビには、視聴者に目で見て分かるよう“映像(画)”が不可欠です。
例えば、火災発生の情報を得たらすぐに駆けつけ映像を撮ります。容疑者が移送される時には、容疑者の顔を撮ります。状況に応じては、ヘリを飛ばしたりすることもあるのです。
テレビでは「画」がなければ視聴者に状況を伝えることができず、ニュースが作れません。
「速報性を持って今を伝えていく画を撮る為には、情報に敏感になることが大切です。現状だけでなく、少し先まで読んだ取材を心掛け新しい情報を得ています」と猪ノ口講師は語りました。
★スクープができた理由
1995年に起きた「八王子スーパーナンペイ事件」について、スクープ報道までの道程を話しました。
-狙いを定めた粘り強い取材-
未解決事件であるこの事件を、テレビのゴールデンタイムで特番放送をするため、深く調査をしました。ここで大切にしたのが、狙いを定めて目標を持つことです。何となく取材をしても何にもでてきません。
取材を進めていく中で「指紋」に関する情報を得ました。そこで、そこから仮説を立て、その仮説に狙いを定めて朝回りや夜回りを行いました。
また、捜査一課長とのコミュニケーションの中でも、否定された場合は、一度で諦めることなく違う角度で問いかけていきました。
この取材では、戦略と粘り強さを持ったことが功を奏したと言えます。
–チームワーク-
一人ではスクープ報道はできません。仲間との情報共有を行うことが重要です。パズルのピースのようにバラバラになっている情報を一つにしていく。
こういった事もスクープを取れたことに繋がりました。
★質問タイム
参加者から猪ノ口講師に、講義への質問や普段から疑問に思っていることなどをあげてもらいました。「ひとつの報道に対して、各テレビ局の報道の違い、特徴はあるのですか?」や「取材で撮影する際に、通行人への配慮は?」、「捜査関係者とは?」などたくさんの質問がありました。
★参加者のみなさんの感想
・身近な話題におけるTV報道の、普段知りえないことを少しでも教えてもらえて良かったです。
・とても興味深く楽しい講義でした。地道な取材で多くの人が関わってニュースができていることが分かりました。
・捜査一課長から短い時間の中で、コメントを引き出す駆け引きなど、まさに裏側の話が聞けて面白かったです!
・知っている事件等を通してのお話だったので、とても興味深く聞けました。
・自分が何気なく見ているニュースがどういうふうに作られているのか知ることができて良かったです。
また会場には葛西図書館に蔵書されている、テレビなどマスコミに関する書籍が展示されていました。参加者は休憩中や講義後などに、手に取ってご覧になっていました!