3月30日(水)、横浜の放送ライブラリーにて「親子出前授業」を行いました!
普段は学校向けにしか行っていない出前授業。今回は春休み特別版として、小学4年生~中学3年生とその保護者向けに開催しました!
今回の授業内容は「天気予報」。
前半は「毎日見ている天気予報はどんなふうに作られているのか?」についての授業を、後半は、キャスターやカメラマン、フロアディレクターなどの役割に分かれて実際にミニ番組作りに挑戦!
講師はテレビ朝日でお天気コーナーを担当している気象予報士の太田景子さんと、テレビ朝日の久慈省平災害報道担当部長、テレビ朝日ウェザーセンターの中村晴香ディレクターが務めました。
まずは久慈講師の授業からスタート。
「天気予報とニュースのお仕事」や「ニュースが放送されるまで」などについて説明しました。
授業の始め、久慈講師の「毎日テレビを見てる人は??」「新聞を読んでいる人は??」の問いかけに、たくさんの小中学生から手があがりました!!みなさんの意識の高さにこちらもビックリ。
そして授業の中でみなさんが特に注目したのが、「台風レポートのNG集」
テレビ局の台風取材では、現場から届いた映像の中で、実際に放送されないものが多くあります。
風が強く、傘が飛ばされそうな記者がレポートしている映像をご覧になったことはありませんか?
このような映像は、記者にも危険が及びます。そのため現在の台風取材では、危険な状況での取材は行いません。
久慈講師はその他、「テレビと新聞の災害の伝え方の違い」についても話しました。
テレビは「LIVE」、今起きていることを伝えて、人の命を救うことを大事にしています。
一方新聞は、「歴史」に残し、検証していく、という違いがあるのです。
メモを取るお子さんもいて、みなさん熱心に授業を聞いてくれました!
続いて太田講師の授業
はじめに、太田さんのある1日に密着したVTR「気象予報士の1日」を上映。出勤から退社まで、打ち合わせやランチの様子までも密着したVTRに、参加したお子さん親御さんともに興味津々な様子でした!
VTRにも登場していましたが、天気予報を放送するのに大切な役割が、“お天気ディレクター”です。お天気ディレクターは主に、天気予報のストーリーを立てたり、CGやアニメーションを考えたりしています。
今回講師として登壇した中村ディレクター自らロケに行ったり、スタジオやサブなどで放送全般の指示を出しています。
中村講師は「平日だと、通勤や帰宅時間を意識し、その時間にどんな情報が求められるかを考えて伝えています。土日だと、楽しく伝えることを考えています」と番組作りについて話しました。
さてみなさん“気象予報士”のお仕事、実際にどんなことをしているのか、どんなことができるのか、ご存知ですか??
「天気図を見て天気を予報する。テレビやラジオでお天気を伝えるキャスター」という役割は一番分かりやすいかと思います。
その他あまり知られていませんが、「ニュース原稿を書く」ことも気象予報士の仕事のひとつなんです。
アナウンサーが読む、天気に関する放送原稿を書いたり、携帯電話やホームページに配信するお天気の原稿を書いているのです。
実際、土曜日の『ANNスーパーJチャンネル』(テレビ朝日)でお天気を担当している太田さんも、北海道から沖縄までどんな天気なのか監視して、ニュースを見つけ原稿を書いているそうです。
そしてこの時期日本中が気になっている「桜の開花予想」
気象予報士の知識を生かして、気象庁や民間の気象会社の発表を分析し開花も予想できます!!
◆お天気検定◆
『グッド!モーニング』でもおなじみの「お天気検定」を会場で行いました!テレビではリモコンで参加しますが、会場では青・赤・緑の画用紙でご参加いただきました。
第一問「“虫だしの雷”はいつ以降最初に鳴る雷をさす?」
青:立春
赤:春一番が吹いた日
緑:春分の日
答えは・・・
「青:立春」です!
この雷で土の中にいた虫がビックリして出てくる、という意味から「虫だしの雷」と言われています。虫たちに雷が「春」を伝えているのです。
第二問「“●●に医者いらず”●●に入る言葉は?」
青:大根おろし
赤:トウガラシ
緑:ワサビ
答えは・・・
「青:大根おろし」です!
大根おろしには、消化を助ける効果があり、解熱・解毒の効果があると言われています。風邪を引いた時には、大根おろしを食べれば良いという言い伝えがあります。
2問とも正解したお子さんもたくさんいました♪積極的にご参加いただきありがとうございました!!
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後半はお天気番組の放送を体験するワークショップを行いました。
体験したのは、キャスター・フロアディレクター・カメラマン・音声・AD・スイッチャ―。
講師やテレビ朝日のスタッフから指導を受け、みんな真剣なまなざし・・・
そして少し緊張ぎみな様子で本番に挑戦!
どのグループもチームワーク良くミニ番組を放送できました♪
この日会場となった横浜情報文化センターの8階「放送ライブラリー」では、CGが合成される「クロマキー」というセットのあるニューススタジオがあり、お天気キャスターだけでなく、ニュースキャスターやリポーターの体験ができます。ご興味のある方はぜひ足を運んでみて下さい!
授業の最後は質問タイム!
会場からたくさんの質問がありました。
Q.「本番中に心掛けていることは何ですか?」
太田:「早口にならないよう、ゆっくり話すことです」
Q.「目標にしている気象予報士は誰ですか」
太田:「依田司さんです」
Q.「今までで一番の失敗は何ですか?」
太田:「本番中何を話すか忘れてしまい、パニックになってしまったことです」
久慈:「裁判所からの中継で原稿が風で飛んでしまったことです」
中村:「生放送で緊張してしまい、テロップを入れる際スイッチを連打して入れ間違えてしまったことです」
Q.「台風の進路ってどうやって分かるのですか」
太田:「気象庁のスーパーコンピューターのデータから確率を出して予想しています」
約2時間30分の授業を終えて、講師の3人から会場のお子さんに向けて仕事のやりがいを伝えました。
久慈講師「マスコミの仕事は、色んな人に会い色んな現場に行き、色んな場面に遭遇します。人の楽しみや悲しみを見て、体験していきます。とても面白い仕事ですが、自分の伝えるニュースが人のためになっているのか、常に考えることが大事です。興味がある子どもたちは、ぜひ目指してください」
太田講師「気象予報士は「命と財産を守る」ことのできる資格だということを師匠に教えていただき、今でもそれは原点だと思っています。ニュースの中でこれから起きる未来のことを伝えることのできる、気象予報士。自分の予報で誰かを救うこともできます。みなさんの明日の行動にアドバイスできる、そんな魅力がこの仕事にはあります」
中村講師「次の日が晴れになるのか、雨になるのか。この予報を楽しく分かりやすく伝えるために、どう調理するかがディレクターの面白い所です。例えば風の音を加えるなど、天気予報にどんなエッセンスを加えるかをいつも大事にしています。今日参加されたみなさんが、将来、素晴らしい天気番組を作ってくれることを期待しています」