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第40回テレビ塾開催報告「『人生の楽園』へのいざない」

投稿日:2016年02月01日 18:05

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1月26日(火)、第40回テレビ塾「『人生の楽園』へのいざない~“癒やし系番組”の作り方~」を開催。

素晴らしい「セカンドライフ」に密着した人気ドキュメンタリー番組『人生の楽園』。その制作の背景や舞台裏に迫りました!

全体修正1

講師は、テレビ朝日報道局の森川俊生プロデューサー
テレビ朝日映像の岡部太司プロデューサー市村奈穂ディレクター
司会は本間智恵アナウンサーです。

テレビ塾6


◆『人生の楽園』の特徴

まずは森川講師から、番組の概要と特徴を説明。
放送開始から今年で15年を超える長寿番組。番組制作で最も大切なのが“主人公選び”だと話しました。

★主人公選びのポイント

①セレブでない人
②夢に向かって挑戦している人
③地域とつながって暮らしている人

★“楽園流”ナレーションの効果

ナレーションの形も通常の人物ドキュメンタリーとかなり違ってユニーク。西田敏行さんと菊池桃子さんの掛け合いも独特ですが、さらに西田さんと主人公が会話をしているようなナレーションにすることで、視聴者に「自分もそこにいるような感覚」を持ってもらおうという狙いがあります。
視聴者の方から「まるで自分がそこにいるかのような気持ちになります」という感想が届いた時は、森川講師は“ガッツポーズ”だったそうです。

◆主人公の見つけ方

続いて岡部講師が“楽園”リサーチのポイントと、“主人公”の見つけ方について説明しました。

★楽園リサーチのPOINT

●第二の人生を歩んでどれくらい経つ?
●前職や以前の生活からどう変わった?
●きっかけ、始めた動機は?
●移住して最初にしたことは?
●周囲になじむためにした努力(苦労話)は?
●これからの新たな夢や挑戦は?
●夫婦間、家族間の関係はどう変化した?

この中で一番重要なのが、“第二の人生を始めてどれくらいの期間が経っているのか”です。基本的には5年以内の方を主人公としています。長年続けプロフェッショナルになっている方でなく、視聴者が親近感を抱きやすく、すぐにお手本にできるような主人公をリサーチしています。
その他、5日間に及ぶテレビ取材が可能か、主人公だけでなく家族にも出演してもらえるかも大切です。

また“主人公”に初めて会った際によく言われるのが、「私たちをどこから探してきたのですか?」という言葉です。出演者候補は、一般紙・地方紙・専門業界紙などの紙媒体や自治体からの情報、その他過去の出演者からの紹介などをもとに見つけています。

講師修正1

◆『人生の楽園』制作秘話

市村講師からは、5本のVTRと生ナレーションを交え実際のロケ収録や編集の話など現場ならではの話をしました。

★制作する中で大切にしていること

ロケハンで一番大切なのは「出演者と打ち解ける」こと。
市村講師は、「出演候補者の懐へ入るために、フレンドリーな会話を心掛け、にお邪魔します!ここで大事なのは「ご家庭のご飯をいただくこと」、「お酒を共にすること」、「泊まらせていただくこと」。その後はたとえ出演者NGと言われても、根気強く取材交渉をします。」と話しました。

ロケでは、現場での「空気作り」何よりも大切。市村講師は撮影時、テレビカメラの存在を忘れる位、出演者にしゃべり倒し、雑談のようにインタビューをするそうです。これは全て、主人公の“素”の姿を撮るためです。

ハプニングの発生

現場ならでは“ハプニング”についても紹介。制作側の大変さはありますが、このハプニングによって、想定外の出来事が撮れることもあります。
例えば多いのが自然現象。沖縄県石垣島でのロケでは、撮影中に突然の豪雨で停電が起きました。しかしこのハプニングによって、主人公や仲間のありのままの姿を撮ることができました。
他にも、奥さんの言葉に思わず涙した主人公の男性など、ハプニングによって撮れる映像もあります。

★おいしさを伝える「物撮り」

主人公が心こめて作った料理やその土地の郷土料理をよりおいしそうに映像化することを「物撮り」と言います。撮影現場で対象物に対して、3~4方向から明かりを当てます。

全体の明かりを上げるベースのライト、カメラに取り付けたライト、影になりがちな正面を明るく、手前を明るくするライト、など数方向から明かりを当てます。簡易照明の映像よりも、明らかに鮮やかにおいしそうに表現できます。

テレビ塾3

また温かな湯気の出る食べ物「湯気もの」には、湯気の出る位置にピンポイントに当たるようにした“湯気専用ライト”を使用します。美味しい映像にはホカホカした湯気が欠かせません。

◆質問タイム

―――これまで取材してきた主人公からの感想で一番印象に残っている感想はありますか?
(市村講師):リタイア後の暮らしはなかなか公表する場がない為、「人生を謳歌していることを発表する場ができて感謝している」という言葉は印象に残っています。
(岡部講師):放送したことで、お店が繁盛したという言葉をいただくことはあります。ですが、第二の人生を放送しているので、繁盛というそれだけにならないように気を付けています。

―――他局も含めテレビ番組は見ていますか?また他番組を気にしたりしますか?
(市村講師):テレビっ子なので、とても見ます。しかし他の番組を気にしたりはしていません。同業者としてではなく一視聴者として見ています。ただ、自分と同じ方を取材した番組の場合は、どのような切り口で取り上げているのだろう、と気にしたりはします。
(森川講師):見ます。私は2つの見方をしています。1つは、純粋に好きな番組。もう一つは視聴率の良い番組を観ます。どうして視聴率が良いのか、何が支持されているのかを、研究する視点で見ています。

テレビ塾2

◆最後に…

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毎週土曜よる6時から放送している『人生の楽園』。
15周年を迎えた昨年、書籍が発行されました。

移住の指南書『いつか暮らしたい移住地』です。
(*詳細は番組ホームページ参照)

ここには、豊富な写真、移住にかかる費用や体験者からの貴重なアドバイスが
詰まっています。

◆◇◆◇◆ 参加者からの感想 ◆◇◆◇◆

●3人のお人柄が三人三様で興味深く、今後は皆さんのお名前を見つけながら今日の話とリンクさせて、毎回番組を楽しもうと思います。
●直観ですが、この番組は20年30年続くと思います。
●素人を追いかけるスタッフの方の努力が分かりました。
●1つの番組に愛情をかけて、たくさんの方が関わり作っていくことの大変さと素晴らしさを、とても詳しく分かりやすく話していただきました。
●特に「音」の構成部分についての講義が面白かったです。
●番組を作る人の温かさが画面に出ており、西田さんのナレーションが特に上手く生かされていると思いました。
●いつも番組を見ていますが、なぜ毎週このチャンネルに合わせる魅力があるのか、理解できました。

参加者修正1

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