touch!★テレアサ｜「テレ朝出前講座」〝TOKYO防災〟編

2025年12月
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テレビ朝日の社員が一般市民を対象にテレビの裏側を紹介する「テレ朝出前講座」。今回は広報局お客様フロント部の出前講師、久慈省平による「災害報道・防災講座」のうち、東京都内３カ所で開催された〝TOKYO防災〟編をご紹介します。

久慈講師は報道局で災害報道担当部長、ウェザーセンターのプロデューサーなどを務めてきた災害報道のプロ。地震、津波などの緊急災害時にテレビ局がどのように対応しているのかを各地を回って話しています。

東京・葛飾区
７月１３日（日）は東京・葛飾区で「災害報道の舞台裏と地域防災」をテーマに開催しました。
葛飾区は江戸川や荒川に囲まれた日本有数のゼロメートル地帯。河川氾濫時は広範囲で長期間にわたって浸水の危険があり、葛飾区も「区内に居続けることはできません」として「区外への広域避難」を呼びかけています。
さらに、埋立地や干拓地が多いため、大地震の際には揺れやすく、液状化の危険もあり、〝マルチ災害〟に備える街です。久慈講師はビルの高層階では長周期地震動の危険があること、災害直後には群衆雪崩を避けるため駅には行かないことなど、都会の防災対策について解説しました。久慈講師はテレビ局が日頃からさまざまな情報を入手して速報を出していて、災害時は素早く緊急放送を始める仕組みを準備していることを紹介しました。
受講者からは「視聴者が撮影した映像はどのように入手するのか」などの質問が相次ぎました。

東京・品川区
７月１６日（水）は品川区主催の高齢者向け講座「品川シルバー大学」にうかがいました。受講生はシルバーとは名ばかりで、学ぶ意欲にあふれた〝若々しい高齢者〟が多く、熱心に耳を傾けていました。品川区は高層ビル街、住宅密集地、港湾など〝大都会TOKYO〟のさまざまな顔を持っています。また、海側は津波や高潮、陸側は土砂災害や住宅火災など、エリアごとに警戒すべき災害に違いがあります。
久慈講師は今年のニュースの中から、埼玉・八潮市の道路陥没事故、岩手・大船渡市の山火事の例を挙げ、「自然災害以外でも住民避難が必要な場合がある」ことを強調しました。さらに、「テレビの災害報道は放送法で定められた義務」であり、「大災害のときにはＣＭを中止して緊急放送を続けることもある」ことを紹介すると、受講生の一人が「素晴らしい報道姿勢だ！」と叫び、会場は大きな拍手に包まれました。

東京・多摩市
７月１９日（土）は多摩市に足を延ばして、「災害報道とテレビ～命を守る防災情報の受け止め方」を開催しました。この日は梅雨明け翌日、３連休初日にもかかわらず、防災に関心の高い市民が集まりました。

久慈講師は「テレビ局は想定外の災害に向けて準備」していて、「報道局では緊急放送の訓練を毎晩実施している」ことを紹介すると、参加者から驚きの声が上がりました。多摩市は多摩丘陵の高台と、多摩川沿いの低地という高低差が特徴です。多摩川が氾濫したときの浸水危険エリアは駅前のビル街にまで広がり、市の北部に延びる立川断層帯で地震が起きると、非常に激しい揺れが予想されています。
久慈講師は地震の際はエレベーターから早く出ること、川から離れた市街地でも内水氾濫の危険があることなどをクイズ形式で解説しました。
参加者からは「実際に役立つ情報を得ることができました」「過去の災害は忘れがちなので気を引き締めたい」などの感想をいただきました。