12月21日(木)、第58回テレビ塾を開催しました今回のテーマは
「サッカーW杯カタール大会の舞台裏で!~中継を支えた「作り手」たちの逸話~」
12月18日に幕を閉じたばかりで興奮冷めやらぬ「サッカーW杯カタール大会」
サッカー日本代表の活躍は皆さんの記憶に新しいと思います
テレビ朝日は10試合、ABEMAでは全64試合生中継で選手の活躍を皆さんにお届けしてまいりました
今回はその「サッカー中継」にスポットをあて、“日本戦ここだけの話”や秘蔵VTRなども交えながら、その舞台裏に迫りました
オンラインで開催した今回のテレビ塾全国各地から112名の方にご参加頂きました
講師は、テレビ朝日スポーツ局スポーツ2部の三平裕之部長と河本祐典プロデューサー(※「祐」は「示へんに右」)、AbemaTV編成統括本部スポーツエンタメ局の塚本泰隆局長が担当
司会はサッカー実況も担当する吉野真治アナウンサーが務めました
サッカー中継の仕組み |
◆垣根を超えた制作体制
4年に1度のスポーツの祭典「サッカーW杯カタール大会」
テレビ朝日では過去最大の放送枠・10試合スポーツ局の中では普段はサッカー以外を担当しているスタッフも参加して、スペシャル合同チームが3班(合計100人)に分かれて制作を担当。スポーツ局にとどまらず、報道や制作、営業と局を超えた協力体制で選手の活躍をお伝えしました
ABEMAでは、史上初の全64試合無料放送を、テレビ朝日やグループ会社など5つのプロダクションと連携して5チーム体制で中継を行いました
さらに
実況を担当するアナウンサーも普段からサッカーを担当しないアナウンサーも参加し、制作と同じく競技の垣根を超えた史上初の体制で実況を担当ABEMAでは、系列局のアナウンサーからも協力を頂き、合計18名のアナウンサーが勉強会も行うなど今までに例のない体制で、まさに一枚岩となった一大イベントだったんです
◆放送の拠点・国際放送センター(IBC)
世界中のテレビ・ラジオのスタジオの放送基幹の拠点となる場所が「国際放送センター“IBC(International Broadcast Center)”」です
ここから各国のテレビ局へ映像が送られる心臓部。ワールドカップ期間中はこちらにそれぞれの国のワーキングスペースが設置されます。
河本講師からは、国際放送センター内の実際の地図が紹介され、各国の様子が紹介されました
アルゼンチンブースの盛り上がりに触れ、文化の違いを感じる場面も多かったそうです
「カタール大会中継」裏側の核心部 |
◆国際映像とユニ映像の違い
海外での中継は、ホスト・ブロードキャスター(HBS)が世界に配信される国際映像を制作します
カメラ台数は40台以上で世界中にその映像が配信される為、偏りのない映像をが作られます。
日本の皆さんにお届けする映像は、この国際映像に独自のカメラ撮影をした「ユニラテラル映像(ユニ映像)」を交えて作成
この映像では、試合中は主に日本代表選手を映し、キックオフに向かう選手の顔を撮ったり、試合後はインタビュー映像や試合後のリポートなどを放送しています
例えば、今大会の日本vsクロアチア戦では、国際映像が両チーム映すのに対し、ユニ映像では日本代表選手を中心に、敗戦時の選手の様子をお届けしました。
◆この人だから聞き出せるインタビュー
今大会の試合後インタビューでは、テレビ朝日では内田篤人さん、ABEMAでは中山雅史さん、槙野智章さんら日本代表OBがインタビュアーを担当しました
通常はアナウンサーを聞き手にすることが多いですが、W杯を戦った経験があり選手と関係性が近いからこそ、聞き出せる本音や感情があるため、内田篤人さんらをインタビュアーに配置。
テレビ塾の会場では、槙野智章さんが聞き手となった、ドイツ戦後の長友選手のインタビュー、中山雅史さんが聞き手となったクロアチア戦後の三笘選手のインタビューの映像と共に振り返りました
河本講師からは、プロデューサーの仕事の一つとして「キャスティング」を紹介。
今大会はメインキャスターなど40人以上をキャスティングしたそう特に注目すべきことが、テレビ朝日とABEMAで共通の出演者さんがいること。
テレビ朝日の番組でABEMAスタジオと中継を結んで連動感を出したり、ABEMAの中継に出演してからテレビ朝日の出演するなどスケジュールも共有しながら最大限活用
これは今までと違う試みとなりました
“やりがい”と“魅力” |
講師の3人は最後に、
(三平)「スポーツを通して、国境は関係ないんだなと感じています。感動を分かち合える、その瞬間に携わることができるのが大きな、大きなやりがいです」
(河本)「昔からサッカーをやってきて、サッカー中継の制作ができること、そしてレジェンドと言われる解説者と一緒にお伝えできること、新しい景色を目指した日本代表を支え、直にお話が聞け伝えられること、これ以上にない仕事だと思っています」
(塚本)「色々な人に映像や話題を届けて一体感を感じられる、一緒の時間を、感動を共有できるのが大きいです!」
と仕事の魅力を語り、講座を締めくくりました
ご参加頂いた皆様、最後までお付き合い頂きありがとうございました
皆様、いかがでしたか?普段はなかなか聞く事のできない「サッカー中継の舞台裏」について、より深くご理解頂けましたでしょうか?
是非これからもスポーツ中継をご覧になる際は、中継の裏側で活躍している「作り手」の事を思って頂けると嬉しいです
今後のテレビ塾も、皆さんに楽しんで頂きながらテレビについてお伝えできる充実した内容を考えていきます
次回のテレビ塾もご期待ください