テレビ朝日スタッフが、テレビ局の仕事を分かりやすくお話しする“テレビ塾”。
10月4日(水)、第45回テレビ塾「災害報道の工夫と葛藤~命を救うための役割とは~」を開催。
テレビ朝日の久慈省平災害報道担当部長が講師を務め、「想定外の災害にどのように対応しているのか?」や「東日本大震災の教訓はどう生かされているのか?」など災害報道の舞台裏に迫りました
九州北部豪雨を取材した、桝田沙也香アナウンサーが司会を務め、KBC九州朝日放送の石田大我記者も中継で参加。
3者によるクロストークから、速報態勢や取材時の安全確保、メディアとしての日々の備えなど、多岐にわたる内容が貴重な取材映像と共に示されました。
◆ 「九州北部豪雨取材」の現場では・・・ |
広い範囲に甚大な被害をもたらした「九州北部豪雨」。
石田記者は発生直後から現地で取材にあたっていました。
取材を行っていた場所にあっという間に濁流が押し寄せ、避難を余儀なくされた経緯を語った石田記者。
「ここなら大丈夫と思っていた場所が、後に土砂に飲まれました。まさかこんな所から濁流が…という思いでした。取材を続けるか避難をするかという判断、それから安全な場所に移動してからは、取材続行か救助か、という葛藤もありました」と話しました。
桝田アナウンサーは『ワイド!スクランブル』の取材で現地に入りました。
「初めての災害現場取材がまさか自分の地元・福岡とは…」と当時を振り返り、被災した人々の思いや心の絆について語りました。
「現場では、自分の言葉で伝えることを心がけました。一年後二年後に被災地がどのように復興してゆくのか、追い続けたいと思っています」
◆ 東日本大震災の教訓 |
久慈講師は、2011年に発生した東日本大震災が災害報道のターニングポイントであるとし、その教訓を挙げました。
民放各局やNHKでは東日本大震災以降、テロップの表現を変えたり、津波警報・注意報地図の色を見やすくするなど、災害報道の改善をし、より効果的な避難を呼びかけるなどの工夫を続けています。
テレビ朝日では、報道の宿直スタッフが緊急放送の訓練を毎晩行っています。
最後に久慈講師は「私は医師でも消防士でもないが、報道という仕事で人の命を救えるかもしれない。その責任をしっかりと受け止めて頑張っていきたい」と災害報道の使命について語りました。
◆◇◆◇参加者の声◆◇◆◇
●「過去ではなく未来を伝えるのがテレビだ」という言葉が特に印象に残っています。
●自分もいつか「人の命を救う」という大きな使命をテレビで果たしていきたいです。
●私も広島土砂災害を経験した人間です。災害報道はテレビの一つの意義だと思い参加しました。これからも災害と向き合っていこうと思いました。
ご来場の皆さま、熱心にご参加いただき、ありがとうございました!
次回のテレビ塾もご期待ください♪