「出前授業」で初の離島訪問となる、伊豆七島の式根島と新島での講義が、6月6・7日に開催されました。今回は、2日目となった「新島中学校」での授業の様子をリポートします
式根島から新島へは連絡船で、僅か約20分第一便となる7時40分発の連絡船から振り返ると、式根島が美しく輝いていました
8時に到着した新島では「新島村立新島中学校」の瀬戸貴子先生にお出迎え頂きました
昨年に新築されたという真っ白い立派な校舎。校庭には新島のシンボルである「モヤイ像」も鎮座しておりました。
山本巌先生に校内を案内していただきました。「新島中学校」は同じ敷地内にある「新島高等学校」と連結した一貫教育で、無線LANシステムが全教室に完備されるなど、充実した設備で木目を基調とした瀟洒な雰囲気です。
一つの教室で複数の先生が担当していたり、メガホンを持ってオーケストラを熱く指導するなど、愛情あふれる行き届いた対応が感じられました
10時25分から「出前授業」開始。メインテーマは「番組制作の醍醐味とは」。全校生徒65人を前に、この日も2時間目と3時間目を休憩なしでやりましたが、真剣に聞いてくれながら笑い声も上がり、素直な反応の見える双方向的な授業となりました
前半の内容は「ディレクター」と「プロデューサー」の違いや、それぞれの仕事内容。冒頭に「PとDの違い」を聞いた所、だいたい正解に近い答えが返ってきて、ビックリさせられました。
後半は、「フロアディレクター(FD)」と「アナウンサー」役の「体験コーナー」を実施。アナウンサーの様な美しい声の生徒や、大声で現場を見事に取り仕切るFD役の生徒もいて、ほとんどのペアが時間内に原稿を見事に読み切り、大いに盛り上がりました
最後は、恒例の先生ペアで、今回担当の瀬戸先生が「アナウンサー」役。当初は大幅に遅れていましたが、機転を利かせて最後のコメントをカットして時間内にまとめてみせ、生徒たちを喜ばせました。
質疑応答の後で「将来テレビ業界に入りたいと思った人」と聞いたところ、授業の冒頭には3人だったのが30人ぐらいから手が挙がりました。
昼休みは瀬戸先生に、新島の名所を案内して頂きました。世界的なサーフィンのスポットである「羽伏裏海岸」は、白砂の美しい長いビーチで、新島の観光地としてのポテンシャルの高さも感じました。とても充実した離島での「出前授業」となりました
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島の出前授業を終えて
式根島と新島の中学校はハードの面では好対照でしたが、先生方の深い愛情を感じました。式根島では先生たちが主体となって、「未来会議」という「未来に続く式根島」を目指した、「島づくり中学生プロジェクト」が立ち上げられており、各界からゲストティーチャーを招き、生徒たちと対話するようです。先生たちも、島ならではの利点と同時に、限界も感じられて打開策を練られているようです。
そのような、教育現場で、都会にしかない「テレビメディア」の話をする意義は、素直な生徒の皆さんがスポンジのように吸収していく様子からひしひしと感じられました。将来の人生の選択肢の一つに「テレビ業界」を加えてくれたのは、この上ない収穫です。今後も、基幹メディアとしての責務を、地道な「メディアリテラシー活動」として展開していければ幸いです。
(テレビ朝日 広報局 お客様フロント部 松井英光)