早速とりかかってみれば
どう考えても
リズム良く進めるなど到底不可能。
数百年の技術の壁が
私の前に立ちはだかる。
「ハイ、やってみな」
“師匠”という人は、何事も簡単そうに言う。
「よし、次は“焼き入れ”だな。
明るいと色がわっかんねぇんだなぁ。」
窓を閉めて、暗幕を引き
工房は完全な暗闇。
「はぁい。やってみい。」
炉の前に座り、炎と向き合う。
その勢いに焼き尽くされそうになりながら
炎と見つめ合う。
大きく深呼吸して、刀を炉に入れると間も無く
白く光る炭と、赤く光り出した刀。
俺は大秦寺哲雄。聖剣の刀鍛冶。
えい!と刀を引き抜き、水桶に突っ込む。
ジュゥゥ、、、
刀の反りと波紋を確認する。
すべての作業の結果が、ここに現れる。
「よし!」
思わず声が洩れた。
唯一無二の一振りが出来上がった。
大秦寺一族の誇りとともに、
これからも、刀と腕を磨いていこうと思う。
皆様も刀工体験、いかがだろうか。