先日、映画『少年H』(8月10日公開)の完成報告会見が行われ、劇中でも夫婦役を演じる水谷豊・伊藤蘭夫妻をはじめ、吉岡竜輝、花田優里音、小栗旬、國村隼、岸部一徳、そして降旗康男監督という豪華キャスト・スタッフが勢ぞろいしました
原作は、妹尾河童初の自伝的長編小説であり、累計340万部を誇る国民的ベストセラー『少年H』。
昭和初期、美しく異国情緒あふれる神戸を舞台に、戦争という激流の渦に巻き込まれながらも、勇気、信念、愛情をもって生き抜いた「名もなき家族」の愛と真実の物語です。
「原作ものを映画にしますと、原作ファンにがっかりされることが多いようでして、ましてや大ベストセラーともなりますと尚更だと思います。原作者の妹尾さんがなぜ今まで映像化しなかったかと言うと、がっかりしたくなかったからだそうです。でも、最初の試写のときに妹尾さんから『素晴らしかった!ありがとう!』と言っていただいて、本当にホッとしました。」
「みなさんにやっとこの映画を見ていただけると思うと、わくわくドキドキしています。この作品に出てくる2人の子供の笑顔を見ていると、人ってちゃんと平和で幸せな方を向いていかなければいけないのかな・・と感じました。心がじわっと温かくなる映画です。」
「この愛されている作品で少年Hを演じさせていただくのは光栄です。この作品で戦争のことを少しでも知ってほしいです。(妹尾家のみなさんとは)家族みたいにずっと一緒に撮影してきてきたので、作品の中でも本当の家族のように映っていると思います。」
「この映画は感動して、自分が出ているのに、泣いちゃいました。戦争のこととかいっぱい調べて、当時の子供の気持ちとかを考えながら撮った映画です。撮影の時、水谷さんも伊藤さんも竜輝くんも本当の家族のように仲良くしてくれて楽しかったです。とても良い映画なので、真剣に見てください!」
降旗監督は「この映画で、戦争を知らない世代にあんな戦争があったことを知っていただきたい。戦争とははっきりとしたものではなく、忍び寄ってくるものだということを観てほしい。そして、戦争を忘れかけている人にはまた思い出してほしい」と本作にかけた思いを語り、「それ以外にも、とっても魅力的で面白い家族の話になっていますから、こちらも楽しんでもらいたい」と本作をPRしました!!
また、本作は第35回モスクワ国際映画祭で特別作品賞を受賞!!
この受賞に対して、水谷さんは「現地での本上映では場面場面で、皆さんが笑ったり泣いたりと反応してましたし、興奮して話しかけてくれる人もいました。思いが伝わったということが本当に嬉しかったです」と語り、降旗監督は「閉会式で後ろの席に座った人が『少年Hって映画の子役が素晴らしかった』と話していてすごく嬉しかった」と笑顔で喜びを語りました。
◆夫婦の30年ぶりの共演について
・本作の撮影期間中に60歳の誕生日を迎える水谷さんの還暦のお祝いとして水谷さん自ら伊藤さんに敏子役をオファーしたそうですね?
水谷「(照れ笑いを浮かべながら)そうですねぇ・・。次は古希のお祝いに(笑)」
伊藤「明るさを失わない、たくましくて頼もしい楽観的な女性像に巡り合うことができました。この作品に声を掛けてくれた水谷豊さんに感謝しています。」
・共演されていかがでしたか?
水谷「不思議なことに撮影をしている間は夫婦だということを忘れていたんですよね。みなさんにも映画を見ている間は(夫婦ということを)忘れ、見た後に『夫婦だったな』と思い出していただければ嬉しいです。」
一方、近所の人の役で共演した國村さんは「実は私は水谷さんと伊藤さんが実の夫婦だということをしばらく知りませんでした。どうしてみんな“30年ぶりの共演”と騒ぐのか・・さっぱりわからなかった(笑)」と衝撃の告白・・!会場は笑いに包まれました!
◆完成披露舞台挨拶でサプライズ!!
完成報告会見の後、TOHOシネマズ六本木ヒルズでは完成披露舞台挨拶が行われました!
そこで、7月14日に61歳の誕生日を迎える主演の水谷さんに、妹尾家のみなさんがデコレーションしたサプライズの特大ケーキが登場
驚きながらもその場でケーキを召し上がった水谷さんは、
「いや~、家族っていいものですね。何か企んでるとは思っていたのですが、これでしたか・・ありがとうございます!」と笑顔で喜んでいました
『少年H』は原作者・妹尾さんの「“あの時代”を撮ってほしい」という気持ちをとても大切にしていて、制作スタッフはできる限りCGに頼らず、ロケやセットで当時の神戸の風景を徹底的に再現。戦争を教科書でしか知らなかった子役の2人は妹尾さんご本人から当時の気持ちを聞きながら演じたそうです。そんな“あの時代”をHと好子を通して感じた2人が「戦争のことをもっとたくさんの人に知ってほしい」と話していたのがとても印象的でした。
また、会見でも本当の家族のように接していた水谷さんをはじめとする妹尾家の4人。“あの時代”を明るく愛情を持って生き抜いてきた家族愛も注目してください
『少年H』 8月10日(土)全国東宝系ロードショー