『相棒』にまつわる知識や情報をテーマに沿ってお届け！
発信するのは、相棒フリークを自認するグループ“相棒ラボ”。
オフィシャルスタッフではないファンならではの愛ある切り口で作品の魅力をお伝えします！

【第7回】
これだから伊丹好きがヤメられない７の魅力！

特命係と対立する“憎まれ役”でありながら、唯一無二の存在感で多くのファンから愛され続けている捜査一課の刑事・伊丹憲一。
今回は、今夜９時から放送の伊丹が主人公の映画『相棒シリーズ X DAY』を前に、伊丹好きにはたまらない7つの魅力をピックアップしていきます！

1．上司にも反発する熱血漢！

実戦部隊の主力として捜査にあたっている伊丹（川原和久）だけに、上司の命令には絶対服従！…と思いきや、一人の刑事として納得できない場合には、自身の立場が悪くなることもいとわず、上司に盾突くこともしばしば。シーズン2第18話「ピルイーター」（2004年2月25日放送）では、別の真相が明らかになっているにもかかわらず、「何が何でも無理心中で通せ」という内村刑事部長（片桐竜次）に対して、面と向かって「勝手にやれよ…。勝手にやりゃぁいいだろう!! つまんねぇ！まったくつまんねぇ！」と感情をあらわにしました。また、シーズン10第9話「あすなろの唄」（2011年12月14日放送）で、内村から中途半端な状態で捜査終了を命じられたときにも、面と向かって猛反発。その場は三浦（大谷亮介）にたしなめられたものの、結局上司の指示を無視して捜査を継続させました。自身の信念に従って行動する伊丹の男気は、サラリーマンの気持ちを代弁してくれている別の自分の姿なのかもしれません。今夜放送の『相棒シリーズ X DAY』でも、伊丹刑事の勇姿が見られるかも！？

2．特命係に燃やす並々ならぬ対抗心

最初は、捜査一課でライバル的な存在だった薫（寺脇康文）への個人的な対抗心が大きかったようで、特命係に事実上左遷された薫に対して、露骨に「特命係の亀山ぁ～」と絡み、もはや口癖になっていました。しかし、その後、自分たちを出し抜いて実績を上げ続ける特命係そのものを邪魔で仕方ない目の上のたんこぶと感じるようになった模様。時には、横から手柄をかっさらっていくことも。シーズン8第10話「特命係、西へ！」（2010年1月1日放送／2時間半スペシャル）では、「立ってるものは、特命係だって何だって使ってやる」と発言し、あくまで“自分たちが利用している”というスタンスを取っていますが、近年は事件解決のためなら一時的に協力することもやぶさかではないという微妙な関係になってきているようです。そんな感情の変化もあってか、最近では「特命係のご両人～」などと、嫌みなのか敬意なのか分からない独特な表現で特命係を呼んでいます。

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3．愛すべき不器用さの持ち主

肉体派の薫をコテンパンにするほど剣道が強いことが、シーズン5第7話「剣聖」（2006年11月22日放送）で描かれ、身体的にはなかなか器用なところがある伊丹。しかし、こと人間関係や処世術といったことに関してはさっぱりのようで、短気な性格も災いし、出世は遠のいているようです。シーズン7第8話「レベル4～前篇」（2008年12月10日放送）では、本部への愚痴を無線ですべて上司に聞かれるという要領の悪さを露呈しています。また、感情表現が下手というのも伊丹の特徴で、シーズン5第7話「剣聖」（2006年11月22日放送）では、恩師の事件の真相を解き明かしてくれた特命係に対して、無言で桐箱の高級メロンを置いていくという、ぶっきらぼうな謝意を示しています。そんな、格好をつけてもつけ切れない不器用さこそが、伊丹の魅力と言えるのかもしれません。

4．彼女いない歴が長い

シーズン1第8話「仮面の告白」（2002年11月27日放送）で、彼女がいないことを明言して以来、女性とはまったく縁がない模様。シーズン1第9話「人間消失」（2002年12月4日放送）で、美人講師のリサ（山本未來）目当てで英会話教室に通っていたり、シーズン2第5話「蜘蛛女の恋」（2003年11月12日放送）で、お見合いパーティーに参加したりと、それなりにアクションは起こしていましたが、成果は上がらなかったようです。仲間たちにもそこをイジられることもあり、シーズン5第11話 元日スペシャル「バベルの塔」（2007年1月1日放送／2時間半スペシャル）では、大晦日の仕事納めの中、正月休みはどうするのかと聞いた伊丹に、芹沢は「俺は彼女と」、三浦は「俺は家庭サービスだな」と答え、疎外感を与えられてしまい、さらに芹沢から「今年もまた一人正月ですか」、三浦から「一人で正月、一人でおせち、一人で初詣」と追い打ちまでかけられる始末。それに対して伊丹は、「事件起きろ、事件起きろ～」と神頼みする不謹慎な言葉を口にしたのでした。最近も、恋人との交際が順調に続いているらしい芹沢（山中崇史）を苦々しく見ている様子から察するに、女性と縁遠いのは相変わらずなのでしょう。

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5．コワモテとは裏腹に情が深い

自他共に認める強面で口も悪い伊丹ですが、仲間やライバルへの思い入れが人一倍強いことも特徴のひとつ。シーズン7第9話「レベル4～後篇・薫最後の事件」（2008年12月17日放送）で薫がサルウィンに旅立つ際には、憎まれ口を叩き、最後まで「とっとと行けよ、バカ野郎」と悪態を突きながらも、寂しさを振り払うように背中を向けて手を振る姿が印象的でした。また、シーズン12第1話「ビリーバー」（2013年10月16日放送／2時間スペシャル）で、三浦が怪我の後遺症から職を辞することになった際には、病院の廊下で一人、男泣きする姿も見せています。

6．ウワサをされると体がかゆくなる

どこかで誰かが自分の噂話をしていると、くしゃみが出るのではなく、なぜか体がかゆくなるという“特異体質”の持ち主。この体質が明らかになったのは、シーズン3第9話 新春スペシャル「潜入捜査」（2005年1月5日放送／2時間スペシャル）でのことでしたが、最近ではシーズン13第10話 元日スペシャル「ストレイシープ」（2015年1月1日放送／2時間半スペシャル）でも、その症状が出ていました。また、“特命係が近づいてきたことを事前に察知できる”という特殊能力を発現させることも。もしかしたら伊丹には、人知を超えたシックスセンスが備わっているのかも！？

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7．極端なほど世事に疎い

「先輩はノンプライベートですからね」と芹沢に言われるのほど、仕事にのめり込んでいる伊丹。そのせいか、世の中の流行りモノやトピックスを、ほとんどスルーしているようで、ベストセラー作家や有名なニュースキャスターなど、事件にかかわった著名人をまったく知らないこともしばしば。有名企業のトップの顔が分からず、三浦から「ニュース見ろよ」とたしなめられたことも。ただ、シーズン4第12話「緑の殺意」（2006年1月11日放送）では、元タレントの春菜（七瀬なつみ）の大ファンであったことが明かされているので、昔は人並みに芸能人などにも興味があった模様。今のように極端に世事に疎くなってしまったのは、仕事が忙しすぎるからかも！？

今夜から２週連続 相棒映画！
【第１弾】今夜９時 映画「相棒シリーズ X DAY」
【第２弾】来週4/19（日）よる９時 映画「相棒-劇場版III-」テレビ初放送！

『相棒』にまつわる知識や情報をテーマに沿ってお届け！
発信するのは、相棒フリークを自認するグループ“相棒ラボ”。
オフィシャルスタッフではないファンならではの愛ある切り口で作品の魅力をお伝えします！
この企画はこれで最後の予定ですが、好評につき最終回終了後も引き続き不定期で続けるかもしれません。
今後ともよろしくお願いします。

【第6回】
確認しておきたい！甲斐享の7の設定！（上級編）

このあと今夜８時からの相棒 最終回で卒業してしまう甲斐享！
その彼の7つの設定を前回の初級編に続いて、今回は上級編としてご紹介します。知る人ぞ知る細かい設定から、甲斐享というキャラクターを改めてディープにひも解きます！

先週公開した“初級編”はコチラ！
【第4回】今さら聞けない！甲斐享の7の設定！（初級編）

1．同じ特命係でも立場に違いがある！

カイトこと甲斐享（成宮寛貴）は大学卒業後、警視庁に採用され、組織下にある所轄・中根警察署の交番に勤務していました。その後、同署刑事課捜査一係の刑事になりますが、その矢先、香港で右京に出会ってしまったがために、右京から指名される形で本人の意に反して特命係に異動してしまいます。そんなわけで、カイトは東京都の警察本部である警視庁に所属している地方公務員という立場になります。一方、右京（水谷豊）は東京大学法学部を卒業後、キャリアとして警察庁に入庁。イギリス・スコットランドヤードでの研修を経て、警視庁刑事部捜査二課に配属（出向）になり、その後、警視庁内に設けられた閑職・特命係に追いやられました。したがって、右京は元々警察を統括している政府機関である警察庁に採用されているので国家公務員。同じ特命係でも、カイトと右京では、実は立場に違いがあるのです。

2．親のコネを使わず警察官に！

大学在学中、一度は就職活動をして一般企業の内定を取ったカイトですが、「刑事になりたい」という幼い頃からのあこがれが捨て切れず、内定を辞退したようです。その後、警視庁の採用試験を受けて合格。このころ峯秋は地方の県警本部長を歴任するなど、すでに警察組織の中で要職にありましたが、カイトは父のコネを使うつもりは毛頭なく、自らの力で採用にこぎつけたという自負を持っています。また、交番勤務から刑事になったのも、父の立場とは全く関係がない本人の実力。ゆえに、コネで出世したと思われることが何より我慢ならないようです。

3．母と兄は海外在住！

シーズン11第18話「BIRTHDAY」（2013年3月13日放送）でセリフとして出てきただけですが、カイトには海外に住む母と兄がいるようです。また、兄は峯秋に従順で学力も高く、父の希望通り東大を卒業し、エリート街道を歩んでいるようです。

4．実は絶対音感の持ち主！

初登場となったシーズン11第1話「聖域」（2012年10月10日放送／2時間スペシャル）で、香港にある日本総領事公邸で起きた発砲事件に巻き込まれたカイト。その事件を右京と共に捜査中、新たに2人の関係者が死亡する発砲事件が起きます。その時、2発の連続した銃声を聞いたカイトは、使われた2つの銃のどちらが先に発射されたかを絶対音感によって判別し、事件解決に繋がる活躍を見せます。カイトのその能力は、幼い頃に英才教育の一環としてピアノを習わされていたことによるもののようで、同エピソードで「子供の頃、無理やりピアノやらされてたんで」と自ら語っています。

5．所轄時代の上司が証拠ねつ造！

特命係に異動になる直前、中根署の捜査一係に在籍していたカイト。その時の上司が、捜査一係の係長だった堀江邦之（山口良一）でした。カイトは、堀江のことを、「自分を刑事にしてくれた恩人」と語っていて、誰よりも信頼している相手だったようです。しかし、シーズン13第5話「最期の告白」（2014年11月12日放送）で、彼の証拠ねつ造行為が明らかになります。その結果、強盗殺人事件の取り調べにおいて、冤罪を作ってしまったのです。自らの手で恩師の過去の過ちを暴いてしまったカイトは、やり切れない思いにかられますが、最後に堀江からかけられた「特命係のおかげで重荷が取れた」という言葉に救われたのかもしれません。

6．シーズン13で大人の刑事にイメチェン！

シーズン11の初登場から、シーズン12のラストまでは、前髪を下ろしていたカイトですが、シーズン13のスタート時には、前髪を横に流したヘアスタイルにイメージチェンジ！　若々しさが前面に出たフレッシュな印象から、大人の男の洗練されたスマートさを感じさせるヘアスタイルになりました。その間、カイトにどんな心境の変化があったのか、本人のみぞ知るといったところでしょうか。

7．息抜きにはコーラが欠かせない！

『相棒』シリーズに登場する飲み物といえば、右京さんが愛してやまない「紅茶」や隣の課長がパンダカップを持って飲みに来る「コーヒー」が定番ですが、実は歴代相棒にもそれぞれ愛飲している飲み物が。初代・亀山薫（寺脇康文）はコーヒー、二代目・神戸尊（及川光博）は炭酸水。そして三代目のカイトは、どうやらコーラが好きなようで、配属直後は特命係の部屋で飲んでいる姿が何度か描かれています。

今夜このあと８時から甲斐享卒業の最終回！

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まずは残りわずかとなった今シーズン限定の短期連載企画として始動します！

【第4回】
今さら聞けない！甲斐享の7の設定！（初級編）

三代目相棒として2012年秋スタートのシーズン11から加入し、3年に亘って活躍してきた成宮寛貴演じる甲斐享。今回のシーズン13最終回（3月18日（水）よる8時放送予定）での卒業が発表され、ますます目が離せない彼の魅力を改めて確認するべく、ここで基本設定をおさらいします！ そのバックボーンをしっかりおさえつつ、甲斐享最後の雄姿にご注目ください！

1．あだ名は“カイト”

所轄にいた頃から、甲斐享（かい・とおる）という名前を縮めた「カイト」というあだ名で呼ばれていました。特命係に来てすぐ、右京からあだ名の由来を問われ、そのやり取りがあった後は、右京も「カイトくん」と呼ぶようになりました。ちなみに、右京は歴代相棒である亀山薫（寺脇康文）と神戸尊（及川光博）を、それぞれ「亀山くん」「神戸くん」と“くん付け”で呼んでいました。逆に享は「杉下さん」と呼んでいます。今シーズンの最終回で「右京さん」と呼ぶことがあるのでしょうか？ また、捜査一課の伊丹（川原和久）と芹沢（山中崇史）も基本的には「カイト」と呼んでいますが、伊丹は時折、嫌味で「お坊っちゃま」あるいは右京とセットにして「特命係のご両人」と呼ぶこともあります。さらに、享を含め歴代3人の相棒の名前は、「か」で始まって「る」で終わるという法則があることをご存じでしょうか？ シーズン11第2話「オークション」（2012年10月17日放送）では、角田課長（山西惇）が、これは自分が見つけた法則だと主張しています。薫の前にいた6人がそうであったかは不明。

2．右京との出会いは香港のバスの中

右京（水谷豊）と享が出会ったのは、香港の二階建てバスの車内でした。右京はそれより1週間前のロンドン便の機内でキャビンアテンダント（以下CA）から飲み物を零されるという粗相を受けています。その粗相をしてしまったCAこそが悦子であり、香港の二階建てバスで享と一緒にいた彼女と偶然乗り合わせ、それに気づいた右京が唐突に声を掛けたのが、右京と享の最初の邂逅となりました。この一部始終は、シーズン11第1話「聖域」（2012年10月10日放送／2時間超スペシャル）で描かれています。

3．警察庁次長の父親と仲が悪い

父親であり警察官僚の甲斐峯秋（石坂浩二）は、「東大以外、大学ではない」という偏ったエリート意識を持つ人物です。享（成宮寛貴）は、そんな父親への反発心があった上、東大に受からなかったため私大に進学しました。それが原因で愛想を尽かされたのか、以降はお互い口もきかない、干渉もしないという冷めた関係に。ただ、最近は双方が歩み寄る姿勢を見せており、親子関係は徐々に修復されつつあるようです。

4．刑事になりたくて警察官になった

享があえて父と同じ警察組織を目指した理由は、シーズン12第5話「エントリーシート」（2013年11月13日放送）で語られています。享は右京との会話の中で、「（自分と関係がよくない）親父が（警察組織に）いるからって、自分が本当にやりたいこと諦めるなんて、癪じゃないすか」と語っていて、父親が同じ警察組織にいるからといってなりたいものを諦めたくなかったというのが本音のようです。

5．刑事になった途端、特命係に異動

享は大学卒業後、警視庁に採用され、刑事になること目指しながら制服警察官として交番に勤務していました。そんな中、父のコネを使うことなく署長推薦をもらって選抜試験を受け、晴れて中根署捜査一係の刑事となりました。しかし、その途端、右京に引き抜かれる形で所轄署から警視庁本部の特命係に異動させられてしまいます。ちなみに、この異動には享に警察を辞めてほしいと考えている父・峯秋の意向もかかわっており、「人材の墓場」と噂される右京に預けておけば、ほどなくして自分から辞めてくれるだろうと計算していたようです。

6．やんちゃしていた時代がある

登場回のシーズン11第1話「聖域」（2012年10月10日放送／2時間超スペシャル）にあったように、時に力任せで無鉄砲な行動に出ることもある享ですが、警察官になる前、思春期や学生時代は「やんちゃしていたことがある」と自らほのめかしています。しかし、どんなやんちゃをどれくらいの度合でしていたのか、具体的なことは語ろうとしません。

7．CAの恋人と半同棲中

初登場のときから享には、いつも傍で支えている恋人がいます。日本国際航空（NIA）CAの笛吹悦子（真飛聖）です。シーズン11第10話「猛き祈り」（2012月12年19日放送）でわかったこととして、二人の出会いは渋谷の合コンでした。その日のうちに享が悦子を家まで送っていったことから、交際に発展したそうです。今では合鍵を使って、悦子の部屋に自由に出入りすることが許されていて、半同棲のような状態に。忙しく海外を飛び回っている悦子のために、享が料理をふるまうことも少なくありません。

＜※一部修正＞

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【第3回】
杉下右京こだわりの10のファッションアイテム！

杉下右京の特徴を上げると枚挙にいとまがありませんが、今回は右京のファッションやスタイルに絞って特集！ 見る人が見れば分かる！ 頭の先から足元まで、右京こだわりのオシャレポイントをまとめてみました。

1．髪型は常にオールバック

相棒シリーズ開始当初から、右京（水谷豊）の髪型はいつもオールバック。全力疾走しようが、犯人と乱闘になろうが、乱れることはほとんどない。シーズン1第10話「最後の灯り」（2002年12月11日放送）で、吹きさらしの海岸で気絶から目を覚ましたときも髪はしっかりとオールバックを保っていた。さらに、『相棒-劇場版-」（2008年5月1日公開）のクライマックスでは、犯人のアジトで起きた大爆発から逃れるため、地下水の溜まった穴に飛び込んだが、そこからはい上がってきても右京スタイルは健在。

2．スーツはブリティッシュスタイル

スーツのスタイルは、シルエットやディテールなどによって、イタリアン、アメリカン、フレンチなどに分けられるが、右京はスタンダードなブリティッシュスタイルを貫いている。プレシーズン第1話では、3つボタンや2つボタンに、スリーピース（ジャケット、ベスト、スラックスの3つからなるスーツ）もあったが、現在は、3つボタン、サイドベンツ（ジャケットの両端に切れ目が入ったもの）、ボックスシルエット（ウエストがくびれていない角張った輪郭のもの）のスーツに統一されている。ちなみに、シーズン11第2話「オークション」（2012年10月17日放送）では、そのスタイルを見たオークショニア（オークションの司会者）から「英国風紳士」と呼ばれたことがある。『相棒-劇場版III-』（2014年4月26日公開）では、八丈島近くの絶海の孤島の密林地帯に捜査で乗り込んだときでさえ、きっちりとスーツを着ていた。また、スーツ自体がエピソードのキーポイントになったことも。シーズン9第14話「右京のスーツ」（2011年2月2日放送）では、「背広」の語源になったと言われる、「サヴィル・ロウ（Savile Row）」というロンドンにある高級紳士服の仕立て屋が並ぶ通りで、右京も実際に仕立ててもらったことがあると語っていた。逆に、スーツ以外の服装はレアで、プレシーズン第3話「大学病院助教授墜落殺人事件！日付の違う乗車券の謎と、死体が語る美人外科医の秘密」（2001年11月10日／2時間スペシャル）では盲腸で入院し、パジャマ姿に。シーズン1第11話「右京撃たれる 特命係15年目の真実」（2002年12月18日放送）と第12話「午後9時30分の復讐 特命係、最後の事件」（2002年12月25日放送／2時間スペシャル）でも、撃たれて入院を余儀なくされ、パジャマ姿になっている。このほか、シーズン2第17話「同時多発誘拐 消えた16人の子供達」（2004年2月18日放送）では、誘拐事件の捜査のためシロアリ駆除業者に扮装。シーズン3第9話「潜入捜査」（2005年1月5日放送／2時間スペシャル）では、潜入捜査で警備員の制服姿に。さらに、シーズン12第3話「原因菌」（2013年10月30日放送）では、聞き込みで食品加工会社を訪れた際、スーツの上に白衣をはおった姿を見せている。

3．どんな場所でもネクタイ着用

薫（寺脇康文）、尊（及川光博）、享（成宮寛貴）と、歴代の相棒はみな、捜査中にネクタイをすることはほとんどなかったが、右京は対照的にどんな場所でもきっちりネクタイを着用。結び方は「プレーンノット」というスタイルで、必ずディンプル（えくぼ）があるのが特徴。



柄はチェック、ストライプ、動物柄などを好む。なお、ストライプの場合、向かって右上がりのヨーロッパ式（イギリス式）のものしか持っていない。また、動物柄では、犬が多いが、タツノオトシゴという変わり柄を着用したことも。



ちなみに、シーズン2第15話「雪原の殺意」（2004年2月4日放送）と、シーズン11第4話「バーター」（2012年10月31日放送）では、いつでもどこでもネクタイ着用というファッションスタイルが功を奏して(!?)ネクタイが止血の応急処置に役立ったこともあった。

4．シャツのこだわり

襟の形はネクタイに合わせてレギュラーかセミレギュラータイプのものを好んで着ている。また、色つきや柄ものを着ることがほとんどで、白の無地のシャツは冠婚葬祭のとき以外、着ていないようだ。

5．こだわりのポケットチーフ

スーツの胸ポケットには、必ずスタイリッシュなポケットチーフが。たたみ方には数種類あるが、右京の場合、基本的にフォーマルにもカジュアルにも使える「パフド」というスタイルで決めている模様。ただ、シリーズの原点であるプレシーズン第1話「刑事が警官を殺した？赤いドレスの女に誘惑され…死体に残る“4－3”の謎とは？」（2000年6月3日放送／2時間スペシャル）では、「トライアングル」と呼ばれる、よりスタンダードなたたみ方をしたチーフをのぞかせていた。また、シーズン初期のころにはシンプルな「スクエア」のたたみ方も見られる。

6．ベルトではなくサスペンダーを愛用

特命係の部屋では、ジャケットを脱いでいることが多い右京。そこで存在感を発揮するのが、ブリティッシュスタイルの特徴的ディテールのひとつであるサスペンダー。右京が愛用しているのは、Y型と呼ばれている、背中のバンド部分が文字通りYに見えるもの。一本のバンドが背中の途中で二本に枝分かれし、それを左右の肩から前に回すという形状。なお、プレシーズンではクリップ止めのサスペンダーを着用しているが、シーズン1からは、よりクラシカルなループにボタン止めのものを愛用している。ちなみに、シーズン13第5話「最期の告白」（2014年11月12日放送）では、享（成宮寛貴）と共に留置場に入れられた際、ネクタイもサスペンダーも取り上げられ、上はYシャツのみという右京らしくない姿を見せていたが、シャツのボタンはきっちり上まで止めていた。

7．足元は高級革靴

「オシャレは足元から」の格言通り、右京も靴には並々ならないこだわりを持っている様子。基本的には、レースアップ（紐靴）のストレートチップ（つま先の部分に横一線の縫い目がある革靴）を履いている。色はスーツに合わせて黒か茶系。イギリスらしいラウンドトゥ（丸みのあるつま先の靴）のものを好んでいる。また、イギリスの高級ブランド・イーニアス（劇中のブランド）の靴は、ずっとほしいと思っていたらしい。シーズン11第17話「ビリー」（2013年2月27日放送）では、そのメーカーの靴が、事件解決の重要な手掛かりに。ちなみに、この回のラストでは、特命係の部屋に宅配便が届き、右京がイーニアス製の高級革靴をうれしそうに眺めるというシーンが描かれている。

8．腕時計は機械式

腕時計は機械式時計を愛用。シーズン12第6話「右京の腕時計」（2013年11月20日放送）では、右京の機械式腕時計が狂ってしまい、いつも診てもらっているという公認高級時計師（Certified Master Watchmaker）津田陽一（篠田三郎）に修理を依頼していた。ただし、いつも同じ時計を着用しているわけではなく、日によって別のものに変えている模様。ちなみにスクエアフェイスの比較的ユニセックスに近いものを愛用している。

9．銀フレーム眼鏡は必需品

銀フレームの眼鏡は右京の必需品のひとつ。『相棒-劇場版III-』では、杖をついた事件関係者・神室司（伊原剛志）に「あなたにとってメガネが手放せないように、私にとって杖は欠かせないもの」と言われている。ちなみに、シーズン1第10話「最後の灯り」と『相棒-劇場版-』（2008年5月1日公開）の過去2回、レンズが割れてしまったことがある。

10．たまにハットを着用

海外旅行中は、ハット（ソフト帽）をかぶることが多く、シーズン2第1話「ロンドンからの帰還 ベラドンナの赤い罠」（2003年10月8日放送）のイギリス滞在シーンや、シーズン11第11話「アリス」（2013年1月1日放送／2時間30分スペシャル）のイギリスでの回想シーンでは、ずっとハットを着用していた。また、国内でもまれにかぶることがあり、シーズン7第19話「特命」（2009年3月18日放送／2時間スペシャル）では、“聖書を配る牧師”に扮装するため、黒いハットをかぶって捜査していた。さらに、シーズン12第18話「待ちぼうけ」（2014年3月12話放送）では、遠方の駅舎をはじめ捜査中には珍しく、ずっとかぶっていた。なお、かぶっていないときは特命係のコート掛けに掛けられているが、今シーズンの第19話最終回スペシャル（2015年3月18日よる8時 放送予定）でそれを手に取ることがあるかもしれない。