先週のNHKマイルCは「馬場が軽いぞ、短距離実績馬が来るぞ」と予想して、1着から4着まで全部1400メートル勝ち馬でした。

いやあ、鋭い。

ちなみに印は△△△◯です。4着タイセイビジョンが3着とハナ差。

そのハナ差がかわっていれば3連複（75.2倍）はあったのですが。

本命？　ええ、1200メートルしか勝ったことがないニシノストームでした。ビリでした。やりすぎた。

 

1番人気で外すより、17番人気で外せ。これは信条の問題です。

先週振り回したのも、今週があったからです。

日曜の東京競馬場ヴィクトリアマイル。4歳以上牝馬による芝マイルＧ1です。

本命アーモンドアイ。現役最強。1番人気。口上不要。

 

アーモンドアイは競馬ファンの認知度100％の馬です。みんなが強いことを知っています。

その上で、休み明けが心配――ドバイ（アラブ首長国連邦）に遠征した影響（ドバイのレースはコロナウイルス感染拡大防止のため施行直前で中止）が心配――前走有馬記念大敗でもう5歳になった牝馬だから心配――と、割り引く理由も事欠かないのですが、大丈夫でしょう。

前日の土曜日が雨予報で、めちゃくちゃ軽い馬場にはならないし、メンバー的にもNHKマイルCほど短距離実績向きになる要素がありません。

 

今回は対抗（2番手）がどの馬かが重要です。

馬券圏内（1～3着）のうち一席はアーモンドアイで埋まっていますから。

無観客開催が続く競馬。一部関係者を除いてレースをテレビで見ることになります。

そんな状況にふさわしい馬名がサウンドキアラ。対抗です。

キアラはキリスト教カトリックの聖人。「アッシジのキアラ」が由来。

このお方、体調が悪く出席できなかったミサを、遠く離れた自室で見た――という逸話があります。

その逸話から、テレビの守護者、電話の守護者となりました。

テレビ（Television）、電話（Telephone）、そうですTele―を守護しますから、テレワーク（Telework）最前線のいま、彼女が来なくてどうしますか！

 

なおキアラは昨年のヴィクトリアマイルで7着でした。非常に軽くてタイムが速い馬場で、8枠⑰番というゲート順も大きなロス。内を通った馬が上位を占めたのでゲート順も時計も彼女には遠かった。

 

今年は違います。去年よりタイムが遅い馬場が想定されて、8枠⑱番という昨年より一つ外のゲート順でも、昨年のように流れに乗れないまま後方という公算は随分小さくなっています。

キアラはTele―の守護者ですから遠くからでも有利なコースを手に取るように…というのは馬名にかけた方便で、多少競馬記者っぽく言うと、昨年よりも、低速から中速にギアを上げる時のピッチの上げ方がうまくなっているので、位置取りが上手になりました。

 

あとは「アッシジのキアラ」がアーモンド・シェイプト・アイズだったら完璧なのですが、肖像画では細面のナローアイズに表現されているものが多いですね。

 

3連単⑫→⑱→全、⑫→全→⑱。1頭取り消して17頭立てなので、30点です。

 

text：仙波広雄＠大阪スポーツニッポン新聞社競馬担当／【logirl】でアーカイブ公開中『美味しい競馬』ＭＣ