先週の秋華賞ではデアリングタクトが見事に日本競馬史上初の無敗牝馬3冠を達成しました。日曜（10月25日）京都11Ｒ菊花賞では『コントレイル』がシンボリルドルフ、ディープインパクトに次ぐ無敗3冠に挑みます。今回はYouTube（logirl 【テレ朝動画公式】YouTube）の「美味しい競馬#11」との並行公開。牡牝の無敗3冠チャレンジはこの先、そうそうあるとも思えないので、存分に楽しんでまいりましょう。

個人的には、阪神1600メートル、東京2400メートルを勝って京都2000メートルに臨む牝馬より、中山2000メートル、東京2400メートルから京都3000メートルに臨む牡馬の方が3冠の難易度は高いと思います。
菊花賞はほぼ道中でペースが緩むので、折り合いとギアチェンジ性能の高さ、緩急への強さと多岐にわたる能力が求められます。コントレイルは折り合い、ギアチェンジ性能、緩急への強さ、全てを兼ね備えていますが、それでも秋華賞のデアリングタクト（単勝1.4倍、単勝支持率57.1%）よりずっと単勝支持率が高くなりそうなのは得心がいきません。

これぞ人気は人の気、デアリングタクトが勝ったからコントレイルも…というムードが影響していることは間違いないでしょう。
筆者はデアリングタクト1.1～1.2倍、コントレイル1.3～1.4倍が適正かと見立てていました。
コントレイルが勝って、デアリングタクトとジャパンCなり有馬記念なりで無敗同士がぶつかるなら、これに勝るエンターテイメントはありませんが、想定よりコントレイルがずっと売れそうなので、今回は逆らって妙味を求めます。

◎⑥ヴェルトライゼンデ
折り合いに問題なし。
ギアチェンジ性能と緩急への強さは一流のディープインパクト産駒には譲りますが、そのぶんをコーナーワークのうまさで補えるタイプだと思います。内でジッとして、最終コーナーでコントレイルの機先を制する仕掛けを打つ。
何と言っても追う立場の強みが大きい。絶対に負けられない気持ちで臨むコントレイルに対し、乾坤一擲で勝負を懸けられる。兄が菊花賞馬ワールドプレミアという血統、このレースに2勝、2着2回と実績のある池江厩舎、決め打ちで乗るのが上手な池添騎手と、スナイプのバックグラウンドはこれ以上ありません。

むろん対抗は③コントレイルです。
本命にしなかったからと言って、含みはありません、勝てば大いに祝福しましょう。
デアリングタクトと共に新型コロナウィルス禍の渦中で競馬を盛り上げてくれ、既に名馬中の名馬です。気の早い話ですが、種牡馬としての成功も間違いないように思います。いまこの時は、あえてギャンブルとしての楽しみを優先させます。

馬券は3連単フォーメーション
<1着>⑥→ <2着・3着>③ ＝ <2着・3着>②④⑤⑧⑨⑪⑫⑭⑮
18点。

あと単勝⑥。

text：仙波広雄＠大阪スポーツニッポン新聞社 競馬担当／【logirl】でアーカイブ公開中『美味しい競馬』ＭＣ