推しがカブった!? ケンカした母とK-POPで仲直り「林 美桜のK-POP沼ガール」第1回
林美桜(はやし・みおう)、29歳、テレビ朝日入社7年目のアナウンサー。
K-POPオタク歴13年目。
文章を書くことになりました。
きっかけは、Instagramに載せた昨年の韓国ひとり旅行記。あるスタッフが見つけてくれました。ありがたいです。
Instagram:miou0hayashi
高校時代、運命を変えたK-POPとの出会い
さて、まず簡単に私とK-POPの出会いに触れたいと思います。
高校時代、当時バレリーナになりたいと本気で思っていた私は、練習中に転んで膝の靭帯を切りました。
今のところまだ更新されていない一番の挫折です。
ただがむしゃらに、頭が熱くぼうっとするぐらい一生懸命走っていたのに、立ち止まってみるとそれが一気に冷めて冴え渡り、まわりがよく見えるようになりました。
「自分はプロになれるほどうまくなかったんじゃないか」ということまでしっかり気づいてしまったのです。
そのときからお先真っ暗、絶望的な「暇人」になった私は、学校から家まで3時間以上かけて歩いて帰ってみたり、誰にあげるでもないクッキーを大量に焼いてみたり、大きなねり消しをこねたりしていました(思春期って怖い)。
そんなある日、某雑誌『JUNON』の切り抜きを学校へ隠し持ってきては、占い師のようにジュノンボーイのファイナリストを当てる大親友が、突然「YouTubeで『SUPER JUNIOR(*1)』を見ろ」と、確信に満ちた目で私に訴えてきたんです。
当時、YouTubeはそこまで普及していなかったんじゃないかなと思うんですが、どうでしょう。初めて意思を持って調べたと思います。
そして……
この瞬間が私のK-POP人生の始まり。
ただ……!
ハマったのは、SUPER JUNIORではなかった。
その関連で出てきた
「2PM(*2)」。
またそれも、MVとかじゃない。
ニックンとウヨンがわちゃわちゃ仲よくしてるやつ!!
ズンと、いや……ズゥゥウンとものすごい引力に吸い込まれた私は、何度も何度も取り憑かれたかのように同じ動画を見続け、関連動画を漁り続けました。
何がそんなに私をそうさせたんでしょうね……。
歌とパフォーマンスの完成度が高いこと、目標に向かってひたむきで力強いところ、内面からにじみ出る美しさ、初めて目にするコンセプト、チラチラ垣間見られる韓国の文化が目新しかったからでしょうか。
まあ、説明できるわけがないですよね。好きになっちゃったんだから!
恋と同じ!!(知らないけど)
提供:(株)ソニー・ミュージックレーベルズ
そんなこんなで次の日にはお年玉を携えてCDショップに走り、
『2PM 1st Concert in SEOUL “DON’T STOP CAN’T STOP”』を買い、
カモシカのような軽やかな足取りで家に帰り、
嫌がる母をソファに座らせ、DVDを鑑賞しました。
私の推しはニックンに(いろいろ経て今は箱推し)、
母の推しはジュノに決まりました。
私の感情は、そのときにはもう、初恋のときめきは落ち着いて、揺るぎない「好き」に変わっていました。
ここからは早かったですねぇ……。
気がついたら、『2PM ARENA TOUR 2011 “REPUBLIC OF 2PM”』(三重県)にいました。
その後、MBLAQ(*3)、TEENTOP(*4)、INFINITE(*5)……と続くわけなんです(長くなるのでまた今度)。
K-POP沼にハマったあの瞬間の心臓の動き、今でも思い出せます。ブワッと温かい幸せだけが巡る感じ。当時、自分の力だけではどうしても満たせなかった心をいっぱいにしてくれたK-POPは、本当に心の支えでした。
そして、それは今も変わらないですね。推し活は私の血液。
大ゲンカした母と「推し」きっかけで仲直り
あ、先ほどチラッと登場した母。
昨年、大ゲンカをして約3カ月口を聞かなかった時期があったんですが、その間に、私は新しい推しを見つけ、ファンクラブに入ったんです。
そのファンクラブから初めての会報が届き、ワクワクして見てみたら、なんと宛先が母の名前。
もちろん話してないし、リビングのテレビで推しも観られないくらい激しいバトルを繰り広げていたはずなのに……
そう、推しがカブっていたのです。
なぜ。親子って不思議ですね。
仲直りのきっかけにはなりました。
母も無事(?)競ったら私が負けるかもしれないくらいのK-POPオタクに成長しています。
長くなってしまいましたが(まだ書き足りてないのが怖い)、第1回はこれくらいに……してほしいですよね。どう考えても長い。これからが不安。
自分勝手な文章ですが、みなさまどうか温かい目で、じっくりではなく薄目で見ていただければうれしいです。
林美桜のチョアチョア♡メモ
*1/SUPER JUNIOR=2005年にデビューした、日本でも絶大な人気を誇る韓国のボーイズグループ。ユニットや個人でも、歌手、タレント、モデルなど幅広いジャンルで活動している。スジュを見るとなぜか安心する……心の拠りどころ。スジュがユニークだからかファンもユニークで明るい(私調べ)
*2/2PM=2008年にデビューした、韓国の男性ダンス&ボーイズグループ。K-POP界最強の「野獣アイドル」という肩書のとおり、たくましい筋肉と躍動感あふれるパフォーマンスが魅力。直感的に「デッサンしたい」と思った人たちの集まり。筋肉が美しい
*3/MBLAQ=韓国のソロ歌手RAIN(ピ)が手がけた男性アイドルグループ。デビュー前から話題を集め、2009年から活動開始。現在は活動できていない状態が続いている。推し始めてから日本のイベントはほぼすべて……韓国にも行ったなぁ。大好きなグループでした。ダークでちょっとやんちゃな感じなのに、どこか儚い雰囲気もあってたまらなかったんですよね。また今度詳しく書きます
*4/TEENTOP=神話のアンディが発掘した全員10代の最年少ボーイズグループとして2010年にデビュー。今年4月に、3年ぶりのカムバックを準備中だと予告した。全曲名曲。昔の曲を今聴いてもおしゃれなんだからすごい! 個性的な歌声のメンバーが集まっていて、中毒性がある、ほかとはひと味違うハーモニー
*5/INFINITE=2010年にデビューした韓国のボーイズグループ。「シンクロ率99.9%」の一糸乱れぬ完璧なダンスでファンを魅了する実力派『INFINITE 私のお兄さん』というバラエティでガッチリ心つかまれました。ジエちゃんになった自分をもう数えきれないほど妄想しました。あと『PEAK TIME』のソンギュさん、優しい頼もしいリーダー感がにじみ出ていてほっこりでした
文=林 美桜 編集=高橋千里