“本当に怖がりながら逃げた”『逃走中』ヒロイン・田鍋梨々花
#18 田鍋梨々花(後編)
旬まっ盛りな女優やタレントにアプローチする連載「focus on!ネクストガール」。
田鍋梨々花(たなべ・りりか)。2016年「ミスセブンティーン2016」でグランプリを受賞。『Seventeen』専属モデルとして活動を始めたのち、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- THE THIRD SEASON』(2017年/フジテレビ)で女優デビュー。その後も『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(2023年/日本テレビ)、『マイストロベリーフィルム』(2024年/MBS)等のドラマに出演。映画『逃走中 THE MOVIE:TOKYO MISSION』が7月19日に公開。
「前編」では、この世界に入るキッカケや、モデルや女優としての初仕事の思い出を話してくれた彼女。「後編」では、意外な回答が出てきた、この問いから……。
目標は、研ナオコさん
──田鍋さんが、目標にしている方はいますか?
田鍋 研ナオコさんが好きなんです。『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ)に出ていた研ナオコさんを好きになったのがきっかけで、今も研さんのYouTubeチャンネルを観たりしています。話し方とか、ファッション、メイク、自分のスタイルを持っているのがカッコいいなと思っています。
──自分を持っている人というところに憧れている?
田鍋 はい、カッコいいです! 私もああいうふうに歳を重ねていったら楽しいだろうなと思っています。メイクとかも、常に楽しんでいて。
──でも、研ナオコさんというのは、ちょっと意外でした。バラエティ的なことなんかにも興味はあったりします?
田鍋 見るのは楽しいです。
──コントをやってみたいな、まではない……。
田鍋 うーん……コントはとっても難しそうです。
──演技だと思えばやりやすいのかも。普通にバラエティのスタジオで話すより、もしかしたらコントのほうが台本があるぶん、女優さんとしてはやりやすいかも……。
田鍋 たしかに! そういう考え方もありますね(笑)。
──いつか、ぜひ。それと、何か好きな作品はあったりしますか? 映画でもドラマでも。
田鍋 何かひとつの作品というよりは……けっこういろいろと観るんですけど、人の愛憎入り乱れるようなギッタギタなやつが大好きです。ママ友の嫉妬とか、不倫とか、裏切ったり裏切られたり、人間の闇が見える瞬間のドラマが、私からすると“異世界”すぎて、おもしろいです。
──たとえば、どんな作品が好きなんですか?
田鍋 少し前の作品ですけど、『名前をなくした女神』(2011年/フジテレビ)とか、好きです。
──ああ、なるほど。きっと自分のまわりにはない世界だからこそ、おもしろいんですね。自分でもそういう役をやってみたいと思いますか?
田鍋 チャンスがあれば、いつかやってみたいです! 自分にとって異世界的なものが好きなんですよね。『逃走中』(フジテレビ)も、絶対に現実にはないし、そういう世界が好きなのかも。
“リアルに怖かった”何十体もの「ハンター」
──今ちょうど出てきましたが、映画『逃走中THE MOVIE:TOKYO MISSION』が公開されますよね。最初にお話を聞いたとき、どう思いましたか?
田鍋 最初は……『逃走中』の映画って何? どういうこと?っていう感じでした。
──そうですよね。僕も最初に聞いたときはびっくりしました(笑)。どういうストーリーで、田鍋さんは、どんな役を演じているんですか?
田鍋 『逃走中』に、弟と一緒に参加するんですけど……ゲーム自体が乗っ取られて、捕まったら死ぬというデスゲームに切り替わってしまうんです。私は弟思いのお姉ちゃんの役なのですが、ほかにもお金が欲しいとか、なにかしらの目的があって集まったいろいろな人たちの人間模様が繰り広げられます。
──弟を守りながら逃げるという……?
田鍋 そうですね。
──実際に走って逃げたりするシーンも多かったりしましたか?
田鍋 そうですね、「ハンター」(逃走者を確保するため追ってくるアンドロイド)も、実際に何十体もいたりするので、リアルに怖かったです。
──テレビで観ていた『逃走中』よりも、リアルに感じましたか?
田鍋 テレビで観ていると楽しそう!って思ってたんですけど、実際に追いかけられるとこんなに怖いんだという感じでした。
──撮影中に印象に残ったことや、思い出に残ったことはあります?
田鍋 ゲームが乗っ取られてからは、ハンターが「ワイルドハンター」という悪いハンターに変わるんです。地下駐車場へ降りていくシーンで、私のちょっとうしろにワイルドハンターが4人くらいいて、襲ってくるんです。全力で坂を下るんですけど、エキストラの方たちの悲鳴とか迫力がすごすぎて、その中に入って、うまく逃げられるかなって……本当に怖くて逃げたことが、すごく印象に残っています。
──弟役の子(川原瑛都)とは、撮影の合間に話したりしましたか?
田鍋 そうですね。撮影中はすごくしっかりしているんですけど、不意に垣間見える小学生らしさがかわいくて、そのギャップにみんなやられていました。
──田鍋さんが思う、映画の見どころはどのあたりでしょうか?
田鍋 人間模様はもちろんなのですが、テレビの『逃走中』によく出演されている方や、ガチャピンなんかも出てくるんです。あと、ちょっと笑えるようなシーンもあって……もちろん感動もあります。たくさんの要素が詰まっているところが見どころだと思います。
──幅が広いんですね。
田鍋 はい。
──印象に残っている方はいますか?
田鍋 キャラクターですね! (出世大名)家康くんとか、ぐんまちゃん、ご当地キャラクターがかわいかったです。
──ゆるキャラは、ゆるキャラのまま登場するんですね。
田鍋 はい、そうです。ゆるキャラのまま(笑)。
──撮影の合間に、ゆるキャラと絡んだりしました?
田鍋 はい! 楽しかったです。
──ご自分が演じたシーンで、ここを観てほしいというポイントはありますか?
田鍋 ただ逃げているだけじゃない、みんなの勇敢な姿を観てほしいです。ラストに向かってみんなのスイッチが入る瞬間があるので、そこは特に見どころだと思います。
プライベートでは“食”を軸に
──田鍋さんが今後やってみたい役柄はありますか?
田鍋 いろいろな職業に触れてみたいですね。警察官とか受付係とか……今までは学生の役が多かったので。コンビニ店員なんかもやってみたいです。
──今思う、具体的にやってみたい職業はありますか?
田鍋 そうですね、オフィスで名札をつけて働く役とか、スーパーのレジ打ちもやってみたいです。
──ドロドロもありそうですよね、スーパーとか(笑)。……話は変わりますが、最近ハマっているものはありますか?
田鍋 最近は、薬膳が好きです。マーラータンとか火鍋とか、薬膳系の味が大好きなんです。辛いのが大好きすぎて、毎日食べていた時期もあったんですけど少し控えてて……ただ、最近またちょっとずつ食べ始めたら、今またハマってしまっています(笑)。やっぱり薬膳が好きですね。
──中でも、この具が好きとかあります?
田鍋 キクラゲですね! あと、薬膳は体にいいと思いつつ……ご飯、お米も大好きで。
──なるほど。薬膳以外で好きな食べ物はありますか?
田鍋 生牡蠣やパクチー、大葉など、けっこう癖が強いものが好きですね。
──お店を自分で探したりはします?
田鍋 夜寝る前にGoogleマップでお店を見て、食べたいメニューを決めて……というのをよくやるんですよ。でも結局、行ったりはしないんですけど(笑)。
──(笑)。自分で行くお店以外で……たとえば、撮影の合間に出てくるご飯の中で好きなものはあったりしますか?
田鍋 のり弁が大好きです! 唐揚げ弁当なんかも好きなんですけど、のり弁だけでいけちゃいます。おかずもなしで、のりと醤油だけで、何杯でもご飯が進みます。
──それにしても、ご飯(米)ばかり食べていても太らないんですか?
田鍋 太らないわけではないんですけど、気持ちの問題だな、と。太らないと念じて食べています(笑)。
──なるほど、気持ちなんですね。今後やってみたいことはあります?
田鍋 いつか気球に乗ってみたいです。それと最近では、ぬか床を作って、ぬか漬けを自分で作ってみたいと思っています。常に家にぬか漬けがあると幸せだな~と思って。
──ぬか漬け! 食に関することが多いですね。
田鍋 はい、食を軸に生きています!
──気球には、なぜ……?
田鍋 気球から見える景色はきっとキレイなんだろうな、感動するだろうな~、と。そこでしか味わえない何かが生まれそうな気がします。
──空を飛びたいというわけではなく、気球に乗りたいんですね。
田鍋 はい、気球に乗りたいんです。
──逆にぬか漬けのほうが、ハードルが高そうですね。あと、ドラマ以外の仕事でやってみたいことはありますか?
田鍋 わんこそばチャレンジとかやってみたい! プライベートでわんこそばを食べても苦しくなるだけな気がするけど、撮影を通してなら、楽しみながら挑戦できそう。
──わんこそばは、何杯くらい食べられそうですか?
田鍋 女性の平均がどれくらいなのかわからないのですが、100杯を目指します。
──ぜひ、いつかチャレンジを。ちなみに食リポの仕事はやったことあります?
田鍋 ほとんどないです。
──やってみたら、うまくできそうな気がします?
田鍋 え~、できないと思います(笑)。私、真剣に食べちゃうので。
──食に関するドラマなんかもいいですよね。
田鍋 たしかに! お寿司屋さんとか。でも、これって食べたいだけですね(笑)!
取材・文=鈴木さちひろ 撮影=時永大吾 編集=中野 潤
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田鍋梨々花(たなべ・りりか)
2003年12月24日生まれ。千葉県出身。2016年「ミスセブンティーン2016」でグランプリを受賞。『Seventeen』専属モデルとして活動を始めたのち、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- THE THIRD SEASON』(2017年/フジテレビ)で女優デビュー。その後も『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(2023年/日本テレビ)、『マイストロベリーフィルム』(2024年/MBS)、『くるり~誰が私と恋をした?~』(2024年/TBS)等のドラマに出演。映画『逃走中 THE MOVIE:TOKYO MISSION』が7月19日に公開。