女優・中田青渚「役を通しての経験や新しい自分にワクワクする」
#8 中田青渚(後編)
“今後輝いていくであろう女優やタレント”を独自にピックアップする連載「focus on!ネクストガール」。
中田青渚(なかた・せいな)。『第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014』でグランプリを受賞。ドラマ『ラーメン大好き小泉さん2016新春SP』(フジテレビ/2016年)で女優デビューを果たし、その後、ドラマ『中学聖日記』(TBS/2018年)、映画『君が世界のはじまり』(2020年)『街の上で』(2021年)をはじめ、数多くの作品へ出演を重ねる。主人公の友人役を演じている映画『うみべの女の子』(2021年)が、現在公開中。後編も『うみべの女の子』を中心に、最近の作品について聞いていく。
「focus on!ネクストガール」
今まさに旬な方はもちろん、さらに今後輝いていく「ネクストガール」(女優、タレント、アーティスト等)を紹介していく、インタビュー連載。
配役の再現度に驚いた映画『うみべの女の子』
──現場に入って、最初のころは緊張していると思うんですけど、撮影のどのあたりから自然に入れるようになりますか?
中田 作品にもよりますね。最近だと『君が世界のはじまり』とかは、けっこうエネルギーのある役だったし(松本穂香が演じる)縁との関係性もすごく重要で……ちょっと間違えると、縁との関係がもっと恋愛的に見えすぎちゃうとか、そういうものがあってすごく緊張しました。たぶん演じる上での緊張は、ずっとしてますね。
──『うみべの女の子』では、どうでしたか?
中田 私が演じる小林桂子が出ているところは、陰と陽だと「陽」の役割が大きいところだったので、ほかの作品と比べて緊張というのは少なかったかもしれないです。
──意外と構えずに入れたっていう……。
中田 そうですね。
──でき上がった作品を観てどうでしたか?
中田 すごくいいなあって……自分で言うのもあれなんですけど。原作のマンガも読んでいて。『うみべの女の子』の前に実写化した浅野いにおさんの作品『ソラニン』(2010年)もすごく好きだったので、そのぶん最初は、やっぱりいろんな声が出るんじゃないかなとか、不安はあったんですけど。(青木柚と石川瑠華が演じる)磯辺恵介と佐藤小梅が“まんま”というか……わー、すごいなあと思って。あのふたりありきで成り立った作品だと思います。
──マンガの、再現度がすごい。
中田 本当に、本当にすごいですよね。
──まんま再現しているなって思いました。撮影中に記憶に残っているエピソードは何かありますか?
中田 ひとり1台ずつ「写ルンです」が配られて、写真をずっとみんなで撮り合っていたんです。写真を通してのコミュニケーションをけっこうしていて……そういうの、初めてだったので、すごく印象的でした。
──普段、写真を撮ることはないんですか。
中田 普段はまったく撮らなくて。カメラも、iPhoneでも、撮ることが全然ないんですよ。
──でも、映画『写真甲子園 0.5秒の夏』(2017年)では写真部員の役を……。
中田 そうですよね(笑)。あのときはカメラを渡されて「撮れ」みたいな感じだったんで、ずっと撮っていたんですけど。そのとき以降、まったく撮っていませんでした。だから今回、楽しくて……。
──みんなで見せ合ったり?
中田 その場では見ることができないので、現像してもらってデータにして送ってもらって、ようやく見ることができるという。
──なるほど。そうか「写ルンです」ですよね。『うみべの女の子』では、ウエダアツシ監督から演じるにあたっての具体的な指示などありましたか?
中田 パーンと突き抜けたキャラでいてほしいというのは言われました。磯辺と小梅に引っ張られすぎちゃうと全部がちょっと暗い雰囲気になっちゃうし。桂子は、そんなのをあまり気にしないで、と。どちらかというとお笑い好きだったりとか(前田旺志郎が演じる)鹿島翔太との掛け合いをヒートアップさせるような演出が多かったです。
──あのあと鹿島とコンビを組んで……という話も出てきますけど、実生活ではお笑いを観たりします?
中田 そこまで観るほうではなくて……(笑)。
──話を伺っていると、そっちじゃないかもなあとは思っていたんですが(笑)。逆に、お笑い好きの役をやるときに、どんなふうにやろうと考えました?
中田 でも、なんかその……観たりとかはしました。
──なるほど、誰のですか?
中田 ジャルジャルさん。
──どうでしたか?……って、おもしろくないとは言えないですよね(笑)。実際、ジャルジャルさん、おもしろいですし。
中田 はい、おもしろかったです(笑)。
──なんとなく関西の人はお笑いが好きだという先入観があって……。
中田 そうですね。(テレビが)点いていたら観るんですけど、自分から探してお笑いを観たりとかはあんまりしないかもです。
役を通しての経験がワクワクする
──今後、中田さんがやってみたい役はありますか?
中田 学生の役は年齢的にも限られてきたりするので、続けたいなっていうのもある反面、ちょっと仕事を持つ役なんかも……。
──やってみたいなと。
中田 はい。
──ご自分では、何才くらいまで学生役がいけそうだと思います?
中田 何才までセーフだと思いますか?(笑)
──人によっては30才くらいになっても、やる人いたりしますよね。
中田 そうですよね。私も、見て大丈夫な程度だったら(笑)。
──それこそ『街の上で』のイハ役は、おそらく撮影時点では、学生さんというより年齢的に背伸びした役ですよね? 居酒屋に行ったりもしているし。
中田 そうですね、当時は未成年だったので。
──そうですよね。大変だったろうなと思うんですけど。
中田 でもなんかちょっとワクワクしました。まだお酒を飲んだことないのに。
──飲んだフリができるって。
中田 はい。そういうのは楽しいです(笑)。
──あと、ヒロインとして出演したドラマ『ホメられたい僕の妄想ごはん』(テレビ大阪、BSテレ東)が放送されますよね。まだ拝見できてはいなんですが、どんな役柄を演じているんですか?
中田 おしゃれ雑貨屋の店員さん役です。私は高杉真宙さん演じる主人公の理生(まさお)の妄想の中に出てくる、けっこうあざとキャラというか……そういうキャピキャピという感じの女の子です。
──雑貨屋さんというと、ヴィレヴァン的な?
中田 そうです、下北沢のヴィレッジヴァンガードで撮りました。
──そうなんだ。前に映画(『街の上で』)を撮ったことがあるエリアで、また撮影するという感じだったんですね。
中田 そうです。久々に下北沢に行きました!
──演じてみてどうでしたか?
中田 楽しかったです。けっこうテンポのある掛け合いとかがあって、妄想の中なので何をしてもいいと言ったらあれですけど……本当にけっこうキャピキャピするのも楽しくて。
ちょっとのんびりしている街が好き
──東京に来て好きになった街はあります?
中田 この、下北沢も好きです。なんかいかにも都会らしい街だと、ちょっと「おおっ」となるんですけど、下北沢はあんまり……田舎者でもなじめるというのがあるので。
──なるほど、下北沢のテンポ感が。
中田 ちょっとのんびりしている街かな。
──渋谷とか新宿とかは?
中田 行けますけど……長時間居座るのは難しいかもしれないです。
──もしかして、わりとおうち時間を過ごすことも多い?
中田 そうですね、ほぼ外に出ないです(笑)。
──演じているいろいろな役柄から受ける勝手な印象だと、活発なのかなあと……。
中田 全然活発じゃないです(笑)。一日中ベッドでゴロゴロみたいな。
──家でのんびりするときの自分なりの工夫とかありますか?
中田 一日家にいるときはエアコンをつけて……あとは、最近テレビにYouTubeがつながるようになったので、妹とずっと観ています。できるだけ大画面で観ようと思って。
──プライベートで何かやってみたいこととかありますか。
中田 最近思っているのは、バンジージャンプとか。ジェットコースターとかが好きなんですけど、今あんまり遊園地とか行けないじゃないですか。そろそろ、そのキューッていう感じを味わいたいです。
──なるほど、バンジージャンプはまだ……。
中田 やったことないです。
──怖くはない?
中田 飛べるんじゃないかな?って、勝手に思っています(笑)。
取材・文=鈴木さちひろ 撮影=時永大吾 ヘアメイク=内山多加子 編集=龍見咲希、中野 潤(BLOCKBUSTER)
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中田青渚(なかた・せいな)
2000年1月6日生まれ。兵庫県出身。2014年『第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014』のグランプリを受賞。ドラマ『ラーメン大好き小泉さん2016新春SP』(フジテレビ/2016年)で女優としてデビュー。その後、ドラマ『中学聖日記』(TBS/2018年)や『アノニマス〜警視庁“指殺人”対策室〜』(テレビ東京/2021年)、『ここは今から倫理です。』(NHK/2021年)、映画『見えない目撃者』(2019年)『君が世界のはじまり』(2020年)『街の上で』(2021年)をはじめ、数多くの作品へ出演を重ねる。
主人公の友人役を演じている映画『うみべの女の子』(2021年)が新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで現在公開中。
ドラマ『ホメられたい僕の妄想ごはん』(テレビ大阪:毎週土曜深夜0時56分~1時26分、BSテレ東:毎週土曜深夜0時00分~0時30分)の第10話に出演予定。
▼最近ハマっていることを聞くと「Netflixで韓国ドラマを観たり、流行っているアニメを観たりすることが多いです。アニメだと『東京リベンジャーズ』とか、好きなキャラは三ツ谷(隆)!」