「対面イベント」は失敗だらけ!自分史上一番恥ずかしかった2秒間|「林美桜のK-POP沼ガール」第3回

林 美桜のK-POP沼ガール

lg_k-p_3_t

「林 美桜のK-POP沼ガール」
K-POPガチオタク・林美桜テレビ朝日アナウンサーの沼落ちコラム

前回は「ヨントン」(*1)について書かせていただきました。

「ヨントン」は生放送と同じ!? それでも推しとの会話は難しい|「林美桜のK-POP沼ガール」第2回

私はヨントンが少し得意だと思っていますが、一方で「対面イベント」が苦手です。

初めての対面イベントってなんだろう……と思い返してみると、俳優のオ・ジホさんのお見送り会が初めてだったと思います。

あれは、私が高校生だったころ。小学校からずっと女子校育ちだった私には、今でも鮮明に思い出せるくらい衝撃的な出来事でした。

「こんなにかっこいい人間っているんだ」と。

父親と学校の先生くらいしかまじまじと男性の顔を見たことがなかったので、びっくりを通り越してカルチャーショック(?)を受けてしまったのを覚えています。

体感2秒。推しとのハイタッチで、思考が崩壊…!

このことがきっかけなのかなとも思うのですが、実際に会えるイベントは、私の推し活の中でもかなり重要度が高いです。

当選しなければ参加できないイベントも多いので、全部が全部というわけではないですが。なるべくがんばっています。

多少自分の生活を切り詰めてでも、です(この件についてはまた近いうちに……)。

ただ、意気込んで参加するわりには、失敗が多い。
……ちょっと盛りました。
失敗しかしていません。

最近一番印象に残っているのは、昨年、コロナ禍が少し落ち着いたタイミングで開催された、TOMORROW X TOGETHER(*2)のハイタッチ会。

コロナ禍では対面イベントが0だったので、数年ぶりの開催でした。

「ハイタッチ会」では、CDなどについてくる応募券で、イベントに応募して当選したファンが、推しの前を歩きながらハイタッチできます。

推しが視界に入っている時間は、体感2秒。

かなり久しぶりだったので準備は慎重に、洋服はもちろん完璧。
髪色、完璧。メイク、ばっちり。

対面は失敗が多いので、
「何も言わない、何もしない、推しをただ拝む누나(お姉さん)になる」
という簡単な目標を設定し、心の準備まで万全の状態。

ドキドキを超えて具合が悪くなり始めたころ、迎えた本番。

さあ……!

私の第一声は「ふぁ、わわわ」でした。

なんてかわいいんでしょう。
私の想像を何万倍も超えてくる、ビジュアル。
オーラに圧倒されて、一瞬、自分という存在を認識する客観性が消え失せるくらいの衝撃。
集中して見れば見るほど崩壊する思考。

あまりにも美しくて、人間だと脳が認識できない……妖精さんなのかな……。
ん? 私と同じ地面から生えてる?? え?

推し様「ありがとうごじゃいます」

img1協力:菅原アナ

林「ふぁ、わ、ふ、ふぁりがとうごじゃいます」

もたもたもたもた

img2

!?!?

img3*3

以上です。

肝心のハイタッチした瞬間の記憶は飛びました。

しかも、これ、小走りしながらやっちゃってます。
そうです。最悪です。
推し様の前を駆け抜ける、丸。
恥ずかしいを通り越して、土に潜りたい……。

ハイタッチ会のあと、このシーンがフラッシュバックして、3カ月は本調子を取り戻せないくらい落ち込みました。

なぜ「丸」を作ってしまったのか

反省点はいろいろありますが、
まず、なぜ小走りしてしまったのか(もちろんガッツリ走っているわけではありませんが)。

毎回こうなるのです。
どうしても前にいるファンの方に吸い寄せられるように……まるでカルガモの親子のように……。

そして、なぜ私はハートで応えようとしたのか。
これが今回一番の問題です。

相手はハートのプロ。それに立ち向かう私は、ハートの経験ゼロ。
普段の生活でハートを作らなきゃいけない場面、ないですもんね。
練習したことないのにいきなり披露するなんて無理なんですよ。

脳からはハートの指令が発せられたのに、出てきたのは「丸」。
29歳の누나(お姉さん)にはこれが限界でした。

推しにはどう見えていたんでしょうね(怖くて考えたくもないですが)。
何かキャラクターのようなかわいい存在に見えていたらいいな……人間がやってると思うとちょっとホラーだもの。

推しの前のたった2秒、いつもどおりか、願わくばそれ以上の存在でいたいのに……。

自分史上一番恥ずかしい姿になっちゃうのがとても悲しい。
推しのために生きているのだから、その2秒くらいはがんばって耐えたいものです。

次こそは「ハート」で駆け抜けたい!

この話を先輩の久保田直子アナウンサーにしたところ、
私が相当悔しがっているのが伝わってしまったのか、それ以来、話している最中に随所にハートを忍ばせてくれるようになりました。

本当に優しい先輩ですよね。
きっとハートの練習にと思って、そうしてくださっているんだと思います。

そんな久保田アナのおかげもあり、今は前向きに日々、ハートを研鑽しております。

来日ラッシュの今、近いうちに練習の成果を推しにお見せする機会はそう遠くはないでしょう……!

次こそは
ハートで駆け抜ける私になりたい。

いや、なる。

林美桜のチョアチョア♡メモ

*1/ヨントン
推しと1対1でビデオ通話できるオンラインイベント。前回の記事で、あんなに自信満々で「得意です」と言っていましたが、BOYNEXTDOORのテサンくんとのヨントンで、失敗しました。画面から飛び出すほどのフレッシュさに目が眩んで自分を見失いました。そんなときもあります。ただ、尺管理は完璧でした(私の尊厳を保つためにも書かせてください)

*2/TOMORROW X TOGETHER
2019年にデビューした5人組グループ。さまざまな記録を打ち立て続けており、世界中から注目を集めている。
初めて見たとき、名画と出会ったときと同じような衝撃を受けたグループ。存在が芸術。どの瞬間を切り取ってもこれ以上ない美しさを放つ……まばゆいほどに。ほんわか穏やかなメンバーたちがニコニコしている動画を、出勤時スマホの画面に映して、そっと見守るのが私の癒やしです。

*3/ハイタッチ会の服装
コロナ禍でのイベントだったので、ビニール手袋着用が決まりでした。こんなことあったね……といつか笑って話せる日が来ることを祈っています。

文=林 美桜 編集=高橋千里

林 美桜のK-POP沼ガール