君たちはどう生きるか  【森川夕貴】
2018年05月31日

かなり前に話題になったんですが…
最近読み終わり影響を受けた本があります。
それがこちら。
0524①
『君たちはどう生きるか』

戦前に書かれ、読まれていた本なんですが
再び今の時代になって話題に。
その理由について
NHKのクローズアップ現代で
原作者の息子さんが、
「行先不透明な今の時代と、戦争に向かっていた当時の不安定さに
重なる部分があるからではないか」と話されていました。

当たり前のことだけれど、日々生活するなかで
忘れがちなことが詰まったストーリーでした。

その中でも、
『王位を失った国王でなかったら、誰が、王位にいないことを悲しむものがあろう』
という言葉。

心に響くものがありました。

一度、手にしたものを失う怖さと失ってみないとわからない痛み。
人間は、その怖さと痛みと生まれた時からずっと戦って生き続けているいるんだなと…。

本の中に出てきたように
友達を失う苦しさもある。

赤ちゃんのときだって、母親から生まれて
母親の愛を一日でも受ければ、
その存在がいないと、この世の終わりぐらいに赤ちゃんは泣き叫ぶ。

学校で勉強をするようになってからはライバルに負けないように
スポーツや勉強の成績を競い合う。
いい成績を一回とるとそれを手放す時の悔しさは、
1位を知らない人間よりも大きい。

社会に出るようになっても、然り。

安倍総理だって、森友学園や加計学園の疑惑で支持率が落ちるなか、
誰よりも働いて、毎日ほとんど寝る時間もないだろうに
なんとしてでも信用を取り戻そうと必死にもがく。
手放してしまえば楽じゃないのか?なんて思ってしまうけれど
総理というポジションを手放す怖さと失った時の苦しみは
国のトップに立つ人間にしかわからない。

権力を失うことだって、失恋だって、離婚だって、死だって、そう。
ずっとずっと何歳になろうが失う怖さや辛さは付きまとう。

なんにも知らなければ、誰とも出会わなければ、何も手に入れなければ
その失う怖さからは解放されるかもしれない。
でも、人間は手に入れたり失うことで何か気づきがあって
人として豊かになれるのではないか。

そんな風に自問自答しながら読んでいました。

どうもがいても離れていくもの失ってしまうものも世の中にはあるけれど、
謙虚にそれぞれ向き合って、痛みから逃げないで
失った時に後悔しないように生きていきたいなと思いました。

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