こんにちは。“題名舞台裏ウォッチャー”キャンディーです。今週は「題名のない音楽会50周年記念特別コンサート」の収録がサントリーホールでありました。なんせ50歳を祝うコンサートなので、ご出演頂いたアーティストはクラシックからポップスまで日本を代表する豪華メンバーでした!なので観覧応募もおそらく今までで一番多いと思われるほどの多数・高倍率でした。落選してしまった皆さま、ごめんなさい。おかげさまで大盛り上がりのコンサートでした。
一夜のみのスペシャル企画ならではの内容となっております。7月20日、27日の放送をお楽しみに!
ということで、今週より番組は50周年記念企画を10週に渡って放送します。今日はその第1回、番組が始まった1964年の音楽を特集しました。
1964年といえば、何と言っても東京オリンピック開催の年。そんな日本中が活気に満ち溢れた年に「題名のない音楽会」は誕生しました。放送当初はなんと東京12チャンネル(現・テレビ東京)で放送していたという驚愕の事実を、当時東京12チャンネルでディレクターをされていた田原総一朗さんにお越し頂き、当時の様子をお話し頂きました。
「朝まで生テレビ」でおなじみの田原さん、登場されただけで周りの空気が一変するからすごい!コンサート会場のはずが討論場のような緊張感が漂いました。そして開口一番、政権話をされたあたりもこれぞ田原総一朗!ふだんの収録とは全く違う空気でした。
それから眼光鋭いまなざしでステージをじっくり観察されていました。クラシック音楽の代表選手・オーケストラがポップス歌手の後ろで演奏することは当時常識外れだったようで、何度もその珍しさをお話しされていました。しかし「題名」の指揮者はシラケずに演奏している様子をしっかりご確認され、感心されていましたね。着眼点がユニークです。
「オーケストラを通して音楽の楽しさを伝える」というコンセプトで始まった「題名のない音楽会」ですが、このように当時は考えられないような“クラシック+ポップス”が番組の大きな特徴でした。
そもそも日本のクラシックはまだ発展途上で、演奏家たちも世界の水準に追いつけと気概を持って取り組んでいた中でした。そんな状況下、オーケストラをクラシックで鍛えるのでなく、まだまだ新しいとされていたポップスとのコラボに取り組もうと思ったことはすごい発想です。
アメリカでレナード・バーンスタインが監修・指揮・トークを務めた青少年のためのテレビ音楽番組「ヤング・ピープルズ・コンサート」が少し前に放送されていましたが、基本的に楽曲は「クラシックのオーケストラ曲はオーケストラで」等、本来の姿で取り上げており、コラボレーションなど行っていません。この番組を参考に「題名のない音楽会」は立ち上がったようですが、コラボに関しては全くの番組オリジナルですね。
このコラボの発想は、今日放送した1964年の日本のヒット歌謡曲を見ても感じられます。アメリカンポップスがどこか日本調になっています。おそらく、当時はどうやったら西洋音楽がしっくり馴染むように聴くことが出来るのか、懸命に模索していたのでしょうね。
50年と言う時間、番組はいろんな音楽を生み出し、また見つめてきました。来週は歴代司会者たちがどのように音楽の魅力を伝えてきたのかを特集します。懐かしの秘蔵映像がいっぱい流れますので、どうぞお楽しみに!