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2008年07月13日 09:30
僕が芸術監督をつとめる「兵庫県立芸術文化センター」でのオペレッタ「メリーウィドウ」12回公演という、オペラ界では異例のロングランも、素晴らしいチームワークで、毎日が物凄く楽しく、無事に千秋楽を終えました。中でも飛びっきりに面白かったのは、今回出演されている落語家の桂ざこばさんが、出演者、スタッフ、総勢250名を公演の合間にパーティーに招待してくださったのです!そうなったらみんな芸達者の集団です。ざこばさんを喜ばせようとみんな大張り切り!物まね、ディスコ、何でもありなのだけれど、歌手たちによるオカマショーは、それはそれは恐ろしいものがありました。楽団スタッフによる裏オーケストラをバックに僕も「酒と泪と男と女」を絶唱!元宝塚トップスター平みちさんの「スミレの花咲く頃」も良かったし、最後はざこばさんの歌で、ざこばさんの出身地、釜ヶ崎の歌と大阪市歌を人情たっぷり、涙でぼろぼろになりながら歌ってくださって、会場は大喝采!豪華なホテルの宴会場は、とんでもないドンチャン騒ぎでお開きとなりました!
さて、今回の番組は宮川彬良さんをゲストに迎え、僕の師匠バーンスタインの代表作「ウエスト・サイド・ストーリー」の秘密に迫りました。なぜ名曲なのか、そこには必ず隠された技法があり、音職人バーンスタインの徹底した、興奮させるための罠が張り巡らしてあるのですね。それが増四度。中鉢さんの「この道」が「悪の道」になったのは面白かった!中鉢さんは、思いの他ひょうきんな人で、僕は、これからもこのキャラを是非活かしたいと企んでます。そして、ひょうきん者の代表者のような彬良さん、彼の手にかかれば、どんな作品であっても、会場は爆笑に包まれます。そう、新しいページをめくるなら、楽しくめくらなければ続きません。青島さんもそうだけれど、「音楽は楽しい」を具体的にしてくれる良い先生ですね。こうした技法は、さまざまな作曲家が使ってきたものではあります。特に宗教曲で、それがよく現れているのですが、いつか、ベートーヴェンの技、ブラームスの技、という風に取り上げてみるのも面白いでしょう。そうすると、また音楽への親近感も増すし、どこかのバーでみんなから「へぇ~っ」と言ってもらえるようなわけですから、『題名のない音楽会』って、なかなかお得でしょう?では、バーでスターになるためのおさらいです。「ウエスト・サイド・ストーリー」は増4度で出来ている。エネルギーが膨張しているように感じるところは、まずこの増4度。あるいは危険を感じる時、悪い予感がするとき、全て増4度。 友達と話していて、あるいは会議が行き詰ったら、「増4度やぁ」と言ってみるのもいいかもしれませんね。
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