2009年01月18日 09:30

昨年の3月からこの番組の収録を始めて、約1年分をとり終えました。昨年は珍しく日本の滞在期間が多かったので何とか無事終えることが出来ましたが、今年からまたヨーロッパの比重が高くなるので、スケジュールを合わせるだけでも、スタッフに相当な苦労をかけることになるのではと思っています。今週ヨーロッパに発ち、約6週間の間に6つの街で、それぞれのオーケストラと演奏会を行います。その後10日間だけ日本に戻ってきて、題名の収録や、シエナ・ウインド・オーケストラとのツアーをして、またヨーロッパにすぐに飛びます。今年はこんなペースの繰り返しです。体調を崩すことなく、楽譜を開く時間をしっかり確保して、当面の間学生気分で勉強に励みます!

 

さて今回のテーマは「アジアンパワー」。現在小澤征爾先生に代表されるアジア出身の一流音楽家が大勢生まれ、ここ数十年ほどで西洋音楽の世界の中心に大きく飛躍しました。とても面白いのは、彼らが西洋の音楽スタイルを真似るのではなく、それぞれが生まれ育った背景を大事にして独自のスタイルを展開し、それが国境を越えて受け入れられるようになってきたことだと思います。もちろん、まだまだ簡単なことではありませんが、飛行機の移動時間も短縮され、ネットなどで世界中の情報が簡単に同時に入ってくる世の中になったのだから、当然といえば当然なのかもしれません。
今回指揮をしたケン・シェ君は、とっても有望な指揮者だと思います。身体の大きさも僕並みで、一緒にいるとよく間違えられたりするのですが、なかなか華のあるいい指揮者になるのではないでしょうか。台湾人のご両親の元、カナダに生まれ、日本に憧れて日本で指揮の勉強をした。この今の時代だからこそ誕生した指揮者のように思います。
さあ、僕も頑張らなくちゃ!スーツケースに6週間分の楽譜を一杯詰めて、防寒具も万全。できることなら、行きつけの洋食屋のオムライスを持っていけたらなぁ…。