今週の佐渡さんは、１２日木曜日の長野から、２０１１年の東日本大震災により日本ツアーが中断されていた、ＢＢＣフィルと辻井伸行さんとの再開ツアーが始まりました。前回の公演がお客さんのみならずＢＢＣフィルのメンバーに大評判だったということで、異例のツアー再開とのこと。これだけの内容ですのですでにチケットはほとんどないようですが、この先も兵庫や大阪、愛知、浜松、東京、札幌と回って行きます。すでにコンサートを予定されている方、どうぞ楽しみにお待ちください。

 　さて今日の放送は、“演歌界の大御所”八代亜紀さんのご登場でした。しかし今回は“ジャズ歌手”八代亜紀としてのご出演です。今日の放送を見て初めて知った方も多いかと思いますが、八代さんは元々クラブでジャズを歌っていた方なんですよね。なぜクラブで歌っていたかというと、憧れのアメリカ人ジャズ歌手ジュリー・ロンドンが、アメリカのジャズ・クラブで歌っていたからという理由でしたが、日本のクラブとアメリカのジャズ・クラブでは、その“クラブ”の意味が全く違っていることに気づかれなかったというのも、まだまだ若くて夢だけを抱いている少女・八代さんらしいですね。（お気づきになった方も多いかと思いますが、八代さん、ルックスも歌声もジュリー・ロンドンにそっくりなんです！）

 クラブ歌手になる前に１５歳でバスガイドになった理由も「バスガイドさんなら車内で歌を歌えるから」ということでしたが、まだそれこそオーディション番組のようなものも現在のように存在していなかった時代、いかに歌うことを職業につなげるか必死に考えた結果だったんでしょうね。若さゆえのまっすぐな情熱がひしひしと伝わってきます。

 それにしてもお上手でしたよね。こういう歌を聞くと、まさに音楽にジャンルは関係ないと思ってしまいます。そしてジャズ・ピアニスト松永貴志さんとの共演も圧巻でした。本番収録の日にお二人は初めてお会いして、その場でどんな感じに仕上げていく？と相談し、まとめあげる様子もさすがでした。長い間、歌謡界の第一線でご活躍の方の実力をまざまざと見せつけられた感じです。

 ベテランの醍醐味を堪能した放送でした。