2013年02月03日 09:30

 

こんにちは!“題名舞台裏ウォッチャー”キャンディーです。
今週は今年初めての「題名のない音楽会」の収録が東京で2日間ありました。1つはあの八代亜紀さんをお迎えし、八代さんの歌手としての原点とも言うべきジャズを特集しました。日本ジャズ界の重鎮・前田憲男さんのさすがのアレンジの他、今回は “天才ジャズ・ピアニスト”松永貴志さんとのデュオや“山下洋輔の秘蔵っ子”挾間美帆さん率いるビッグバンドとの共演というように、勢いのある日本の若手ジャズミュージシャンとの挑戦的なコラボが見ものです。こちらは4月14日(日)放送予定です。
そしてもう1つは佼成ウインドオーケストラをお迎えした“日本吹奏楽ポップスの神様”岩井直溥さんの特集でした。今年20年ぶりに吹奏楽コンクールの課題曲を作曲された現役バリバリの岩井さんですが、10月になんと90歳を迎えます。岩井さんの人生はすなわち日本吹奏楽の道のりでもあり、岩井さんの作品は忘れかけた何かを思い出させてくれます。時代を超えて生き生きとしてノリノリの音楽をどうぞお楽しみに!4月21日(日)放送予定です。
 
さて今日の放送は日本のみならず、ヨーロッパ中が注目の34歳の若き指揮者・山田和樹さんの特集でした。山田さんは2010年度出光音楽賞も受賞されており、番組ではそのガラコンサートでご紹介しているのですが、今回改めて「山田和樹特集を組もう!」と言い出したのは、何を隠そう佐渡さんでした。佐渡さんは年の半分近くをヨーロッパで演奏活動されていますが、訪問先の楽団員からよく山田和樹さんのことを聞かれるそうなんです。指揮者に他の指揮者のことを聞くのもいかがなものかと思うのですが、そこは佐渡さん、そんなに評判がいいのであれば是非また番組にお招きしましょう!ということで今回の運びとなりました。
山田さんは高校時代の吹奏楽部での指揮者経験が、本格的に指揮者を目指すきっかけとなったそうです。それまでは、さほど真剣に音楽のお稽古事をしていらっしゃったわけでもないようで、東京藝術大学を受験した当時は、ベートーヴェンの交響曲もタイトルがついているものくらいしか知らなかった、とお話しされていました。そんな高校生の山田さんが読んでいたのが、佐渡裕著「僕はいかにして指揮者になったのか」だったとか。そして見事大学に入学し、98年の在学中に結成したのが、本日ご出演頂いた横浜シンフォニエッタの前身「TOMATOフィルハーモニー管弦楽団」でした。在学時よりベートーヴェンの交響曲全曲演奏をするなど、当時から意欲的な活動が話題だったオーケストラですが、結成から15年、今や世界を舞台に活動されている楽団員が集合し、このような素晴らしい演奏を披露してくださいました。
 
学生時代から共に切磋琢磨した仲間が、どんどん世界で活躍し、またことあるごとに集って共に演奏活動を続けるって、本当に素敵ですね。そんなぐんぐん伸び盛りの山田さんを温かく迎える佐渡さんも素敵です。ライバルでもある関係を、それを乗り越えるような見えない絆でつながって、もっともっと大きな音楽世界を構築している姿を見たステージでした。

2月24日(日)放送では、山田和樹率いる横浜シンフォニエッタに、こちらも世界で大注目されているピアニスト萩原麻未さんをお迎えし、ラヴェルの「ピアノ協奏曲」をお送りしますので、こちらもお楽しみに!