こんにちは!「題名」裏側ウォッチャーのキャンディーです。
今週は久々に東京で番組収録がありました。といってもスタジオ収録だったのでお客様にはご覧頂けなかったのですが、非常に興味深い内容ばかり!番組twitterでもリクエスト募集した「吹奏楽コンクール・伝説の名曲」「トランペット名曲」そして「ご自慢の校歌」という3本の特集でしたが、みなさんが名曲と太鼓判を押すものには、初めて聴いた時から惹き付けられる何かがありますね。放送は来年です。迫力ある映像と共にお送りしますので、どうぞお楽しみに!
さて、今日は佐渡裕さんが芸術監督を務める兵庫県立芸術文化センターからの放送でした。10月に宮川彬良さん率いる大阪市音楽団をご紹介した際もこちらのホールからお送りしましたが(2日続けて収録しました)、今日は佐渡さん指揮の兵庫芸術文化センター管弦楽団というご本家が登場しました。
オープンしてこの10月に7周年を迎えた兵庫県立芸術文化センターですが、訪れるたびにいつも大勢の人でにぎわっています。クラシック音楽のホールというと、近づきずらい威厳を感じてしまうものですが、まずホール自体が駅前の街の中心にあるためかホール前の広場はいつもにぎやかで、ホールの外壁がガラス張りで、全身を映せるためかダンスの練習をする中高生らしき若者がいつも陣取っています。
そして何よりびっくりするのが、クラシックのコンサートが毎回満席で売り切れるのです。それも正直聴きやすい作品ばかりではありません。毎夏には佐渡さんプロデュースのオペラが10回公演近くあるのですが、2000席が売り切れるのです。単一オペラで、こんな回数公演することが異例なのですが、売り切れてしまうのです。
ではそれだけ音楽好きが集まっているのかというと、そういう訳ではないようです。というのも演奏中にタイミングを間違えてフライングで拍手する方もチラホラいらっしゃったり、休憩時間中のお客様の会話に小耳を立てても、初めてこの演目を聴く、という方が大勢いらっしゃいます。
「じゃあこの人気は何なのか?」今回この兵庫で収録することが決まってこの秘密を明かすべく、この街に深く触れていった結果、一つ明確な答えが見つかりました。それは「街のみんなが誇りに思う」劇場だということです。ホールのある西宮北口の街の人が「自分たちが作っている劇場」という誇りがとても強く、街全体で盛り上がるためには何が出来るか、ということを積極的に意見を出し合っていらっしゃいます。
そんな空気を強く感じたため、ここは「劇場を支えている主役」でもある街にクローズアップしなければ意味がないと思い、当初予定していた内容を大きく変更し、街の方に大勢ご登場頂きました。結果はご覧の通り、まさに街の文化がこの劇場から生まれている、と実感しました。
もちろん、このような環境がすぐに整ったとは思えません。劇場の運営者と街のみなさんが同じ方向を向かって歩み寄ることは並大抵の努力では出来ないことかとも思います。なんせなじみの薄いクラシックを理解して頂くのは、そう簡単なことではありません。しかし今や街の皆さんが「どんな曲か分からないけど、あの劇場がやっていることだから、楽しいに違いない」と足繁く通うホールとなるのには、提示する側がきちんとお客様(街)の意見に耳を傾けながら、主張もきちんとし続ける努力と根気が必要、と深く納得できました。
それにしても、街の人が笑顔で一つになれるって素敵なことですね。今日は衆院選投票日。いつか日本中が笑顔になれる日を迎えられればいいですね。
