2012年01月29日 09:30
こんにちは!“題名舞台裏ウォッチャー”キャンディーです。
今週は、今年に入って初めての公開収録がありました。今年の注目アーティストや、平原綾香さんがびっくりするようなテクニックを駆使した歌声を披露して下さいました。放送は4月です。どうぞお楽しみに!
 
さて、今週の放送はストラヴィンスキー作曲「プルチネルラ」でした。ストラヴィンスキーといえば「火の鳥」や「春の祭典」など、大編成のオーケストラで奇抜なリズムと斬新な音使いというイメージの作曲家ですよね。しかし今日お送りした作品は1700年代初頭の作品をリメイクしたという、今までのストラヴィンスキーのイメージとは全く異なる作品です。
でも番組内で佐渡さんがお話したように、こんな小編成で古典的な作品でもリズムや音色に彼らしさが溢れており、むしろストラヴィンスキーの要素がギュッと詰まっています。原曲と聞き比べると面白いのですが、曲全体としては、びっくりするほど原曲をそのままを生かしているのですが、ストラヴィンスキーはアクセントを違う場所に置いたり、和音をちょっといじっており、これだけでこうも印象が変わるのか、というようなテクニックを駆使しています。時代的にも「新しい音楽」を生み出すのに行き詰っていましたが、まさに「温故知新」のアイデアです。結果、この作品から「新古典主義」と呼ばれる新しい音楽の渓流が生まれたことも興味深いです。
 

しかし何と言っても今回一番興味深かったのは、当時の芸術プロデューサー“ディアギレフ”の存在です。ロシア・バレエ団を主宰していたディアギレフは、舞踊・美術・音楽・文学・ファッションとあらゆるジャンルの当時最先端にいる若手クリエイターに声をかけ、次々と新作バレエを発表していました。ストラヴィンスキーの代表作「火の鳥」や「春の祭典」もまさしくディアギレフから依頼された作品です。このロシア・バレエ団の活動から、ストラヴィンスキーはかのファッションデザイナー・シャネルと知り合い、関係が生まれたり(映画にもなりましたよね)、舞台美術を担当したピカソも、ここのバレリーナと結婚するなど公私共に世界を広げています。

 

この「天才を見つける天才」ディアギレフによってチャンスをもらった作曲家は他にラヴェル、ドビュッシー、プロコフィエフ、サティ、プーランクなど、枚挙に暇がありません。舞台美術もピカソのほかにマティス、ローランサン、ミロに依頼するという、なんとも贅沢な布陣です。実は一時は作曲家を志したディアギレフ、師であるリムスキー=コルサコフにこてんぱに才能のなさを指摘され自身が芸術家を志すことを諦めるのですが、おかげで素晴らしい作品がいっぱい生まれました。なんともうらやましいです。

 

 このディアギレフを中心とした、芸術家の交わりはパリを中心に展開されましたが、実はそのちょっと後、日本でも同じような「芸術家の交流」があったのです。それが次回お送りする「コドモノクニ」という絵雑誌を中心とした、童謡の世界です。「子どもに夢を与えられるようないい作品を」ということで、絵画・音楽・文学界の、それぞれ当時の最先端アーティストが集まって作った童謡の世界、今でも歌い継がれている童謡は、色々な思いを込めて作られました。日本の芸術家集団が巻き起こした運動、どうぞお楽しみに!

視聴者からのコメント
2012年02月01日 00:29
千絵蔵@御絵描隊

はじめまして♪イラストレーターの千絵です。
dama様>
初めまして♪
ありがとうございます。m(_ _)m
佐渡さん&題名全スタッフが皆様に毎週お届けする『幸せな時間』を
ヘタッピながら応援する御絵描隊♪です。
キャンディーちゃん共々『題名日記』もよろしくお願いしますm(_ _)m

2012年01月29日 17:28
dama

千絵さん(^-^)/
ピカソ風の絵。
とてもすてきです(^O^☆♪
絵を見るだけで、楽しくなります。

2012年01月29日 11:20
青い鳥

ストラヴィンスキーで一首。

古き良き音色を生かし新しき音楽紡ぐストラヴィンスキー

2012年01月29日 09:48
相馬裕志

おはようございます。本日は久々、オンタイムで拝見できました。
吉田秀和さんはストラヴィンスキーを「20世紀の音楽史の曲がり角にいつもひょっこり立っている・・・」と評したそうですが、これはまことに適切な表現ですよね。そんな偉大な彼が、吹奏楽ではないにしろ管楽器のための作品も多く書いてくれているのは嬉しいことです。
わが国にも多くの芸術家のグループがあったでしょうが、作曲家のグループならやはり“三人の会”。31日は芥川さんの命日です。次の「日本の巨匠」は、是非芥川さんを取り上げていただきたい!