2011年03月20日 09:30

 3月11日に発生した東日本大震災から1週間が経過しました。被災された皆様、それぞれの立場で懸命に被災地で働いてくださっている救援隊や技術者の皆様、全ての方にお見舞いを申し上げます。どうか力を合わせて、一人でも多くの命が助かることを、心からお祈りしております。

 地震が起きたとき、僕はちょうどBBCフィルハーモニックと全国ツアー中でした。311日以降の全公演は中止となり、オーケストラはすぐに帰国の途につきました。公演中止が発表された翌日、オーケストラ全員とソリストの辻井伸行さん、スタッフでミーティングを行いました。「被災された方達にとって、まずは命が大事。そして食糧が、水が、電気が、ガスが必要です。きっときっと近いうちに、音楽が必要と言える時が、来ることを願っています。そのとき、またBBCフィルハーモニックで、辻井伸行さんのソロで、同じスタッフで、また日本に集まりたいと思います。」そう彼らに伝えた僕は、それぞれのメンバーと別れを惜しみました。
被災地の皆様や東日本の方々にとってはまだまだ辛く厳しい状況が続くと思います。僕はパリのコンサートのため離日しましたが、326日にはデュッセルドルフで急遽、震災復興祈念コンサートを行うことにしました。日本から遠く離れた地ではありますが、日本の皆さんに希望をお届けできるように、そして日本を応援してくれている世界中の人々の祈りを込めて、精一杯ベートーヴェンの「第九」を演奏したいと思います。

 

 さて今回の放送は、僕とはもう10年ほどのお付き合いをしてきた、辻井伸行くんによるチャイコフスキーのピアノ協奏曲です。彼とは三年前に「題名のない音楽会」でラフマニノフを演奏し、その後ドイツでベルリン・ドイツ交響楽団と録音をしました。その思い出の曲を弾いてヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝を遂げた時は、本当に跳び上がって喜びました。

 優勝後、日本中に幸せを届けてくれた彼は、まさに時の人となりましたが、コンクールの影響でたくさんの演奏会を世界中で繰り広げています。意外かもしれませんが、彼が新しく取り組んだチャイコフスキーはもちろん、一緒に録音をしたラフマニノフも、全曲を日本のお客様の前で演奏するのは今回のBBCフィルハーモニックのツアーが初めてでした。両方とも伸くんと僕でしか作り得ない、特別な音がしていたと思います。それにしても、こんなにも人は成長するものなのでしょうか?僕が知っていた伸くんの姿はそのままなのに、演奏家としての度胸、心意気は世界級になっていました…

 伸くんの音を聴いていると、僕ももっともっと良い指揮者にならなければと思います。前にもこのブログに書きましたが、僕はこれからも伸くんを応援していきたいと思います。

 

視聴者からのコメント
2011年03月29日 19:01
いくら

辻井さんとのチャイコフスキーの共演!収録日に生で見てきました。放送が日本ツァーの真っ最中!になるんだ!とわくわく!していました。わたくしも横浜、東京、川崎、山梨と、四公演のチケットを手に入れ佐渡さんとのぶりん!の互いに深め合った、迫力の有る素晴らしい音楽の世界にのめり込み、自分の心と体の隅々にまで浸かり癒されるときを楽しみにしていました。大震災が起きるとは思わずに。。後半の公演が中止・・?やはり。。。号泣してしまいました。だって、わたしの心を支えてくれてたのは、「辻井さん」でしたから。。そんな最中の辻井さんとの共演の「題名のない音楽会」の放送!テレビに向かって「のぶ!ブラボー!」と泣きながら叫んでいました。佐渡さん?また必ずや!のぶりん!と共演してくださいね?忘れることの出来ない、素晴らしい演奏、本当に有難うございました。あれからわたし、、少し心が強くなった気がしてます。って言うか、心を強めて次の大好きな「のぶりん!」の公演を待つことにします。そして、佐渡さん、いつも心のこもったメッセージ*ありがとうございます。

2011年03月24日 21:37
とみちゃん

本当に感激しました。
辻井さんのピアノの音は心に残ります。

2011年03月24日 12:39
とんとん

先週からずっと昼夜土日関係なく、被災地へ救援物資を送る仕事をしています。日曜日も仕事で録画をし損ねました!どうか再放送をお願いいたします!!!

2011年03月23日 21:50
ぶうりん

あの地震からもうすぐ2週間。とても長い揺れにいつもとちがうと悪い予感がし、携帯でTVの画面を見たときから悪夢が続いている気がします。
気持ちが沈むとき慰めてくれるのは、やはり音楽だなあと感じます。モーツアルトのCDは手放せなくなりました。日曜日だということも忘れていた朝、辻井さんのピアノを聴きました。いろいろなおもいがあふれてくるようで涙が出ました。辻井さんにしか奏でられない音がありました。
心安らぐ時間をありがとうございました。

2011年03月22日 13:02
まっきい

佐渡さん、

ツアーコンサートありがとうございました。初めての佐渡さんの音楽を広島、京都、大阪で聞かせていただきました。 特に辻井さんとの演奏は、これまで体験したことがない感動を得ることができ、音楽の持つ素晴らしさ、無限の可能性を実感できました。

震災で日本は大変な状況ですが、音楽で生きていく力を再興させ、一日も早い復興に繋げることが出来れば良いですね。

「こうもり」を広島から見に行きたいと思っています。 また、お会いしましょう。

2011年03月22日 05:18
パパゲーナ

私は仙台生まれ仙台育ちの高校生です。私はいまドイツで一年間の留学生活を送っています。もちろん家族は日本、仙台。家族や友達のことを考えると胸がいたくてたまらなくなります。こんなにも遠い地でいったい何が出来るのでしょうか。私の家族は題名のファンで、毎週、私がドイツに来てからも、両親はかかさず題名をみていました。きっと今回の放送も見て心の傷が癒されたこと信じています。わたしもドイツで苦しい思いいっぱい抱えているけど、いつも私を支えるのは音楽です。この地震をきかいに、本当に音楽によって幸せを与える人間になりたいときめました。

私の家族、友達、先生、そして被害にあったすべての皆様、本当に頑張って生きてください。遠い国から、私はすばらしい明日を祈っています。

2011年03月21日 15:51
Miyabi

今回放送分の収録を聴きに行った昨年11月には、放送日はBBCとのツアー中とのお話で随分先のことだなぁと思いながら心待ちにしていましたが、まさか東日本が大地震に襲われ、このような状況下で放送されるとは...
でも、番組をご覧になった日本中の多くの方が伸くんの演奏に元気と勇気をもらったに違いありません。
テレビの避難所からの報道を観ていたら、被災者の方の今欲しいものの中に「バンド演奏など音楽」というのがありました。
音楽は悲しい時、苦しい時も人の心に寄り添って必要なものであると思います。音楽にできることはたくさんありますし、「音楽の力」は無限であると信じています。
いつか、阪神淡路大震災の復興のシンボルである兵庫PACが素晴らしい演奏で今回の被災された地域の方々を勇気付けられるといいなと思います。

2011年03月21日 13:17
M。

きのうから何度も番組を再生しています。心がなぐさめられています。
このピアノ協奏曲を初めて聴いたのは学校の授業中、演奏はクライバーンでした。
すごく大きな手で迫力のある演奏だとの先生の説明で、この曲といえばセットでクライバーンを思い浮かべていました。
これからは辻井さんも加わりました。
みなとみらいに行く途中の電車の中で地震がおこりました。
被災地の大津波の映像に言葉もありません。
被災者、救援者の皆様のために祈るしかありません。
デュッセルドルフでの第九に届けと声を合わせたいと思います。佐渡さんがんばって。

2011年03月21日 01:28
柚子Soda

東日本大震災で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

阪神大震災で被災した兵庫に佐渡さんが復興の祈りを込めて作られたPACの定期演奏会に今日行きました。
レジデントコンダクターでもある指揮者の岩村力さんも太鼓奏者の林英哲さんもそしてPACの皆さんも本当に祈りのこもった素晴らしい演奏をされ感動と悲しみと勇気を感じました。

今日NEWSでトランペットを避難所で吹いてる女性を見ました。
被災者の方々は涙を流して喜んでらっしゃいました。
音楽で命は助けられないけど、生きる勇気を元気を与える事は出来ると思います。私が被災した時はそう思いました。

いつか佐渡さんの愛の詰まった演奏で生きる勇気を被災者の皆様に届けて下さい。

2011年03月20日 22:04
まみーずまま

被災地のかたたちに、心からお見舞いもうしあげます。

音楽が必要になる日が、きっとくると思います。

辻井さん、BBCとのコンサートがいつのにか叶いますように!

今日の放映も被災地の方が、見られますように!

2011年03月20日 21:22
クロ

今日の放送は感動でした。ずっと涙が止まりませんでした。13日にコンサートに行くのをとても楽しみに、心待ちにしていたので、今日テレビででも聴けたことを本当に嬉しく思います。こういう時だからこそ音楽が大切だと思います。被災地にも届くように是非再放送をお願いしたいと思います。

2011年03月20日 20:02
masako fukai

今日の放送、再放送してください。お願いします。m(_ _)m

2011年03月20日 18:41
ロレンツォ

26日のお話を伺い、さすが行動する指揮者・佐渡さんの面目躍如だと感激した一人です。いずれ日本でも必要とされるときが来ると思いますが、それまではみんなで助けあって復興に向けて努力しないといけませんね。

コンサートの中止は残念ではありましたが、オーケストラ、辻井さんとの絆はそのままに、いつの日かまた素晴らしい時間を届けてくださるものと信じています。

2011年03月20日 16:41
四方達也

辻井さんの力強いチャイコフスキーのピアノ協奏曲を聴けてとても感動いたしました。また素敵な演奏を聞かせてください。

2011年03月20日 14:32
さくさく

大阪シンフォニーホール行きました。感動しました。皆様お疲れさまでした。佐渡さん あの感動を早い時期に被災地にも届けていただけたらと思います。確かに食料、ライフライン、家族の安否が、最優先ですが音楽は気力を与えてくれると思います。いや先日のような贅沢なオーケストラでなくてもいいのです。演奏者の方は大変ですが、野外でも、辻井さんの優しいピアノソロ(避難所になっている体育館のピアノででも)とか・・・演奏環境がかなり悪くても・・・私がもし被災者の一人で避難所にいたとしたら、佐渡さんや辻井さんたちが演奏してくださったら、きっと勇気が湧くと思います。国際的にご活躍されてる方々だからこそ元気になれると思います。お願いします。かってなお願いでごめんなさい。

2011年03月20日 13:49
しー

今回の災害で南相馬から新潟へ。非難先で携帯で番組を見ました。先々週から楽しみにしていました。音声が十分でなく、途中からしか見られず、番組が映った瞬間から涙があふれて映像も・・。本当なら家でしっかりと見ていたはずだったのに。今までの日曜日の朝を思い出してたまらない気持ちです。三年前の辻井さんの出演を見てからずっと辻井さんのピアノを毎日聞きながら通勤し、力をいただいてきました。まさか今日の出演をこんな形で見ることになるなんて。いつかきっとコンサートで今日の曲を聴きたいと思っています。

2011年03月20日 13:23
もぐりん

11日(金)にみなとみらいホールのコンサートに娘と行く途中、地震が起きました。
今日の放送を観て、涙がとまりませんでした。
辻井君の演奏は音楽を通してそれ以上の何か神々しいものを感じさせてくれます。
心の奥の方が、とても豊かで温かくなったようにかんじました。
これからも辻井君、佐渡さんのご活躍を楽しみにしています。

2011年03月20日 13:01
jh0318

この度の災害で失われた多くの方の命、家、自然、たくさんの日本の財産・・・
心よりお見舞い申し上げます。
楽しみにしていた3月11日のコンサート、残念ながら中止になりましたが、いつかきっとお会いできると信じています!

2011年03月20日 10:26
ポポン子

待ちに待っていた今日の放送、やはり感動で涙が止まりません。私は無宗教の人間ですが、ノブくんと佐渡さんと、オーケストラの一人ひとりの演奏者のみなさんの、「魂」の響きあう調和は、音楽の神さまが導いてくださるような気がしてやみません。3月6日、大阪でも「ノブくん!、君はどこまでいくんだい!?」と涙を流している自分がいました(笑)。私は「のだめ」でクラシックを聴くようになった、いわば素人ですが、ノブくんの演奏をCDで聴くようになって、他のピアニストの同じ曲とどうしてこんなに音が違うのか、不思議でなりませんでした。うまく表現できませんが、音符と音符の間にも、音があって、とぎれなく続いている感覚なのです。それが「響き」なのだと、最近気がつきました。休符の部分も音のない響きというのでしょうか…。ノブくんが1つひとつの音色をいかに大切にしているか、彼の感性と努力を尊敬します。これからも楽曲との響きあい、自分自身との響きあい、他の演奏者との響きあいで美しい世界を私たちに心の目で見せてくださいね。佐渡さん!これからもノブくんをよろしくお願いします。 

2011年03月20日 09:58
長年の題名ファン

この時期に一服の清涼剤でした。辻井伸行さんの表情・佐渡さんの表情等々二人の信頼関係を感じられた構成もよかったです。このような状況の中、音楽が癒してくれると感じた30分でした。これからも題名で癒されて参ります。

2011年03月20日 09:55
emiemi

大震災での被害をうけた皆様に心からお見舞い申し上げます。
16年前の震災を思い出し、被災地から離れた場所に居る私に、何が出来るかを考えています。

BBCツアーを京都、名古屋で聴いてきました。TVの放送のように心に響く音がホールに鳴り響きました。オーケストラの瑞々しい音に、爽やかに酔いしれました。

心を癒すことが出来る音楽に、耳を傾けられる日が来ることを願っています。

2011年03月20日 09:53
めかぶ

この日の収録を観に行きました。
辻井さんの力強い演奏に夢中でした。
とても素晴らしい時間を過ごせました。

2011年03月20日 09:51
サドラー2号

佐渡さん、BBCフィルとのツアーお疲れ様でした!本当に、このタイミングであんなひどい災害が起こるというのはいったいどういう巡り逢わせなんだろうと思いました。このチャイコフスキーの協奏曲をナマで聴いて大きな感動を与えられたのはつい2週間前のことなのに、それから1週間もたたずに、あの未曾有の大地震とお津波・・・。東北や関東で被災された方々、亡くなられた方々には心からお悔やみとお見舞いを申し上げるとともに、自分にできる精いっぱいのことをしていこうと考えています。
辻井伸行くんを初めて佐渡さんがコンサートで紹介してくださったのは、伸くんが13歳のときでしたね。それから、TV朝日さんもよ伸くんを取材しておられたので、伸くんの成長はときどき見せていただいたりしていましたが、いやあ、やはり国際コンクールの優勝者ともなると、貫禄がついてきますね!堂々とした演奏っぷりに豊かな感性は昔のままで、本当に素晴らしいピアニストに成長されたなあと嬉しく聴かせていただきました。伸くんの演奏を聴いていると涙が出るんですが、それは、あまりにも演奏に没頭し、音と一体化している伸くんの姿に、何か崇高なものを感じたからじゃないかと思っています。伸くんのさらなる成長と、佐渡さんとのこれからの共演を楽しみにしています。

2011年03月20日 09:38
相馬裕志

このタイミングで、この番組が放映されるとは!辻井さん、佐渡さん、アリガトウございます!音楽の力を感じました。きっと今日の演奏に元気をいただいた方は多いことでしょう。被災地のみなさん、頑張ってください!