先週の日曜日に日本を発って、ここ1週間、ベルギーのアントワープに来ています。ここのオーケストラとは久しぶりの再会。過去、定期演奏会にも数回登場しましたし、前回はドイツツアーも一緒に行いました。数年の間にメンバーは変わったけれど、嬉しかったのは、日本人のプレーヤーが増えたこと。弦楽器はセカンドヴァイオリンとヴィオラの首席奏者が日本人です。しかもセカンドヴァイオリンには二人の首席奏者がいるのですが、二人ともが日本人。PMF(札幌の音楽祭)で、僕がオーディションで選んだメンバーというのも嬉しい。それから、ファーストヴァイオリンには高校時代の先輩がいます!僕の出身校である堀川音楽高校は、1学年40人の小さな学校だから、こうして外国で会えるととても嬉しいですね。
アントワープに着いた次の日は一日オフ。楽譜の勉強の合間に、街の中心の大聖堂に行きました。ここには「フランダースの犬」でお馴染のルーベンスの絵があります。絵って良いですね…。僕はこうした名画に出会うと、作者の想いがどこかで自分と同化する瞬間まで、絵の前でじっと待ちます。静かに静かに…。そして、その瞬間が身体の中に訪れた時、何か特有の力が湧いてきます。とっても動的な感情の変化です。時間があれば、もう一度、大聖堂に行ってみよう!と思います。
ベルギーに来ると、必ず行くのがタンタンショップ。タンタン、皆様はご存知ですか?ベルギーに昔からある冒険漫画ですが、僕はタンタンのフィギュアのコレクターなのです。10年ほど前は、一つが何万円もしていたのですが、今は高くても数千円と比較的お手軽になりました。タンタンの何が好きって、ヨーロッパの匂いが一杯するのですよ。色使い、形、フィギュアなのにまるで背景が見えるかのように表情がある。とにかく、もう自宅にはコレクションが数十はありますが、一番大きなものは兵庫の監督室に飾ってあるロケットかな、高さが1メートルはあります!インターネットで調べてみると、手元にあるものは結構古いものも多く、貴重な物なのだと改めて認識しました。でも、実際は傷だらけなので価値は無いでしょう…。ハハハっ、価値を求めて集めてなどいませんし、生活の傷やほこりが積もっているからこそ、僕だけの物なのですよ!
さて今回の放送は日本の美を見つめ直す大きな機会になりました。それを導いてくれたのがキャンベルさん。どれだけの知識が彼の中に詰まっているのでしょうね?四文字熟語対決をしたら、間違いなく、一問目で僕は負けます。ただただ彼の日本の知識に感心するだけですが、それにしても、何と深いところで日本の美しさを見つめていらっしゃるのでしょうか…。僕はどこかが頑固で、どこかで素直なのです。うん、そうだ!彼に日本のことをもっと教えてもらおう!

今回の放送を通じて、邦楽のみならず世界遺産である熊野古道についてや日本文学が歌から始まっていること等日本の文化・美について学ぶことが出来嬉しかったです。(キャンベル先生は日本人以上に日本人ですね!)
道山さんがおっしゃっていた「休符」ではない「余韻」=「間」を楽しむという言葉が特に心に響きました。
「間」について改めて考えてみましたが、音楽だけでなく絵画や私たち日常生活の会話の中においても「間」が大切であるなあと。それが無いと「間抜け」で有りすぎると「間延び」し、どちらも加減が正しくないと「間違える」と言いますよね?
「間」=余韻・余白・空間があるからこそ「動」や存在そのものがひきたつのだと思いました。
佐渡さんの音楽と絵画に対する思いもとても共感できました。
追伸 今までタンタンはフランス人だとばかり思っていました!(サザエさんが日本人であるように)
「音色と余韻」「掛軸と床の間」
とても分かりやすい説明でした。
尺八も三味線も一度も聴いたことがありませんでしたが、これを機にじっくり聴いてみようかと思いました。
偶然TVをつけて良かった。
現代を生きている私ですが、何世代も生きていたような、体の中の魂から揺さぶられている事に驚きました。 尺八の音色は、日本人の体に、沁みこんでいるのかしら・・・
優秀な尺八吹きは他に大勢いるのに(女性も)なぜ道山さんだけがTVに引っ張りだこなんでしょうねぇ。
邦楽の古典の良さを伝えるのはTVでは無理なのですが、邦楽人口の激減をストップさせるためにももっと露出が増えて欲しいと思います。
久々に体調不良で日曜の朝に寝坊してしまいましたが、ビデオでバッチリ見ました。母が結婚する前に亡くなった祖父は趣味で尺八を吹いていたそうで、実家には形見の尺八が何本かあります。中学の講師をしてたとき授業で「鹿の遠音」の鑑賞があったので尺八を持っていって生徒に触らせたら好評でした。ただ1人音を出せたのが、ツッパリの子だったのもおかしかったな~。私にはとても音が出せないんですけどね。
キャンベルさんもそうだけど、日本好きの外国人の方って本当に深いところで日本文化を愛しておられますよね。私もけっこう日本の伝統文化や歴史は知ってるつもりだけど、四時熟語は間違いなくキャンベルさんに負けるでしょう(^^;;;;
ところで、佐渡さんって絵の鑑賞の仕方もすごい感性を持っておられるんですね。私にはちょっとできない鑑賞の仕方で、驚きました。作者の「気」が満ちた作品はなんとなく肌で感じるんで、そういう絵だけはじっくりすみずみまで見ていますが、気を感じない絵はさらっと見て終わるかな・・・。ルーベンスの本物って見たことがないので、ぜひ一度見てみたいです。
邦楽を聴く機会はこの番組くらいなのですが、耳馴染みがいいのはやはり日本人だからでしょうか。
ピアソラの曲は、わさびドレッシングのように和のスパイスがピリッと効いた感じでした。
毎週放送楽しみにしています。
私はまだ15歳なのですが今日の放送を見るまでは、生意気なことに尺八の音が嫌いでした。
理由はいいませんが今日の尺八の音を聞かせていただいて私は初めて尺八を知れた気がしました。
ありがとうございます。
これからもずっと応援してます♪
毎週楽しみにしています。今回は、改めて和楽器の良さを認識しました。もっと、世界に普及させるべきですよね。ぎすぎすした世の中が少しは穏やかになるような気がしました。
先日の「箏と管弦楽のための協奏曲」もそうでしたが、年年歳歳、楽器のみならず日本古来の音色がますます心の奥深くに沁みるようになってきました。
そういえば私も黛敏郎さんのBUNRAKUみたいに無伴奏ヴァイオリンのために津軽三味線のような響きを奏でる音楽を作曲しようと構想を練っていましたが、そんな野心的な15歳頃のことを思い出しました。
今度は21世紀に息づく雅楽を取り上げていただきたいですね。