2009年12月20日 09:30
世の中クリスマス一色、そして本格的な寒い冬がやってきましたね。寒い時にこそ温かいものを届ける、それが街の誇る劇場の姿だと思います。兵庫県立芸術文化センターでは19日から23日までオペラ「ヘンゼルとグレーテル」を4公演行っています。クリスマスにこのオペラを上演することは劇場をオープンする前から大事にしてきた僕の構想で、子供たちへのプレゼントとして、子供から大人まで、世代を超えて最高の舞台を楽しんでいただこうと思ってはじめたものです。作品は、まるでワーグナーを思わせるほど豊かな音。そんな音楽の中に、聴きなれたダンスナンバーなどもあり、1幕最後にオーケストラと共に繰り広げられる14人の天使のバレーは、舞台芸術の最高峰ではないでしょうか。そしてお芝居、衣装、大掛かりな装置、夢の世界を演出する照明、全ての力を結集して、日本を代表するスタッフが一生懸命制作しています。兵庫県立芸術文化センターは、このオペラをメインに、11月のクリスマスツリー点灯式、もちつき大会、クリスマスコンサートなど、地元のヴォランティアを中心にして、様々な催し物で、この寒いクリスマスをみなさんに楽しんでもらっています。ホールのロビーには、「ヘンゼルとグレーテル」をテーマに作られた、様々なクリスマスケーキがこの地域のパティシエ達によって展示されています。このケーキを見た後、舞台に魔女のお菓子の家が登場した時は、まるでバニラの匂いがしてきそうな気分になりますよ!是非、ご家族、ご友人と一緒に心温まる舞台にお出かけください!

話は変わりますが、僕は東京にいる時は会社の車を借りて運転するのですが、神戸に帰ると自分の愛車が待ってくれています。イタリア生まれのアルファロメオGT。こうして気温が下がると、エンジン音が冴えわたります。空気の乾燥度、気温まで判断ができるぐらい魅力的なエンジン音なのです。家内には「ナスビ」(形が茄子のようだから)と呼ばれていますが、例え不便な車であっても、これに乗ると俺の車だなぁ~と感じます!高速道路から降りるときにシフトダウンさせて、エンジンの回転数を6千回転ぐらいにあげると、身震いしたくなりますね~!僕の中のワイルドが頭を持ち上げる瞬間です。しかし公演の間は、アレグロマノントロッポ(早く、しかし早すぎないように)で、ドライブを楽しみます!

 

さて、やってきました吹奏楽特集。今週はお母さんバンドや社会人バンドとのクリニックと演奏でした。吹奏楽に限らず、今までにも様々なクリニックを行ってきましたが、日本の音楽界を支えているのは、彼らアマチュアであると僕は強く思っています。考えてみてください、プロのオーケストラより、圧倒的にアマチュアのオーケストラの数の方が多いのです。たとえば、プロの合唱団をとってみても、合唱コンクールに出演するアマチュアの合唱団、あるいは本当にそれぞれが楽しみで歌ってらっしゃる合唱団の数から考えると、ほんのわずかです。本当に豊かな、音の楽しさに溢れた社会を作るのは、プロが最高の演奏を目指すことはもちろん大事ですが、今日出演してくれた彼らのようなアマチュア音楽家の活動こそが、とても身近に人々に音を届けてくれているのではないでしょうか。そして、僕も含め、プロの音楽家と呼ばれる人も全員、かつてはアマチュアだったのです。どんな世界の大家も、そのアマチュア時代に、音に触れ、音の喜びを知り、感動に出会うのです。これからも心からアマチュアの活動を応援したいと思います!

 

視聴者からのコメント
2009年12月25日 16:57
内池 徹

佐渡さんの指揮はとても情熱的ですね。毎回見てますよ。
往復ハガキがあったら
見に行きたいですね。

吹奏楽って最高ですね!

2009年12月24日 21:43
Miyabi

佐渡さんのクリニックを受けると演奏が元気になるということは、佐渡さんはオーケストラの名医とも言えるわけですね♪
そして、その素晴らしい演奏を聴いた人が元気になったり癒されたりするわけですね♪♪
私も元気を頂いているうちの一人です♪♪♪

2009年12月20日 19:54
トクちゃん

「ヘンゼルとグレーテル」見て来ました。兵庫県立芸術文化センターのオペラは夏の公演の「蝶々夫人」「メリーウィドウ」「カルメン」などを見ていたのですが、クリスマスの「ヘンゼル・・・」は初めてです。会場はたくさんの親子連れがいて、「幸せだな~」と思いました。もちろん、公演もとても良かったです。最後は4階席では踊りました。

2009年12月20日 15:51
ぼたん

芸術文化センターのロビーにたーくさん並んだ「ヘンゼルとグレーテル」クリスマスケーキのすばらしいこと!!!
舞台は見られなくても、あちらこちらの名だたるケーキ店のパティシエさんたち作のケーキを見せていただくだけでたっぷり「ヘンゼルとグレーテル」の世界を堪能できました。足を運ぶ価値はじゅうぶんあると思いました。

以前この日記で、「素人であれ、プロであれ、音楽というとてつもなく素晴らしい創造物に向かう時こそ、その人の姿が最も美しく見える時」と書いておられましたが、今日のママさんたちを見ていて本当にそう思いました。
お子たちとともに演奏するお母様たちの「星に願いを」も胸を打ちました。

佐渡さんが、「いいねえ!」と声をかけられるだけでも、音ってかわってしまうのですね。
リズムに身体からのってる「第3の男」のご演奏には、譜面台についてる「この木なんの木」までなんだか楽しそうに見えてきたから不思議でした。(^-^)

2009年12月20日 11:09
郁の会ゆうき

まずは、つるぴよさんの活動に感動しました。
大人になると、「忙しい」「子供いるから」と理由をつけて、色んな事を諦めてしまいがちですが、
本当にやりたいと思う人達が集まると、こんな素敵な場所ができるんだな~。
ただでさえ素晴らしい演奏だけど、佐渡さんのクリニックがちょっと加わるだけで、演奏している皆さんの笑顔も増え、
お子さんが加わっての演奏は、とても微笑ましく、ウルウルきてしまいました。
僕も学生以来やめてしまっていたトロンボーンを、また始めようと思いました。

2009年12月20日 10:50
40年来のファン

アマの実力たいしたものです。プロ、アマ夫々の意義ありでしょうか。
お子さん達の表情、感動でした。
佐渡さんの指摘、宮本さんの命題、指揮者は何のためにいるかの、一つの回答例
と思いました。

2009年12月20日 10:05
トクちゃん

すご~い!佐渡さんのクリニックを受けたら、音がもっと楽しくなってる!
ママさんブラバンの舞台に可愛い子ども達が一緒に参加して、テレビを見てるだけで幸せな気持ちになりました。
今日は午後から兵庫県立術文化センターで「ヘンゼルとグレーテル」に行きます!外は寒いけど、心は温かです。

2009年12月20日 10:03
emiemi

佐渡さんのクリニックって、本当に魔法のよう。一つのアドバイスで、音が輝きだしますね。