2009年07月26日 09:30

今回のゲストは、僕が子供の頃から憧れていた世界のフルーティスト、ペーター=ルーカス・グラーフさんの登場でした。今日のブログは笛の話一色になりますよ!たて笛大好き少年だった小学生の時、担任の平井先生がフルートを吹いて下さいました。これが僕にとっては非常に大きなことだったのです。先生のことが大好きだったから、先生の持っている銀色に輝いたフルートは魔法の笛に見えました。初めて先生のフルートに触らせてもらい、音が鳴った時の感動は今も忘れません。家に帰って、母親にそのことを一杯しゃべりました。そしてある日家に帰ったら、両親から中古のフルートをプレゼントされたのです。嬉しくって、嬉しくって、勝手に指使いなんかも発明して、夢中でフルートを吹きました。そんなに好きなら、ということで、当時京都市交響楽団首席フルート奏者だった伊藤公一先生に習うことになりました。今でも世界で一番笛の上手い先生だと思っています。高校から音楽専攻の学校に行きましたから、小学校の卒業文集に書いた「将来はベルリンフィルの指揮者になる」のくだりは別にして、プロのフルート奏者になるのが当時の夢でもありました。伊藤先生にプライベートレッスンを受けつつ、学校でレッスンを受けたのが、やはり当時の京都市交響楽団メンバーで、とってもユニークで温かな川瀬先生。他に僕の担当ではなかったけれど、堀川高校には、同じく京響団員の白石先生も教えていらした。大学も京都芸大だったので、ここでも伊藤先生と白石先生にはお世話になりました。この後の経緯が面白いのですが、僕はどうも実技試験が苦手で、緊張のあまり楽器が口から滑り落ちる程で、なかなかフルートでいい成績を残せなかったのですが、高校の時僕がオーケストラを指揮しているのを、たまたま白石先生が見たのです、そして「あの子は、指揮をした方がいい!」と白石先生が言いだした。川瀬先生も賛成。ただ伊藤先生には「笛も吹けない者が指揮者になれるか!」と言われて僕も納得。これは一見大きな別れ道だったようにも思えますが、結局僕は大学をフルートで卒業し、それでも指揮者の道は忘れられず、学生の頃から指揮ばかりしていて、卒業した頃には京都市交響楽団の指揮台に立たせてもらいました。音楽を専門にしていない方でも容易に想像がつくと思いますが、なかなかプロのオーケストラの指揮台には上がる機会というのは訪れません。今から思えば、相当3人の先生方のプッシュがあったからこそ実現した、京響の指揮台で、これは僕にとって本当に大きな指揮者への第一歩だったのです。もう数年前になりますが、伊藤先生が還暦を迎えられ、沢山の生徒さんがパーティーをすると聞き、大きなフルートを型どったケーキを贈りました。10年間も師事したにも関わらず、ちゃんとフルートが吹けなかった僕としては、いまだに伊藤先生には不出来な生徒で頭が上がらないというか、ちゃんと指揮が出来るようにならないと会えないと思う気持ちもあり、もうかれこれ20年はお目にかかっていかなったのです。でもその還暦のパーティーの後、先生からお礼の電話がかかって来て、「佐渡君の活躍嬉しく思っているよ。いつも、いつも応援しているからね!」と言われて、やっと先生に指揮者の道を選んだことを許してもらった気がしました。平井先生と3人の恩師の皆様お元気ですか?80歳になっても元気なグラーフさんとこんな形で僕は共演しました!今日の放送を先生方が誰よりも喜んでくださっているのではないかと思います。

 

視聴者からのコメント
2009年07月30日 19:55

前回の放送の日は
ちょうど私たちの地区の吹奏楽コンクールの日でした
録画して家に帰ってから見ました!
グラーフさんと佐渡さんのフルートの演奏が聴けて
本当にうれしかったです

今年春にグラーフさんのコンサートに行かせて頂いて
来月は佐渡さんのコンサートにお邪魔します★
憧れの人にこんなにも会えるのが
夢みたいに幸せだなぁって思います

またいつかお二人の共演を楽しみにしてます!

2009年07月30日 11:22
ミッチー

毎回楽しみにしてます。精霊の踊り素晴らしい。佐渡さんが楽しそうに共演されてるのが、とてもよかった。モーツアルトのフルート協奏曲も素晴らしかった。ちなみに、私アマでチェロを弾き、このフルート協奏曲も演奏したことあります。アマとプロの差、歴然で、上手な方々が演奏するとこんなに素晴らしいのだと痛感しました。

2009年07月28日 19:58
piapia

素敵でした!
グラーフさんの音色は、もうこの世のものとは思えないほど、神様が音を振りまいていらっしゃるような音で、うっとりでした。
福原さんの笛も、長年の修行がその体全体からにじみでる感じで、ゆるぎない音色が、聞いているものの心をがっちりとらえる感じでした。
決して派手ではないのに、しっかり伝わる音。。。いいですね。

2009年07月28日 10:41
くらくら

グラーフさんと佐渡さんの共演も素晴らしく拝見しましたが、
この「笛の話一色♫」の佐渡さんのブログに大変感激しました。
親御さんの素敵なプレゼント・すばらしい師とのめぐりあい・そして支えてくれた方々に応えるべくして今ある佐渡さん。
突然楽屋に訪れた佐渡少年に、快くサイン・レッスンしてくれたグラーフさんもなんて素敵!☆彡

今学校の先生は忙しいのか、吹奏楽部の指導も指導者によって格差が激しいと感じます。
生徒の湧き上がる気持ちを大切にして、それを一緒に共有して伸ばしてくれる先生は、貴重な存在なのかもしれません。
すばらしい先生に巡り合えた、それだけで子供の将来って変わるかもしれませんから・・・

佐渡さん、つぎは佐渡さんが師となって後世を育ててくださいね!!

2009年07月27日 23:02
yue

グラーフさんの演奏、そして佐渡さんの演奏までも聴けてとってもハッピーな日でした。
佐渡さんは”人に恵まれる”方だそうですが、佐渡さんを知って、私までも辻井伸行さんを始め、グラーフさんや佐渡さんを応援する皆様に出会えて、いい影響を受けてます!ありがとうございます!

夢は本当に叶うのですね~

2009年07月27日 09:16
あい

こんにちは。
毎週日曜日の朝は、この番組を見るのを楽しみにしています。
佐渡さんの、笛吹きとしての姿と、このブログでその歴史を見ることができて、良かったです。
様々な素晴らしい人との出会いがあって、今の佐渡さんの姿があるのだなあと、思いました。
グラーフさんとの共演で、佐渡さんが、感動をかみしめているかのように、グラーフさんの方を見ながら、演奏していた姿が、とても印象的でした。
夢がかなって本当に良かったですね。
強く願い、そして努力を続けていれば、夢が現実になるのでしょうね。もちろん、生まれ持った天性の力もあると思います。
私は、高校、大学の吹奏楽で、フルートを吹いていたのですが、その後は楽器に触れていませんでした。
あるとき、テレビで、大学生になった男の子が、以前に病気で入院していた病院で、ボランティアで、フルートの演奏をしていた様子を見て、”私もこういうことがしたい!”と、強く思いました。
そのとき楽器からは離れていたのですが、自分も入院した経験があるので、楽器にまた触れることがあったら、プロとしての演奏は無理でも、ボランティアで、お世話になった病院やお医者さんに恩返しができたら、と思ったのです。
昨年10月にフルートを再開し、そして、12月には、当時お世話になったお医者さんの関わっている子育て支援の会で、演奏させてもらいました。
私の、ささやかな夢がかなったのだなあ、と後からしみじみと感じました。
今では、フルートは、私にとっては、大切な存在になっています。
佐渡さんとグラーフさんの姿を見て、私もこれからもずっと、大好きなフルートや音楽と関わっていきたいと思いました。
これからの番組も、楽しみにしています。

2009年07月27日 08:56
裕教信者

25日は、名古屋へカルメンを見に行ってきました。館内のレストランで佐渡さんとすれ違い、思わず手を振ったら手にタッチしていただき、感激でいっぱいでした。26日は朝からすがすがしい佐渡さんのフルートで、目が覚めました。素晴らしい週末をありがとうございました。  拝

2009年07月27日 01:41
洋子

 佐渡さん、こんにちは。
初めて、お便りさせていただきます。
 佐渡さんの『題名のない音楽会』になってから、毎週、お姿を拝見でき大変嬉しく思っています。また、番組内容も充実していて、毎回毎回、どんな音楽を聞かせていただけるのかと楽しみにしています。
 さて、今日は、また素晴らしい演奏をありがとうございました。グラーフさんや福原さんの演奏だけでなく、佐渡さんのステキなフルートの音色を聞くことができ嬉しく思いました。そして、また、夢を1つ実現されたのだなと思いました。
 話が飛びますが、私は2005年の夏に、長崎にて娘2人と一緒に佐渡さんの指揮で歌わせてただいた者です。その初練習の時に、佐渡さんが『努力すれば夢は叶うんだよ』とバーンスタイン氏とのことを子どもたちに話してくださったことが今でも忘れられません。今日、佐渡少年が子どもの頃から憧れていたペーター=ルーカス・グラーフさんとの共演が実現したのは、やはり、これまで佐渡さんが積み上げてきた努力が実り、また1つ夢が実現したんですよね。あの夏、大きな感動をいただいた私たち親子にとって『努力すれば夢は叶うんだよ』という佐渡さんの言葉は、今、高3・中3になった娘たちには自分の進路と向き合うにあたり大変いい助言となっています。
 次は、どんな夢を実現されるのか、楽しみにしています。また、私たちも佐渡さんの指揮で歌える日を迎えられるように努力し続けたいと思います。
 今後も、体調には気をつけて、1人でも多くの方に音楽の素晴らしさが伝わりますよう、番組を盛り上げていってください。楽しみにしています。
 

2009年07月26日 19:10

こんにちは。佐渡さんとは同世代の自分です。
今日の番組は、以前から楽しみにしておりました。自分も、小学生でフルートに出会い、親に当時3万円ほどした、ニッカンのフルートを買ってもらい朝から晩まで吹いていました。しかし、1年間くらいでやめてしまいました。その後、高校に進学してその学校に吹奏楽部があり、そこで再開いたし現在まで趣味で続けております。フルート歴は32年ほどになります。でも、今日のゲストペーター=ルーカス・グラーフさんは、80歳を迎えてなお現役。これには、脱帽です。私はペーター=ルーカス・グラーフさんのお歳まで続けるということは、あと33年ほど吹き続けなければ、あの歳まで辿り着けません。さらに、演奏レベルはとても80歳とは思えぬ素晴らしいものでした。自分も、フルート歴折り返し地点として、ペーター=ルーカス・グラーフさんを見習って続けていければと思いました。
とても素晴らしい、番組をありがとございました。今後も、よいプログラムをお願いいたします。

2009年07月26日 17:48
betty66

音楽は無知なのですが「題名、、、」は大好き。 いつも日曜の朝はこれから始まります。 皆様の演奏は私を別世界にいざなってくださいました。 音楽に国境無しどころかエモイワレヌ雅な世界に、、、ゴクラクチョウが飛び交い、天女が舞っているそんな世界でした。 お三人が時に華麗に時に爽やかに時にエネルギッシュに演奏されるお姿、もっともっと拝見したいと思いました。素晴らしい時間を有難うございました。

2009年07月26日 15:58
とくゆみ

佐渡さんの音色、グラーフさんと似てるような気がします。凛としていてとても優しい音。
実は私も佐渡さんがシリンクスを吹いているのを聞いて、フルートの発表会はシリンクスだ!と決めたのですが、諸事情のため発表会は出れず、シリンクスも完成せず…(ちょっと私にとっては高度な曲で…)。でもいつの日かまた挑戦したいと思います!
憧れの方との共演、ものすごく羨ましいです~佐渡さんのなんとなく緊張されてる姿をみて、親近感がわきました。私もいつか佐渡さんと吹けるよう練習しておきま~す!

2009年07月26日 13:58
おそ松さん

大概、先生にとって困ったことに、やんちゃで手こずる子ほどかわいかったりするんですよね。「あのやんちゃくんは今頃どないしてるかな」とどの先生も佐渡少年のことを絶えず気にしていらしたことでしょう。彼が、普通とちがうというか、なにか大きなことをしてくれるだろう頼もしい予感もすでにお持ちだったことだろうとお察しします。
グラーフさんの「シリンクス」の美しい音色の余韻にずっとひたっています。
夜に笛を吹くと蛇がでるのは、関西だけでなく、全国的に言われていることなのでしょうか。ずいぶん、ウケてましたね。

2009年07月26日 11:47
ゆうこ

 私も子供の頃からフルートやオーボエの音色が大好きでしたが、能管の様な演奏はなんだか苦手で、興味がもてませんでした。
 しかし今朝偶然この番組を観て、福原徹さんの笛の音に超感動しました!
今までの観念がひっくり返りました!
もっと聴きたいと思い、これからCDを探しに行くつもりです。
今日この番組を観られてホントに良かった。すばらしいプログラムを有難うございました~!

2009年07月26日 10:56
とまと

私も、若い頃、フルートに夢中になり、フルートの神様と言われたモイーズに会いにいったほどでした。
ルーカスさんも、もちろん知っており、竹のイメージでした。まっすぐで、透明感があり、でも、80歳になられても、姿勢がよく、全く音色も変わらず、指もうごくし、老いとは無縁のように思われ感動しました。きっと音楽そのものが体に染み込まれていて、その泉が出てくるように思いました。すばらしい!こんな場面に遭遇したのが一番うれしかったです。佐渡さんの感動も伝わって本当にうれしかったです。
ルーカスさんいつまでもお元気で。

2009年07月26日 10:53
みこ

もうひとつ感動したこと。
福原さんが演奏を終えられるとき、左手を口のそばへそっと移動し、
笛をお顔と平行のまま離れるように保っていらしたこと。
伝統芸能の美学を見せていただきました♪

2009年07月26日 10:43
みこ

佐渡さん、こんにちは!
素晴らしい放送内容で、感激しています♪
フルートや笛は私があまり聴く機会の無い楽器なのですが、
今日のグラーフさん、福原さんの、音も姿もお美しい演奏に感激してしまいました。
もう佇まいそのものがお美しく、お二人の歴史や人間性まで伝わってくるような・・・・・・・
そして、お二人と共演なさって胸いっぱい感動されている佐渡さんのお姿に、泣きそうになりました。
幸せが私の心にも響きました。

2009年07月26日 10:34
うさこ

鳥のさえずりのような音から、激しく威嚇するような音まで、いろんな音色がでるものですね。
ペーターさんの音色は、透明で暖かくてきらきらした感じ・・
佐渡さんと協奏された「精霊の踊り」は、自分の持っているCDよりも透明感があって良かったです。
 能管は独特の音ですね。能楽は好きでよく観に行くのですが、やはり地謡や太鼓の音を引き締めているのが、笛の音だと思います。
フルートと協奏しても個性でガチャガチャすることもなく、すんなりと音楽として溶け込んでいたあたりは、演奏者の”技量”を感じました。