2009年07月05日 09:30

今日で兵庫県立芸術文化センターでのオペラ「カルメン」全9公演が終了します。僕が芸術監督を務めるこのホール、まだ開館して4年目ですが、今回のカルメンは、また大きな一歩を残せたと思います。そして東京、名古屋と公演が続きます。兵庫の外に僕のプロデュースしたオペラを持っていくのは初めてですし、実は僕自身東京で本格的なオペラをやるのは初めてなのです。ちょっとドキドキしますけど、良い本番にしたいと思います!

 

さて、2週に渡ってお届けした山下洋輔トリオ40周年同窓会、本当に「凄い!」としか言いようがないですよね!この凄さって何なのだろう?ずっと今もそのことを考え続けています。この収録の時、僕はちょっとドキドキしていたんです。それは、洋輔さんのプレイはよく知っているし、坂田明さんも神戸の行きつけのジャズ喫茶「木馬」でのライブで知っていましたから想像はついていたのですが、ちょっと心配していたのは、一度もお会いしたことのない、そしてもっとも力仕事であるドラム担当の森山威男さんのことでした。山下洋輔トリオを語る上で、とても重要な部分なわけですが、みなさんなんと言っても、もう60歳をとっくに超えているわけですから、今も森山さんは叩けるのだろうか?と、今から思えば本当に要らぬ心配をしていたのでした。でも、どうですか!!この一発の凄さ。そして、今も汗を一杯かきながら、叩きまくる森山さんの勇姿!かっこいいですね~。このトリオを仕切っているのは洋輔さんだと思っていたけれど、収録の練習の時、ずっと音楽的にリードをしていたのが森山さんだったんです。森山さんが洋輔さんに、「ここは、こう行こう!」と提案をする。そしたら坂田さんが「俺はどうしたらいいの?」と質問をする。で、「おまえは適当に吹いておけ!」と洋輔さんから坂田さんに檄が飛ぶ…。絶妙な三角関係でした!

 

この収録の後、もう1つ大きな思い出ができました。というのも、収録が終わってから新宿の居酒屋でトリオの皆さんが打ち上げをされているところに、僕も合流させてもらったのです。それはそれは楽しい酒だったのですが、僕には心に決めていたことがあったのです。それは、坂田さんが「帰るぞ!」と言うまで、とことん坂田さんと飲む!ということでした。案の定、森山さんが素敵な奥様と先に帰られ、洋輔さんが結構ふらふらしながら帰られた。で、何時だったかなぁ?お話しした内容は一切覚えていないのだけれど、その後も数時間は坂田さんと、確か結構深い話をした気がするけど・・・とにかく飲み明かしました!いい思い出です。タモリさんや、トリオの仲間、マネージャーさんなどのスタッフを含めた、こんなにも魅力的な男たち。それを一つに繋ぎ合せているのは、山下洋輔の魅力につきると実感しました。

視聴者からのコメント
2009年07月05日 22:29
yue

山下洋輔バンド復活!
失礼な言い方かもしれないですけど、年を重ねているのに凄い!いや、年を重ねると凄い!のですね・・・
逆に若いって結構”慎重”なところがあるんだ・・と感慨ひとしおでした。

1年ボウズの息子は森山さんのドラムに感動してました。

今回の日記のイラストもかなり影響を受けてか?パワー炸裂してますね♪

2009年07月05日 11:17
リリ~ス#

そうなんですかー、カルメン成功おめでとうございます!!名古屋でも公演してくださるなんて、とてもうれしいです。今回は、タモリさんも出演しててびっくりしました。これが、ジャズの魅力なんだ・・・。

2009年07月05日 09:38
サドラー2号

「カルメン」大成功、おめでとうございます。昨日の前楽も大盛り上がりでしたが、今日の千秋楽もきっとものすごいことになるでしょうね。楽しみにしています。そして、東京、名古屋でもぜひ盛り上がって来てくださいね。
山下洋輔トリオのすごさ、堪能しました!そうかあ~、やっぱり森山さんもすごい人なんですね。そして何といっても坂田明さん!!山下さん同様「むちゃくちゃやる人」って思ってましたが・・・やっぱりすごく魅力的ですね。いくつになっても少年のような好奇心と情熱を持ち続ける大人の男性・・・ステキです!佐渡さんもあと15年したら、きっとあんな感じの「大人」になってるんでしょうね!

2009年07月05日 09:37
emiemi

自由で即興的なジャズも、仲間とのあ・うんの呼吸があってこそ魅力が深まるんですねぇ。
おじ様達の、少年のようなキラキラした眼が印象的でした。

2009年07月05日 09:30
げ@一介のリスナー

山下洋輔トリオの音楽を聴いていると、即興こそが作曲の原典なんだとあらためて痛感しました。そしてそれぞれのメンバーがそれぞれの発する音にお互いが反応しあい、更に異なる次元の音楽に展開していく。これこそアンサンブルの妙ですね。
一方でクラシック側の前衛音楽がタブーというタブーでがんじがらめになった挙句、表現力も衝撃もリスナーの興味も失い果てたことを思えば、フリージャズに対する感慨はひとしおのことです。