2009年03月01日 09:30
もう先週の話になってしまいますが、2月20日に行われたBBCフィルの本拠地マンチェスターでの演奏会、とても良い本番になりました。オールプロコフィエフのプログラムでしたが、交響曲第5番も良かったけれど、「ロメオとジュリエット」が凄く大胆で、繊細で、切なくて、劇的で…。BBCフィルとがっちりタッグを組んだ演奏となりました。いつか「題名」でもプロコフィエフを取り上げましょう!
演奏会の翌日ミラノに飛びました。この日はミラノでお買い物!イタリアのエルメネジルド・ゼニアという紳士服ブランドは「ゼニア&ミュージック」という世界規模のプロモーションで僕をゼニアアーティストに選んでくれています。「題名」の時に着ている服は全てこのブランドのものですが、モンテナポレオーネ通りにあるゼニア本店の最上階タキシードコーナーに行くと、なんと僕の写真が飾ってあるのです!もうすぐゼニアは創設100周年を迎えるのですが、さすが老舗だけあって、着心地が物凄く気持ち良く、もう一枚自分の皮膚を身につけたような感触です。でも楽しいお買い物も半日だけ、すぐにトリノに移動し、イタリア国立放送交響楽団との練習開始です。今回はプログラムがややこしくて、なかなか大変でしたが、ここのオーケストラとは随分と演奏回数を重ねて来ているから、みんなが温かく迎えてくれるのが気持ちよいのです。やっぱりイタリアは楽しいなぁ!
さて今回はスイスのジュネーブからの放送でした。ホールが美しかったでしょう?ヴィクトリアホールというのですが、音響も素晴らしい世界を代表するホールです。番組内でも紹介がありましたが、アンセルメという名指揮者が、スイス・ロマンド管弦楽団を一躍有名にしたのです。彼とスイス・ロマンド管との練習風景のレコードがあって、僕は子供の頃こればかり聴いて「いつか指揮してみたいなぁ」と思っていたのです。今回のオーケストラは学生とスイス・ロマンド管のソリストとが一緒にヴィクトリアホールの舞台に上がりました。世界を代表するオーケストラと学生たちが一緒に演奏する。どちらにとっても、とても刺激的な事だと思います。
話は少し変わりますが、僕の家は実は先生ばかりなのです。親父は数学の先生、母親は音楽の先生、兄貴は小学校の先生です。ひねくれている僕は、「絶対先生にはならない!」と思っていたのですが、いつの間にか世界中で教えるようになってしまいました(笑)。これも何かの導きなのでしょうね。思えば、僕自身が小澤征爾先生に見出されて、アメリカのタングルウッド音楽祭で、バーンスタインらの教えを受け、その後ドイツでも、札幌でも、そうした教育音楽祭に生徒として、また後には指導者として関わっていくことになり、今の自分があるわけです。教えるということは、同時に自分も勉強をし続けること。先生と生徒の関係は、人生の最後まで続いて行く、とても神聖な関係なのではないでしょうか。
今回ジュネーブで再会しインタビューした、名フルート奏者ピーター=ルーカス・グラーフさんは、僕が高校生の頃に夢中になっていた演奏家です。現在80歳!昔彼にサインをしてもらった演奏会のポスターが、いまでも僕の実家の壁に貼られています。3月末から80歳記念で来日される時には兵庫に彼を招待して、定期演奏会でモーツァルトのフルート協奏曲を演奏してもらいます。他にも各地でリサイタルがあるようで、とても楽しみです。「題名」にも是非出演してもらおうと思っています!
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世界を代表するオケが学生と演奏する、観て聴くのは子どもたち。何とすばらしい企画でしょう!
それを指揮するのが佐渡さん!!まさに適役だと思うと同時に、それだけ佐渡さんが2005年のCDやオランジュ音楽祭など、ロマンド管から深い信頼を得ているんだとファンとしてとても嬉しかったです。
グラーフさんの話が心に響きました。
そして、火星、木星の演奏。
一番ぐっときたのは、やはり木星のテーマの部分。普通この部分は1分40秒台から50秒台で演奏されることが多く、2分を超えることは稀です。惑星のCDを50近く持っていますが2分5秒を超えるのは4枚だけ。その中にバーンスタインと佐渡さんがいます。名だたる巨匠、惑星のエキスパートの演奏の中で、ダントツで好きなのが、バーンスタインと佐渡さんのアルバムです。この日の佐渡さんとロマンド管のテーマ部分の演奏は2分8秒。これは何と佐渡さんとN響とのライヴCDとまったく同タイムです!!!
魂を揺さぶられる木星、そんな演奏を聴ける子どもたちは本当にしあわせだなぁ。そんな場をつくる、ロマンド管、そして佐渡さん、最高です!!
ホルストの惑星って、しっかりと表題が付いていてイメージがなんとなくあるせいか、今回の放送は、なんだか抽象的なのに、もの凄く壮大な映画を見ているような気分になりました。火星はめちゃくちゃSFな雰囲気の映像が抽象的に頭の中に浮かびましたが、木星は自然で緑いっぱいの楽園でした。気持ちのいい強い風が吹いていました。なんでだろう?
グラーフさんの演奏、チャンスがあったら聴きに行きたいです。面白い方でしたし、なんといっても、ちょっとだけ流れてた演奏がとても美しかったです。魔法の薬っていうのがなんかわかる気がします。
それとグラーフさんのおっしゃていた、「楽譜の読める君たちにはレコードは必要ないという」言葉には、別に音楽家でもなんでもないのにズシーンと来ました。やっぱり自分自身が苦心し、一所懸命に考えるからこそ素晴らしいものが生まれるということなのでしょうが、これは音楽に限らないと思いました。
佐渡さんのご家族は皆さん先生なのですか。実はわたしもバイトで先生をしています。絶対に、わたしが先生やる事だけはありえないと常々思っていたのに、成り行きで(こういうことってほんとにあるんですね)。教えてる子が良く出来て喜んでいると、一緒に大喜びしちゃって、周りに迷惑かけたりしちゃうのですが。佐渡さんは世界中の子供たちや、学生、更には一般の方々にまで音楽の素晴らしさを生で、あるいは放送で教えているわけですよね。これはもの凄く重要な使命であるとともに、もの凄く素晴らしい活動だと思います。これからもわたしも色々佐渡さんに教えてもらいつつ、もの凄く応援します。佐渡さんのアイドルがグラーフさんなら、わたしのアイドルは佐渡さんでしかありえません。お洒落なスーツがいつか必要になったときには百パーゼニアのスーツ買います。
宇宙のエネルギーを補給して頂いたような「惑星」の演奏をありがとうございました。
2007年7月初めに仕事でジュネーブに行き、空き時間にビクトリアホールを訪れましたが、佐渡さんとロマンド管はオランジュに発たれた後で、他にコンサートもなかったため、残念ながら中に入ることもできませんでしたが、外観だけでなく、中も本当に歴史を感じる素晴らしいホールですね。
次回、訪れる時はぜひ生で聴いてみたいです♪
こんにちゎ。中学でフルートを吹いています。今日の放送で出てきていた「シリンクス」いつか吹いてみたい曲の一つです。そしていつか、ヴィクトリアホールみたいなところで吹いてみたいです。今度フルートの特集もしてくださいね!楽しみにしてますので!!
初めまして。
佐渡さんの番組になってから欠かさず拝見するようになりました。
子供のころの夢は、自分専用の音楽室を持ち世界中のあらゆる楽器を集め、気の向くままに楽器演奏をすることでした。
今ではそんな夢を持っていたことも忘れていました。
ところが、あるコンサートをきいたことをきっかけにフルートを始めてしまいました。
簡単そうに思えた楽器が・・・(単純な構造の楽器だけにかなり難しい!!)と実感し始めています。
あれから2年半経ちました。
最近公民館のフルートアンサンブルの一員になり、3月8日に初めて人前で発表することになりました。
ジュピターも演奏する予定です。
今の私は表現するということとは程遠く音符を追いかけている感じです。
今日、聴かせてもらったジュピターに、「こんな世界もあるよ」と、教えられた気がします!
ピーター・ルーカス・グラーフさんの言葉で『48%の模倣』でしたか?
この言葉には大変勇気をもらいました♪
恵まれた時代に感謝です。
これからもっと、いろいろな音楽を聴き、さまざまな世界を知りたいと思いました。なんだかとても楽しみです。
ヴィクトリアホール綺麗でした!!!
生きてるうちに行ってみたいなあ、なんて思ったりw
そしてもっと言えば楽器を吹けたらなあ、なんて思ったり(‥艸)+.
「木星」の演奏すごく感動しましたっ★
涙が出そうになりました。。。。
あと、自分もフルート吹いてるのでグラーフさんすごく憧れてます!
いつまでも現役でいてほしいです!
とても素敵なホールですね。たくさんの子供たちがあんなホールで趣向のこらされたコンサートを聴く・・・、ほんと、うらやましいです。豪華絢爛な内装。そしてそれにもまして、素晴らしい音響。私もスイスにいったら絶対にコンサートを聴きにいきたいです。
「ヴィクトリアホール」こんなに美しく歴史あるホールは日本にはないですね。ホール一杯に響き渡る音のシャワーを浴びてみたいです。
私のフルートの先生は、スイス留学をしてグラーフ先生のレッスンを受けました。孫生徒?の私は、3月のリサイタルに、もちろん行きます!
今回の「題名のない音楽会」でも素晴らし演奏が聞けました。ピーターさんの演奏は是非「題名」でじっくり聞いてみたいです。
ヴィクトリアホール、素晴らしいところですね。「火星」が始まったとき、TVを通すと少し響きすぎてるかな、と思ったのですが、すぐに、演奏の素晴らしさと説得力のある臨場感溢れる響きに圧倒されて、聴き入ってしまいました。ホールの音響の素晴らしさが画面を通しても伝わってきました!!グラーフさんは佐渡さんのアイドルだったのですか~。HPACの定期演奏会でグラーフさん演奏が聴けるのを楽しみにしています!
業務上ひょんなことからジュネーヴに近しくなり今日に至ります。グラーフさんとのインタヴューはその背景にレマン湖の大噴水がさりげなく瞥見され、スイス情緒纏綿たるものがありますね。
是非、ジュネーヴでも佐渡さんの演奏に接してみたくなりました。スイスの作曲、とりわけオネゲルなどを・・・