2014年09月14日

ズドラーストヴィチェ! みなさん、おはようございます。番組レポーターのペンシルです。
今日の放送では、作曲家の青島広志さん扮する“青島ピロシキノフ”さんが、チャイコフスキーの絶筆となった交響曲第6番「悲愴」について、チャイコフスキーのそばに常に一緒にいたという設定のもと、ユニークなアプローチでの楽曲分析を披露してくださいました。青島さんは以前、チャイコフスキーのパトロンと紹介されたメック夫人に扮したこともある、名曲百選シリーズの名バイプレーヤー。「モスクワのゆるキャラ」なんて佐渡裕さんにいじられても、「スパシーバ(ロシア語でありがとう)」と役になり切って受け答えができるあたり、百選ならぬ百戦錬磨の変装ぶりを今回も発揮してくださいました。それにしても、モスクワのゆるキャラって…佐渡さん、言葉のセンスもすばらしいですね(笑)!
さて、今日は、放送にはなりませんでしたが実際の舞台で繰り広げられた、佐渡さんとピロシキノフさんのやりとりを紹介しましょう。
ピロシキノフさんが、メック夫人との歪んだ関係が表れていると分析した、第2楽章の5拍子のワルツ。それについて佐渡さんは、こんなふうにおっしゃっていました——
佐「2拍子と3拍子は、まったく性格が違う拍子。2拍子は行進曲、3拍子は踊りの曲。このふたつを合わせた変な拍子なのに違和感がないというのがチャイコフスキーのすごいところ。大きな3拍子に聴こえるし、現実逃避したみたいな非現実的な美しさを持っている。それでいながら爽快感があり、無理やり踊らされているような強制感もあり、青春の若い頃を回想しているような、とっても不思議な楽章ですね」
ここでピロシキノフさんが、佐渡さんに素朴な質問を投げかけます。
ピ「当時の指揮者は5拍子を振れたのでしょうか?」
佐「いや〜、どうでしょうね…。指揮者としては結構、悩む楽章なんです。基本的には1・2、1・2・3と振りますが、1・2、1、1・2とも取れし、3+2の要素もある。そして、この同じ拍子がずっと続くことで、悪い夢を見ているような感じにもなりますよね」
この会話の後、第2楽章の抜粋演奏となったのですが、その演奏後——
佐「踊れないし、手拍子も打てないし…どっちやねん!(笑)」
ピ「そりゃもう、手拍子は絶対無理!」
佐「でも、そのリズムの上に、ヴァイオリンの甘えるようなメロディーがあって、それがメック夫人への思いなのかどうかは分からないけど、甘えん坊の音楽でもあるね」
——どうですか? 佐渡さんがどんな思いとテクニックで指揮をしているかが垣間見えて、ペンシルはとても興味深く聞きました。
さて、今週は佐渡さんのお膝元、兵庫県立芸術文化センターでの年に一度の番組収録があります。お近くの方、楽しみにお待ち下さいね〜♪
それではペンシルとはまた次回。
スィーユー!
(ペ)
視聴者からのコメント
2014年09月21日 13:00
題名ファン
同じ日に弦楽4重奏でチャイコフスキーの曲を(偶然にも)聴きました。確かに全然曲想が違いますね。あんな偉大な方にも悩みはあったのですね。
話は変わりますが・・・智恵さんの服、すごく素敵ですね。タイトルの暗さが和らげられた気がします。以前あったコーナーなら大絶賛されますね。私はあんなに表現力がないのですが永く番組の華でいてください。
2014年09月14日 16:33
ふわふわオムレツ
チャイコフスキーにも「悲愴」があったなんて初めて知りました。いろいろな見方があるものですね!ラスト数秒の佐渡さんの悲壮感漂う表情と静寂、緊張感がなんとも言えませんでした。