ミテシル日記

出光音楽賞ガラコンサートこぼれ話

2014年09月07日

140907

ハロー、エブリボディ! 番組レポーターのペンシルです。

 

9月の放送は、出光音楽賞受賞者のみなさんによるエネルギッシュで瑞々しい演奏で始まりました。理想とする音楽を真摯に求める姿から、“清らかな野心”という言葉がペンシルの頭には浮かんできましたが、みなさんはどう感じましたか?

 

さて今日は、ガラコンサートのステージから、放送からこぼれたお話しを紹介しますね。

 

出光音楽賞は、将来有望な若手音楽家の活動支援を目的とし、年間を通じて意欲、素質、将来性が認められる音楽活動を行ってきた新進音楽家に贈られる賞です。選考委員として司会を務められた池辺晋一郎さんがおっしゃっていましたが、短期的なコンクールとは違い、長期的な視点で評されるのが特徴ですね。

 

今回の選考について池辺さんは、「いつも大変なんですが、今年は特に賞を上げたい人が何人もいました。最終的にヴァイオリンが二人という、私にとっては選考の経過が激しく大変だったことを思い出させるに充分な、稀有な結果となりました」とおっしゃっていました。

 

そんな激しい選考を見事くぐり抜けた受賞者の一人、ヴァイオリンの成田達輝さんは、出演の2週間前までギリシャのアテネでレッスンを受けていたそう。プロの音楽家でありながら、さらなる研鑽を意欲的に積む姿勢に、出光音楽賞らしい受賞理由の一端を見る思いがしました。

 

ミテシル日記池辺さんが教えてくれましたが、成田さんが演奏したシベリウスと、小林美樹さんが演奏したコルンゴルトは没年が一緒。年齢的にはシベリウスが30歳ほど年上ということですが、池辺さんいわく「同じ時代の空気を吸ってきた作曲家が、こんなに違う曲を書いたのは驚き」だそうで、この2曲を選曲したところに、成田さんと小林さんのそれぞれの個性が表われているんじゃないかとペンシルは感じました。

 

その小林さん、受賞の知らせを聞いた日のことを、「家族と跳ね上がって喜びましたが、そのあと涙が出てきて、笑ったり泣いたり忙しい一日でした」と振り返っていました。数々のコンクールで入賞し、CDデビューを果たしている小林さんにとっても、出光音楽賞は大きな賞なんだということが伝わってきますね。作曲で受賞された挟間美帆さんも、「音楽は勝ち負けのはっきりしないものなので、自分を信じる大きな勇気になる」と喜びを語っていらっしゃいました。

 

挟間さんは、ジャズピアニストの山下洋輔さんに見いだされた若きジャズ作曲家として、題名のない音楽会には何度も出演されていますが、挟間さんに作品委嘱をするなどすでに一緒に仕事をしている池辺さんは、「あまり有名になって忙しくなり過ぎちゃ困る」と冗談を交えて高く評価されていましたよ。

 

今日の放送は、2時間のコンサートを30分にぎゅっと凝縮したダイジェスト版でしたが、受賞者3名の魅力はみなさんに届きましたか? もっと聴いてみたい!と思われた方はぜひ、これからの日本音楽界を担う音楽家の演奏会に足を運んでみてくださいね。

 

それではペンシルとはまた次回。

 

スィーユー!

 

(ペ)

視聴者からのコメント

2014年09月07日 16:05

題名ファン

受賞された方々に心からお祝いを申し上げます。音楽は互いに高めあうもので競い合いではない・・・。けれど、良い音楽家を育てるには競い合いも必要なのですね。此の頃は高校の演奏会どころか中学生の定期演奏会まで普通になりつつあります。中には音楽が好きで部活に入ったもののあまりの競い合いに辟易している部員もいるとか・・。なんでもそうですが、うまくすみわけ?ができるといいですね。とは云え芸術の秋。各種コンクールやコンサートがあり聴くだけの私は楽しませて戴きます。

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